進捗状況(2022年7~9月):都政スピードアッププロジェクト

スピード化イメージ

(1)事業執行の迅速化(2)契約・支出関連事務のデジタル化 / (3)契約・会計制度の見直し(4)総務事務センターへの事務の集約及びシステム処理の推進 ]

都政スピードアッププロジェクトでは、 事業の前倒しなど事業執行の迅速化により、都政運営のスピードアップを図ります。加えて、契約・支出に関する新たなシステム構築、デジタル時代にふさわしい契約・会計制度への見直し、手当・旅費等の総務事務センターへの集約拡大、超過勤務命令・集計事務のシステム化等に取り組み、抜本的なBPR とデジタル化で業務の最適化・効率化を図ります。

(1)事業執行の迅速化

  • 事業執行の迅速化については、シン・トセイ2で打ち出し、令和4年度予算では債務負担行為を設定するなど、取組を進めてきました。また、第二回定例会補正予算でも事業着手を早めるため債務負担行為の設定を行う等、予算制度を活用しながら取組を推進しています。
  • さらに、本年4月に制度所管局と事業所管局でPTを設置し、事業執行の迅速化に向けた手法(事業の前倒し・手続の短縮・不測の事態に対処する方策など)を約3か月にわたり検討しました。こうした手法を都庁全体にルールとしてしっかり浸透させるため、予算面に加え契約面等にもスピードアップの取組を拡大し、その手法を「迅速化メニュー」としてシン・トセイ加速化方針2022で整理しています。
 迅速化メニュー一覧
  • 加えて、「迅速化メニュー」の有効な活用に向け、5つの事業類型ごとに「迅速化モデル(第一弾)」を全庁に展開しています。
 迅速化モデル例(社会実装に向けた事業)
迅速化モデルの図

進捗状況 (2022年7~9月)

  • シン・トセイ加速化方針2022において示した、政策効果を素早く都民に還元するための迅速化メニュー・迅速化モデルを踏まえ、各局で事業の前倒しに取り組んでいます。
  • また、7月に発出した令和5年度予算見積の副知事依命通達では、事業の迅速化の視点などを踏まえた方針を示し、これを受け、各局で来年度予算の編成作業を行っています。
  • 加えて、9月補正予算において「ゼロ都債の活用拡大」や「ソフト事業等への債務負担行為の設定」といった迅速化メニューを活用することで、スタートアップ政策を迅速に展開していくための連携強化・人材交流の推進や、防災対策等のインフラ整備工事など、都の重要施策について事業着手の前倒しを図っています。

今後の取組(2022年10~12月)

  • 各局において、R5年度予算編成の中で迅速化モデルを活用し、事業執行の迅速化を図っていきます。
  • 年度内の「迅速化モデル第二弾」に向け、新たな視点も加え議論を深めていきます。

(2) 契約・支出関連事務のデジタル化

デジタル化のイメージ

進捗状況 (2022年7~9月)

〇スケジュール

7月取組

〇実施状況

  • システムの設計開発に当たっては、サービスデザインの実践として、設計開発事業者及び、発注者である都の支援を行うPMO事業者※の双方にデザインに知見のある外部の専門家が参画し、UI/UXの視点を重視した取組を進めました。
  • システム設計に活かすため、ユーザーとなる企業等(契約事務の相手方)へのヒアリングを行いました。
    ※PMO(Project Management Office):システム設計開発など大規模なプロジェクト等においてのマネジメント支援を指す。

《UI/UX確保に向けた実践イメージ》

今後の取組(2022年10~12月)

〇スケジュール

10~12月の取組

〇取組予定

  • 引き続き、受託事業者と都が連携し、UI/UXの視点を重視したシステムの設計・開発を進めます。
  • ユーザーへのヒアリングを継続し、システム設計・開発に反映させていきます。
  • システムの事業者認証の仕組みについて、デジタル庁と意見交換を行う予定です。

