進捗状況(2024年7~9月):デジタル技術活用監査の推進プロジェクト【監査事務局】

デジタル技術活用監査のイメージ

進捗状況(2024年7~9月)

データ分析ツールの活用

〇データ分析ツール等を活用し監査事務の一部自動化、効率化

【定例監査での活用】
・定例監査は、都の事務・事業の全般を対象とした監査です。問題状況とその原因を指摘して、改善を求めることを目的としています。

・従来、監査の対象とする案件の選定は、職員が契約台帳を使い、手作業で行っていました。このプロジェクトでは、データ分析ツールの導入により、各局の歳入や歳出の状況が記録されたデータを財務会計システムから取り込んで分析し、案件選定に活用することを目標としています。

・2025(令和7)年以降の監査に向け、各局等から収集した歳入や歳出の状況が記録されたデータを分析する手法について、2024(令和6)年度に組織したPTが中心となって、業務チャット等を活用して検討を重ねています。

【財政援助団体等監査での活用】
・補助金交付団体等に対する財政援助団体等監査は、都が財政的援助を行っている事業が、補助等の目的に沿って適正で有効かつ効率的に執行されているか、また、当該団体に対する所管局の指導監督は適切に行われているかを主眼として実施する監査です。

・従来、監査の対象とする案件の選定は、職員が補助金等のリストを使い、手作業で行っていました。このプロジェクトでは、データ分析ツールの導入により、一部の補助金等について電子データを分析し、その結果を監査対象選定の一部に反映しています。

・2024(令和6)年秋に実施予定の財政援助団体等監査において、昨年に引き続き、データ分析による団体選定を実施しました。本年は、分析に使用するデータを拡充し、データ分析を活用する財政的援助を拡大することで、更なる効率化を図りました。

【各会計歳入歳出決算審査での活用】
・各会計歳入歳出決算審査は、都の会計管理者が調製した決算について、決算書等の関係諸表の計数を確認するとともに、予算の執行が適正なものとなっているかなどを主眼に実施する審査です。

・従来、決算審査の結果を取りまとめた意見書の作成は、職員が主に紙の資料を使用して、手作業で数字等を入力し、表の作成等を行っていました。このプロジェクトでは、デジタル技術を活用し、電子化された資料からRPAにより自動で数字を集計し、表等の作成を行うことで、業務効率化に取り組んでいます。

・2023(令和5)年度各会計歳入歳出決算審査において、各局から歳入・歳出関係、公有財産関係のデータの提供を受け、審査意見書の表の大部分を自動作成しました。

監査力向上のための人材育成

〇デジタル技術を活用した監査の定着に向けて人材を育成

・デジタル技術を活用した監査では、データ分析ツールを用いた作業を伴うため、当局職員にもデータ分析ツールの習熟が求められます。

・当局では、データ分析ツールの活用について、基礎的な知識・技能の習得及び発展的な知識・技能の習得に向けた研修を実施しています。

・2024(令和6)年度の研修実施に向けて研修内容を精査し、従来の上級研修に代えて、より実践的なワークショップ形式の研修を行うこととし、研修実施委託契約を締結しました。

監査のDX推進

〇内部事務のデジタル化に対応した監査の実現

・都庁全体としてDXが進む中、契約・支出事務をはじめとする各局等の内部事務のDX化が予定されています。

・デジタル化された内部事務のデータを監査資料として効率的に取得することを目指し、財務会計システムを所管する会計管理局との調整を行っています。

今後の取組(2024年10~12月)

データ分析ツールの活用

〇データ分析ツール等を活用し監査事務の一部自動化、効率化

【定例監査での活用】
・提供を受けたデータを活用しながら、局内で組織したPTを中心に、監査対象選定手続の充実化について引き続き検討を進めます。

【財政援助団体等監査での活用】
・2024(令和6)年財政援助団体等監査において、データ分析を活用して選定した団体に対する監査を行います。

【各会計歳入歳出決算審査での活用】
・2024(令和6)年度各会計歳入歳出決算審査に向けて、新たなデータ活用手法の検討を行います。

監査力向上のための人材育成

〇デジタル技術を活用した監査の定着に向けて人材を育成

・発展的な知識・技能の習得を目指し、2024(令和6)年度のデータ分析ツールの活用研修を実施します。

監査のDX推進

〇内部事務のデジタル化に対応した監査の実現

・内部事務DXの進捗状況を把握し、当局の監査業務DXについて検討するため、関係各局との調整・情報収集を進めます。

・財務会計システムを所管する会計管理局との調整を引き続き行います。