進捗状況(2022年7~9月):未来型オフィス実現プロジェクト

未来型オフィス実現プロジェクト2022年度第2四半期進捗報告アイキャッチ画像_cp1

  未来型オフィス実現プロジェクトでは、「自分たちのオフィスは自分たちで作る」を合言葉に、新しい働き方を支える未来型オフィスの全庁展開に向けて取り組んでいます。

 都庁本庁舎では、職員がスピーディーで生産性の高い働き方を実践するため、柔軟で自由に働ける未来型オフィスの整備を進めており、これまでに8部門を整備しました。
 2022年度は、これら8部門での検証・バージョンアップを行うとともに、新たに17部門(当初の計画より2部門増)で整備を進めます。
 また、2025年度までの全庁展開に向けた整備方針・マニュアルを作成していきます。

 都民サービスの最前線である事業所においても、デジタルツールの導入などにより、都民サービスの向上と職員の生産性向上を図るため、事業所のデジタル化を推進しています。
 2020年度から保健所と都税事務所で先行的に取り組み、その成果を全庁で共有したうえで、2022年度より対象を全局等の事業所に拡大し、それぞれの事業所の業務特性に応じたデジタル機器の導入やオフィス改革を進めていきます。

本庁舎・事業所の展開方針

目次
1 都庁本庁舎
(1) 2021年度までに整備した8か所の状況
(2) 2022年度未来型オフィスの拡大 ~新たに17部門整備します~
(3) 未来型オフィスの新しい働き方を支える庁内システム基盤
2 事業所
(1) 先行事例での取組状況(保健所都税事務所
(2) 全局への展開

1 都庁本庁舎

進捗状況(2022年7~9月)

(1) 2021年度までに整備した8か所の状況

 2021年度までに整備した8部門で、場所にとらわれない新しい働き方を実践しながら、それぞれのオフィスの改善策について議論、検討しました。

 各部門からは、Web会議が盛んに行われるようになったことから専用ブースを導入し、周囲に声が漏れないようにする、レイアウトの変更が容易であるというオフィスの利点を更に生かすために持ち運び可能なバッテリーを配備し、電源の無い場所でも打合せや作業を行えるようにする、などの意見が出ました。

課題と改善のためたの方策

 今後、上記改善策の実装に向け、調達等の手続を進め、オフィスの機能を強化していきます。

【場所にとらわれない柔軟な働き方の推進】

 未来型オフィス導入職場で働く職員を対象に民間シェアオフィスの利用を開始して約3か月が経過しました。この間、対象者約800名のうち255名が利用しました。

 利用者を対象に実施したアンケート調査によると、自宅の代替として民間シェアオフィスを利用した理由を、家庭の事情や設備の不足といった事情により自宅でのテレワーク実施が難しいため、と回答した職員が79%でした。

民間シェアオフィスを自宅の代替として利用した場合で最も当てはまるのはどれですか?

 民間シェアオフィスを活用することで、これまで様々な事情によりテレワークを行うことが難しかった職員であってもテレワークを実施することが可能となり、オフィス、シェアオフィスを使い分けて働くことができるようになっています。

 また、「自宅でテレワークをした時の生産性を100とすると民間シェアオフィスでテレワークをした時の生産性はどの程度か」尋ねると、7割の職員が100超であると回答しました。具体的には、業務の効率が高まった、時間を有効に活用できるようになった、という意見が聞かれ、民間シェアオフィスを利用し、自宅よりも生産性の高い働き方を実現しているということが分かりました。

自宅でテレワークをしたときの生産性を100とすると、民間シェアオフィスでテレワークをしたときの生産性はどれくらいに感じますか?

(2) 2022年度未来型オフィスの拡大 ~新たに17部門整備します~

 第1四半期に実施したオフィス視察やeラーニングで得られた知識・情報、またワークショップでの検討事項等を踏まえ、第2四半期は整備後のオフィスレイアウトの検討を進めました。

2022年度未来型オフィス整備対応スケジュール

 「秘匿性の高い電話や業務を行う専用スペースを用意したい」「大型図面を収納できる特殊なサイズの書庫が必要」「隣接する局と共有できる業務スペースを設けたい」など、新たな働き方をイメージしながら、各部門の業務特性に応じた様々な機能をオフィスレイアウトに反映しています。

 また、レイアウトの決定後は、情報機器の配置図面の作成や什器の調達、運搬、廃棄等に関する契約の準備を進めています。こちらも、オフィス整備を滞りなく実施するために、大事な手続です。

 第3四半期では、第1期整備部門のオフィス整備を実施します。生まれ変わったオフィスのお披露目まで、楽しみにお待ちください。

(3) 未来型オフィスの新しい働き方を支える庁内システム基盤

 職員の生産性向上に向けて、複数のタイプの軽量PC*を未来型オフィスの一部職場に導入するため、調達の手続を進めています。

*軽量PC:デタッチャブルタイプの2in1端末(キーボードを取り外しタブレット型端末として使用することが可能な端末)、コンバーチブルタイプの2 in 1 端末(キーボードを裏返しタブレット型端末として使用可能な端末)

 職員が日常の業務でクラウドサービスが利用できるよう、TAIMSの機能強化(STEP2)に向けた詳細設計を進めるとともに、クラウドサービスの利用に必要なライセンスを調達しました。
 また、これらの利用促進を図るために、5月から月1回の頻度で職員にメールマガジンを発行しています 。