(3) 契約・会計制度の見直し

 現場の声や時代のニーズを検討の起点に、構造改革推進チーム、財務局、会計管理局からなるワーキンググループで制度や仕組みのあり方検討を進めていきます。

必要に応じて法律改正に向けた国への要望を行うなど、デジタル時代にふさわしい契約・会計制度の実現を目指します。

契約・会計制度見直しワーキンググループイメージ

進捗状況 (2022年7~9月)

昨年度策定した実施方針に基づき、下記の事項について取組を進めました。

現場や時代のニーズを起点にした調達に関する改革の実施方針
(画像をクリックすると内容がご覧いただけます) 
  • 政策目的随意契約が可能な認定商品を一元的に発信する職員ポータル内のページについて、2件の商品を追加し、全庁掲示板にて周知を行いました。
  • パーチェシングカード導入に向けて改正した要綱に基づく運用通知を7月に発出しました。
    また、同月、各局に対しパーチェシングカードの商品概要等の案内を行いました。
  • アジャイル型開発は、昨年度の振り返りを踏まえ、今年度は各局がDS局とともにアジャイル型開発の責任者として開発に加わることとしました。
    各局から広く開発案件を募集したところ、16件の応募がありました。
    そして、応募先を中心に都庁版アジャイル型開発について説明に回りながら、事業における困りごとをヒアリングし、キックオフに向けて開発案件を選定中です。

    【アジャイル型開発でできることの例】
    アジャイル開発

今後の取組(2022年10~12月)

  • 予定価格100万円以下の随意契約について、一部手続きを簡略化するなど、事務の効率化に向け準備を進めます。
  • 法人向けブランドデビットカードの利用などキャッシュレス推進に係る周知を10月に行うとともに、資金前渡におけるキャッシュレス決済の状況についての調査を11月に行います。
  • アジャイル型開発は、10月に事業者が決定しました。各局・DS局・受託業者がOne Teamとなり、各局における業務改善や日常業務の効率化を行うため、アジャイル型開発という開発手法を用いながら、Webサイトの改修やシステム開発を行います。
    その上で、これまでの開発内容やKPT※を蓄積した都庁版アジャイル型開発プレイブックの作成を進めていきます。

※KPTとはKeep(良かったこと、続けること)/Problem(問題、課題、やめること)/Try(次に挑戦すること)の頭文字をとった、アジャイル開発の振り返りでよく用いられるフレームワーク。

(4) 人事・給与に関する事務を集中化・デジタル化

進捗状況 (2022年7~9月)

◆ 総務事務センターへの事務の集約

  • 8月に旅費事務の集約対象を全局に拡大しました。
  • 8月に全局で通勤手当(月額)、給与関係情報等管理(給与口座登録、電算内・電算外所得の登録)に関する事務の集約を新たに開始しました。

◆日帰り確定払旅費事務の集約状況(全処理数におけるセンター集約割合)100%(全局集約完了)
◆通勤手当(月額)、給与関係情報等管理(給与口座登録、電算内・電算外所得の登録)に関する事務の集約状況(同上)100%(全局集約完了)

◆ システム処理の推進

  • 年末調整事務の円滑な運用開始に向けて、総務事務センターとの調整や一般職員向けに新機能についての周知の準備等を行いました。
  • 休暇事務・フレックス事務のシステム化では、9月末に実現化するシステムの要件定義を完了するとともに、設計・製造に向けた契約を行いました。

今後の取組(2022年10~12月)

◆ 総務事務センターへの事務の集約

  • 10月に全局で年末調整、扶養是正調査、退職手当(定年・勧奨)、雇用保険、届出事項通知に関する事務の集約を新たに開始します。

◆年末調整、扶養是正調査、退職手当(定年・勧奨)、雇用保険、届出事項通知に関する事務の集約状況(全処理数におけるセンター集約割合)100%(全局集約予定)

◆ システム処理の推進

  • 10月末に年末調整事務の全庁でのシステム運用を開始します。運用開始に際して、職員向けに事前の機能概要の周知やシステムの操作マニュアルを作成し配布を行います。
  • 休暇事務・フレックス事務のシステム化では、要件定義で整理した機能の実装に向けて、システム設計・製造を進めていきます。