進捗状況(2023年1~3月)
監査事務の一部自動化、効率化
〇データ分析ツール等を活用し監査事務の一部自動化、効率化
【定例監査での活用】
・定例監査は、都の事務・事業の全般を対象とした監査です。問題状況とその原因を指摘して、改善を求めることを目的としています。
・これまでは、監査の対象とする案件の選定を、職員が契約台帳を使い、手作業で行っていました。今回のプロジェクトでは、各局の歳入や歳出の状況が記録されたデータを財務会計システムから取り込み、データ分析ツールを用いて分析し、その結果を監査対象選定の一部に反映していきます。
・2023(令和5)年定例監査において、新たにデータ分析ツールを用いて、一部の局の歳入・歳出データを分析し監査対象案件の抽出を行うなど、分析結果を監査対象案件の一部に反映させ、監査を実施しました。
【財政援助団体等監査での活用】
・補助金交付団体等に対する財政援助団体等監査は、都が財政的援助を行っている事業が、補助等の目的に沿って適正で有効かつ効率的に執行されているか、また、当該団体に対する所管局の指導監督は適切に行われているかを主眼として実施する監査です。
・これまでは、監査の対象とする案件の選定を、職員が補助金等のリストを使い、手作業で行っていました。今回のプロジェクトでは、一部の補助金等について電子データをデータ分析ツールを用いて分析し、その結果を監査対象選定の一部に反映していきます。
・2022(令和4)年9月に実施した財政援助団体等監査において、データ分析ツールにより分析を行い、過去の監査で誤りが多く指摘されている補助金の項目について、他施設と大きく異なる傾向のある施設を監査対象に選定するなど、監査対象団体の選定の一部に反映させました。
・一部の補助金について、データ分析ツール活用により対象団体を選定し、監査を実施した結果、多くの指摘事項の捕捉に繋がりました。
・2023(令和5)年財政援助団体等監査でデータ分析ツール活用の対象拡大も含め、補助金の選定に向け、検討に着手しました。
【各会計歳入歳出決算審査での活用】
・各会計歳入歳出決算審査は、都の会計管理者が調製した決算について、決算書等の関係諸表の計数を確認するとともに、予算の執行が効率的なものとなっているかなどを主眼に実施する審査です。
・決算審査の結果を取りまとめた意見書の作成は、これまで職員が主に紙の資料を使用して、手作業で数字等を入力し、表の作成等を行っていました。今回のプロジェクトでは、デジタル技術を活用し、電子化された資料から自動で数字を集計し、表の作成を行うことを目指しています。
・2022(令和4)年7~8月に実施された各会計歳入歳出決算審査において、審査意見書中の表の一部をプログラムにより自動作成することで、業務の省力化と正確性の向上を実現することができました。
・前年の運用の成果を踏まえ、公有財産関係の表など自動作成の対象とする表を追加するよう、プログラムの機能を拡充しました。
監査力向上のための人材育成
〇デジタル技術を活用した監査の定着に向けて人材を育成
・データ分析ツールの活用について、基本的な知識の習得及び発展的な知識の習得に向けた研修を実施する予定です。
・2022(令和4)年11月に、データ分析ツールの基礎研修を受講した職員6名を対象に、発展的な知識の習得に向けた上級研修を実施しました。
・2023(令和5)年度の研修等の実施に向け、今年度の研修内容等の精査を行いました。
監査のDX推進
〇監査のDX推進に向けた調査
・都の内部管理事務のデジタル化をはじめとする行政のデジタル化を見据え、監査のDX推進に向け、先進事例の調査を実施しました。
・調査委託の結果を踏まえ、当局における監査のDXの具体的な展開に向けて、諸課題の整理等に着手しました。
今後の取組(2023年4~6月)
監査事務の一部自動化、効率化
〇データ分析ツール等を活用し監査事務の一部自動化、効率化
【定例監査での活用】
・監査結果のフィードバックを行い、分析方法等の検討を進めます。
【財政援助団体等監査での活用】
・2023(令和5)年財政援助団体等監査に向け、データ分析の対象や分析方法等について検討を進めます。
【各会計歳入歳出決算審査での活用】
・2022(令和4)年度各会計歳入歳出決算審査に向け、処理プログラムのテスト等を実施します。
監査力向上のための人材育成
〇デジタル技術を活用した監査の定着に向けて人材を育成
・デジタル技術活用監査の中心となるコア人材の育成に向け、2023(令和5)年度の研修実施に向けた準備を進めます。
監査のDX推進
〇監査のDX推進に向けた具体的な検討
・内部事務のデジタル化に対応した監査の具体的なあり方についての検討に着手します。