進捗状況(2024年4~6月):オープンイノベーション実践プロジェクト

プロジェクトのイメージ

本プロジェクトでは、協働に取り組むフィールドの大幅な拡大、先進的・効果的な民のソリューションの展開、デジタル技術を活用した市民や企業の参加の場の創出等を通じて、都政のあらゆる分野でオープンイノベーションを実践していきます。

スタートアップ戦略「Global Innovation with STARTUPS」の更なる推進に向けて、都庁内で局横断的に編成されたワンチーム“Team Tokyo Innovation”が、スタートアップと共に社会の変革と成長を生み出すための取組を展開しています。

進捗状況(2024年4~6月)

(1) スタートアップ戦略の推進

"Team Tokyo Innovation"のロゴ

スタートアップとの協働を進めるためには、スタートアップの成長や活動を支援し、スタートアップとの交流機会を創出していくことが重要です。

"SusHi Tech Tokyo 2024 Global Startup Program" ロゴ

国内外スタートアップエコシステムとの“まだ⾒ぬ出会い”を創出する、アジア最⼤規模のイノベーションカンファレンス「SusHi Tech Tokyo 2024 Global Startup Program」を、東京ビッグサイトで開催しました。
世界82の国・地域321都市から、前回の2.7万人を上回る4万人超の参加者があり、出展したスタートアップの数も前回の328社を上回る434社に達しました。3,000件を超える商談が行われるなど、イノベーションの創出に向けた多くの出会いが生まれました。

オープニングセレモニーの様子
オープニングセレモニーでの小池都知事によるスピーチ
エントランスの様子
国内外から多くの方々にご参加いただき、イベントは大盛況となりました
セッション
国内外の様々な分野のリーダーや有識者156名が登壇し、計47のセッションを実施
VC/Investorパビリオン
マッチングプラットフォームやVC/Investorパビリオン等を活用し、商談件数は3,000件を超える
地域パビリオン
台湾、香港、フランス、スイス、イスラエルの
5つの国・地域がパビリオンを設置
協賛企業パビリオン
協賛企業26社によるパビリオン・ブース出展では海外からの参加者を意識した演出も行われた
若者による運営イベント
次世代を担う若者が、セッション・パビリオン・パートナーイベント等を企画・運営
ピッチコンテストの様子
世界が直面する困難へ立ち向かうためのテクノロジーなどを披露するピッチコンテスト「SusHi Tech Challenge 2024」
ピッチコンテスト優勝社の表彰式
サーキュラーエコノミーの実現を目指す㈱ファーメンステーションがGrand Prizeに輝きました
クロージングセレモニー
クロージングセレモニーでは小池知事から2025年のSusHi Tech Tokyoの開催が告知されました
"Tokyo Innovation Base"のロゴ

東京からイノベーションを巻き起こすことを目指し、国内外からスタートアップやその支援者が集い、交流する一大拠点Tokyo Innovation Base(TIB)の構築を進めてきました。
2023年11月のプレオープン後、イベント開催などの活動からスタートし、2024年2月には、スタートアップや支援者の方々が毎日利用できるワークスペースの提供等を始めるなど、段階的に機能を充実しています。
これまで、100回以上のイベントを開催し、1.4万人を超える来場者を迎えるとともに、内外の支援事業者や行政機関など、様々な関係者に来館いただき、ネットワークづくりを進めてきました。
こうした”NODE”(結節点)としての役割をさらに強化するため、TIBのサービスを大幅に拡充し、2024年5月15日にグランドオープンしました。

LEDビジョン
メインステージに大型のLEDビジョンを設置し、ダイナミックなプレゼンテーションを支援
ものづくり実証フィールド"FAB"
ものづくりSUの成長支援を図る「FAB」では、3Dプリンターなど約2千点の機材を用意
交流スペース"SALON"
交流スペース「SALON」で、SUや支援者のネットワーキングを支援
テストマーケティングの場"SHOP"
「SHOP」で、SUのプロダクトを試験的に販売する場を提供

TIBの会員向けアプリケーション「Tokyo Innovation Base」を2024年5月7日にリリースしました。
入館用QRコードを発行し、TIBへのスムーズな入館を可能とするとともに、お知らせや、イベント情報を確認することができます。