今後の取組(2022年10~12月)

  • 2021年度までに整備した8部門でのオフィス機能の強化に向け、調達等の手続を進めます。
  • 2022年度、第1期整備部門のオフィス整備を実施します。
  • 2023年度の未来型オフィス整備に早期に着手できるよう、整備部門の決定に向けた調整を進めます。
  • 2022年10月下旬から未来型オフィスの一部職場において、デタッチャブルタイプの2 in 1 端末を導入し、職員からの意見を踏まえた操作性等の検証を行います。また、2023年2月以降のコンバーチブルタイプの追加配備に向けて調達を進めます。
  • 2022年度末からのTAIMSのクラウドサービス活用による機能強化(STEP2)に向けて、環境構築・テストを進めます。

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2 事業所

進捗状況(2022年7~9月)

1 先行事例での取組状況

①保健所のデジタル化

新型コロナウィルス感染症対策の最前線に立つ保健所において、職員が感染症対策業務に一層集中できる環境を実現するため、ウェアラブル端末による健康観察や音声マイニングシステムの導入による電話音声の自動テキスト化、患者対応に係る進捗管理のデータ化など、都保健所に様々なデジタルツールを導入し、業務の効率化や負担軽減を図ってきました。

ウェアラブル端末を活用した健康観察のイメージ
▲ウェアラブル端末を活用した健康観察のイメージ
音声マイニングにより通話音声を自動でテキスト化
▲音声マイニングにより通話音声を自動でテキスト化

この結果、本年3月に実施した、今回新たに導入したデジタルツールの利用経験がある保健所職員向けアンケートでは、約70%の職員が、デジタルツールの導入によって患者支援の強化や職場内の業務改善等、新型コロナウイルス感染症対応業務全体の改善に役立ったと回答しています。


<職員からの声>

  • 「電話音声の自動テキスト化により、後から振り返って通話の内容を確認できるようになった」
  • 「クラウドサービスの活用により紙書類の捜索が不要となった」
  • 「検索機能等により必要な情報に容易にアクセスできる」 など

また、電話で行ってきた患者への連絡や問合せ対応をショートメッセージサービスやチャットボットに切り替えた結果、対応時間は、電話との比較で試算すると、導入後3カ月間で約3万時間の縮減効果が得られました。

ショートメッセージによる情報発信やH P上のチャットボットで疑問を解決
▲ショートメッセージによる情報発信やH P上のチャットボットで疑問を解決

保健所のデジタル化については、都の取組を区市保健所とも情報共有し、導入を支援しており、患者対応に係る進捗管理のデータ化のツールを千代田区保健所へ提供しました(7月)。

②都税事務所のデジタル化

  • 柔軟な働き方が可能な執務環境の実現に向け、集中ブースや打合せブース等の什器を導入し、職員による活用を開始しました。
  • 各都税事務所が自主的に結成したDX・未来型オフィスに係るPTにおいて、取組を進めています。例えば「デジタルチャレンジプロジェクト」と題し、複数所合同でのDX推進研修を実施したり、Web会議によるランチミーティングを通じてデジタルの知識の共有を図るなど、現場発信での積極的な取組を推進しています。
デジタルチャレンジプロジェクト・ランチミーティングの概要
デジタルチャレンジプロジェクト・ランチミーティングの概要

(2)全局への展開

事業所DXの進め方
  • クラウドサービスなどの実践的ツールを導入する事業所の拡大に向けて、今年度より業務の見直しやDXを進める「先行事業所」を選定するため、事業所を所管する局等(15局)の構造改革担当者や事業所の現場職員とのヒアリングを継続的に実施し、課題の共有・デジタル化の具体メニューの検討等を行いました。
  • デジタル化の方向性が固まってきた案件については、民間でのDX経験が豊富なデジタルシフト推進担当課長も含めた支援チームとともに、各局のデジタル化ニーズに合わせたサポートを開始しました。

今後の取組(2022年10~12月)

1 先行事例での取組状況

①保健所のデジタル化

  • 今後も、保健所職員の要望等を踏まえたシステム改修をアジャイルに進めるとともに、保健所業務の効率化や職員の負担軽減を推進していきます。
  • 都の実施してきたデジタル化の取組を、引き続き区市が設置する保健所とも共有していきます。

②都税事務所のデジタル化

  • 引き続きディスプレイなどのデジタルツールの導入を進め、各都税事務所の職員による活用を促進します。
  • 局内職員向けに「DXウェビナー」(※昨年度は3日間で延べ約700名が参加)を開催し、全庁及び主税局のDXの動向について共有するとともに、各都税事務所における取組を横展開し、現場のDX推進に向けた更なる機運醸成を図ってまいります。
ウェビナースライド抜粋①
昨年度ウェビナースライド抜粋①
ウェビナースライド抜粋②
昨年度ウェビナースライド抜粋②

(2) 全局への展開

  • 引き続き事業所の業務改革・働き方改革に向けて、各局と意見交換を行い、現場が抱える課題を解決してDXを進めるべく、先行事業所に対してデジタルサービス局が様々な面から支援していきます。
  • 先行事業所以外でも職場の実情に応じたDX検討に取り組めるよう、改革の好事例を横展開していきます。

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