[改革実践のキーワード / 改革実践のスタンス / 改革実践の進め方①・②]
改革実践のキーワード
~都政の新しいスタンダードへ~
本戦略に掲げるプロジェクトを「実践」していく中で、以下の5つのキーワードを「都政の新しいスタンダード」として、庁内に定着させていきます。
【スピード】
- 社会や人々の価値観の急速な変化にも的確に対応するため、デジタルを駆使し、スピード感をもって課題解決につなげます。
【オープン】
- 都庁の様々な資源をオープンにし、社会課題の解決に向けて民間企業や市民、区市町村など多様なプレーヤーと共創します。
【デザイン思考】
- 顧客である都民・職員が何を求めるかを改革の起点とし、常にユーザー目線に基づく政策・サービスを創り上げます。
【アジャイル】
- 環境やニーズの変化に大胆かつ弾力的に対応し、確認と改善のプロセスを絶えず繰り返します。
【見える化】
- 数値化できるものは指標を設定し公開するなど、改革の達成状況を可視化していきます。
改革実践のスタンス
~これまでの取組の中で見えてきたもの~
新たな都政「シン・トセイ」に向けた様々な取組を進める中で、私たちは次の5つのスタンスで改革を実践していくことが重要だと考えるようになりました。
01 ユーザーとの対話を徹底する
- ユーザーの声を基にトライアル&エラーを繰り返しより良いサービスへブラッシュアップ
- サービスを「作る」立場ではなく「使う」視点で作り上げる
都政の構造改革が目指すのは、QOS(Quality of Service)の向上です。 そして、その答えは都民や事業者などユーザーが知っています。これまでも、世論調査やパブリック・コメントなどを行ってきましたが、各種手続のユーザーレビュー機能の実装や、サービス開発の際のユーザーテストの実施など、新しい取組が始まっています。ユーザーとの対話が「非日常」から「日常」へと変化しつつあります。
02 QOSを徹底して数値化しデジタルで爆上げする
- 社会環境の変化やニーズの多様化に即応きめ細かな行政サービスを迅速に提供
- 情報は「伝える」から「伝わる」工夫を
サービスは「来てもらう」から「お届けする」工夫を
オンラインのサービス提供、テレワーク、テレビ会議の急速な拡大など、将来目指す姿としていたものがまたたく間に現実のものとなりました。ユーザーの多くはインターネットに常時接続され、スマートフォンなどのデバイス、コンテンツ、求めるニーズやライフスタイルもめまぐるしく変化しています。今、デジタルの力を梃子に、「不便・面倒・複雑」な行政から脱却し、より良いサービスを、より速く、より多くの人へお届けしていきます。
03 働く環境を変えることで、人を、仕事を、組織を変える
- 「紙ベース」から脱却
効率的で質の高い「デジタルベース」の時代へ - 都庁内部での「イヤな仕事」をなくし、社会のための「楽しい仕事」へ
なぜ都庁がオフィス改革?職員の働く環境や仕事の進め方を変え、内部事務のムダを徹底的に排除し、イノベーティブで都民サービスに直結した業務へとシフトを進めます。
あなたの仕事はこれ、働く場所はここ、と決められた場所で決められた仕事をする時代から、職員が自らの仕事や働き方を主体的に捉え、より効率的で付加価値の高い仕事を進める組織へと、転換を進めています。
04 制度や仕組みなどの構造的な課題に切り込む
- まずは実践の中で課題を見出し、あるべき制度や仕組みを再定義する
- 官と民、都と国や区市町村など、既存の枠組みに捉われずオープンに共創する
短期集中で様々なプロジェクトを実践していく中で、これまでの制度や仕組みなどの構造的な課題が顕在化しつつあります。民間や国、区市町村など多様なプレイヤーと連携しながら、柔軟な発想とアプローチで、これらの構造的な課題へと向き合っています。
05 変革をスピードアップし、サービスをいち早く実現する
- デジタルを武器に環境を変革業務を高度化・効率化
- 年度単位を慣例とする思考から脱却し、事業執行をスピードアップ
- フラットな組織変革と職員の主体性を活かし、迅速な意思決定を実現
デジタルが主流となっている昨今、スピードこそ最大の武器です。先進的な民間企業、諸外国では、短期間で様々なイノベーションとより多くの革新的なサービスを生み出し、大きな成長を遂げています。社会環境の劇的な変化にアジャイルに対応するために、都においても、様々なデジタルツールの活用や、仕事の進め方の見直しや創意工夫を行い、計画立案や事業執行の「年度単位を慣例」とする思考から脱却を図ることで、事業の検討から実施、検証のサイクルを早め、“爆速”経営を実現していきます。
改革実践の進め方①
~都民・職員との双方向でのコミュニケーション~
社会の変化のスピードが速く不確実性が増す中、都政のQOS向上というゴールに向けて着実に政策を進めるためには
「目指すゴールに対し、どの地点にいるのか現在地を正確に把握すること」
「刻一刻と変わる状況に応じて、アジャイルにルートを修正すること」が必要です。
そのために、
■ 都民の満足度(CS)や職員の意識(ES)などを定点観測することで、QOS向上のメルクマールとする
■ SNSやデジタル提案箱などを活用し、ユーザーである都民や職員のニーズを直接把握(デザイン思考)
■ 改革の進捗状況をダッシュボード化するなど、定期的に現在の到達点を見える化
などの取組を進めることで、都民・職員との双方向でのコミュニケーションを図っていきます。
改革実践の進め方②
~民間、国、区市町村等との共創~
社会課題の解決に向けて、民間や国、区市町村など多様なプレイヤーとオープンに共創するために、
■ オープンデータ、オープンソースにより、市民、企業、大学、NPOなど多様な主体との協働を進めるとともに、民間の知恵を活かす規制緩和に取り組む
■ 国が設置予定のデジタル庁の取組等と軌を一にし、連携を図るとともに、法改正や各種規制の見直しなど国による環境整備が必要な事項については随時提案要求を実施
■ 区市町村における行政手続など、都と一体となった取組を進めるための連携を行い、技術的なサポート等を実施
などを進めていきます。