進捗状況(2023年度)
2022年度より、八王子市南大沢地区において再エネ電力を無駄なく地域で利用するため、蓄電池・EV充放電器等の設備の最適運転パターンなどを検証しています。 2023年度は、八王子環境フェスティバルへの出展、災害時を想定した電気自動車(EV)からの給電試験デモの実施、各設備の最適運転パターンの検証を実施しました。
①八王子市環境フェスティバルへの出展
2022年度に引き続き、2023年6月4日に八王子市の東京たま未来メッセ(東京都立多摩産業交流センター)で開催された「2023八王子環境フェスティバル」に出展しました。
当日は本事業のポスターを展示し、イベントに参加された皆様へ再エネシェアリングの意義等をご説明しました。

<2023八王子環境フェスティバルでのポスター展示の様子>
②災害時を想定したEVからの給電試験デモの実施
電気自動車(EV)は、動く蓄電池として、停電等の非常時における電源として活用されることが期待されています。
EVからの給電については、「①可搬型給電器を用いた非常時給電」と「②建物等に設置された充放電器からの非常時給電」等の方法が考えられます。2023年度は、パオレ(多摩ニュータウン開発センター)内に設置しているEV充放電器を用いて非常用給電環境を模擬し、「②建物等に設置された充放電器からの非常時給電」のデモを実施しました。なお、「①可搬型給電器を用いた非常時給電」については、2022年度に「2022八王子 環境フェスティバル」にてデモを実施済みです。

<非常時におけるEVからの給電パターン>

<2023年度非常時給電デモ 実施内容及び実施概要図>
③各設備の最適運転パターンの検証
災害時における事業継続計画(BCP)を考慮した施設ごとの蓄電量・水素貯蔵量を考慮しつつ、2022年度・2023年度に収集した太陽光パネル発電量等のデータを活用することにより、各施設における設備の最適運転パターンを検証しました。
また、2050年ゼロエミッション東京及び2030年カーボンハーフを見据え、南大沢地区における電力シェアリングの実現に向けて、各施設で太陽光パネルを最大限設置したケースを想定し、その場合に見込まれる発電量を各施設でシェアリングした場合のシミュレーションを実施し、その有効性について検証しました。
今後の取組(2024年度)
2024年度は本実証の最終年度であるため、再生可能エネルギーを基幹エネルギー化する観点から、これまでの取組をさらに拡大して検証していく予定です。具体的には、これまでは実証施設間のみでのシェアリングについて検証を実施していましたが、2024年度は、これらの実証施設に加え、住宅等も含めた南大沢地区全体において、再生可能エネルギー由来の電力をシェアリングした場合の有効性について検証していきます。
こうした実証の取組結果を踏まえて、都内においてVPPを社会実装するために必要な課題等について、最終報告としてまとめていく予定です。
あわせて、展示会等も活用し本事業の意義・取組成果を広く発信していく予定です。