TIB会員アプリのイメージ

「SusHi Tech Tokyo 2024 Global Startup Program」のアフターイベントとして「TIB Global Day 2024」を開催しました。
「Cities Pitch」では、 SusHi Tech Tokyoに集まった海外のグローバルプレイヤーが一堂に会し、世界の20カ国・都市の関係者やスタートアップがそれぞれの取組等を紹介するピッチイベントを実施しました。
「TIB Global Expansion toward 2025」では、TIBの今後の取組や注目のグローバルイベントなどを発表しました。
「Well Beingスタートアップセッション」では、東京大学などが新たに設立した一般社団法人「WE AT」が都やシンガポール政府の投資機関等と連携してTIBで開催するグローバルイベント「WE AT Challenge」のPRを行いました。

"Cities Pitch"の様子
世界20カ国・都市が地域の支援政策・PRをプレゼンするとともに、SUが自社の取組を紹介
"TIB CATAPALT"の発表
グローバルイノベーションに挑戦するクラスターの創出を行う「TIB CATAPALT」を発表
Well Beingスタートアップセッションの様子
都と「WE AT」が連携して開催する、ウェルビーイングをテーマにしたグローバルイベントを発表
参加者の交流・商談の様子
イベント参加者同士による自由な交流や、SUが企業・投資家と商談を実施する機会を提供

「TIB PITCH」は、多様な人々が繋がり、革新的なアイデアやテクノロジーで社会を前進させる挑戦者を応援するピッチイベントです。採択されたスタートアップに対して、TIB施設内へのサービスの試験導入や、プロダクト展示などの支援を行っていきます。

  • 第3回(4月26日)テーマ:「コミュニケーション」領域でのソリューション
  • 第4回(6月6日)テーマ:「学生・若者向けサービス」
  • 第5回(6月28日)テーマ:「AI×〇〇」のプロダクト(「AI×飲食」や「AI×農業」etc..)
ピッチの様子
SUがピッチに登壇し、自社の製品・サービスを紹介
採択社の発表
採択されたSUには自社のサービスをTIBに試験導入する機会を提供
採択プロダクトの展示
採択されたプロダクトを2階フロアで展示
ピッチ参加者による集合写真
登壇SUや、大企業・先輩起業家などの審査員と共に、イベントを盛り上げ

TIB PITCHの「スタートアップサービス導入コース」~施設の内観向上に繋がるプロダクト(アート展示)~ の採択社 株式会社ヘラルボニーが制作したモニュメントを、TIB の受付横に展示しました。
障害者の方など、異彩作家の強烈なアイデンティティから生まれたアートで社会に新しい文化をつくるブランドです。

TIBモニュメント

スタートアップとの協働を都庁の隅々まで展開することを目的に、各局にスタートアップ担当を新たに配置し、“協働マインド”を局内に浸透させています。キックオフミーティングには、22局のスタートアップ担当など約60名の都庁職員が参加し、協働の実践に向けた決意を表明しました。

スタートアップ担当メンバー
各局のスタートアップ担当
スタートアップ戦略の説明
宮坂副知事から、都のSU戦略「Global Innovation with STARTUPS」を説明
協働件数の目標は300
スタートアップとの協働は2027年度までに
300件を目指していきます
スタートアップからの事業提案を募集します

社会課題の解決に取り組むスタートアップが自らの技術・製品等を活用した都政に対する提案を募集した上で、各都政現場との対話により課題を深掘りし、試験導入等を通じて提案の具体化を図る取組を行っています。

2024年度の提案受付は、2025年1月31日までとなります。2025年2月以降に受け付けた提案については、来年度の事前提案として受け付けます。(翌年度予算が措置された場合のみ正式受付となります。また、予算の上限に達し次第、受付終了となります。)
応募方法・詳細については、ホームページをご覧ください。

事業提案制度の流れ
公共調達サポート窓口」まで、お気軽にご相談ください
スタートアップの皆様からの公共調達に関する各種相談を受け付けており、「スタートアップによる事業提案制度」や、「優れた技術・製品等を有するスタートアップに係る等級によらない入札参加制度」、「都の入札参加資格登録に関する相談・支援」など、多様なファーストカスタマーの取組をご案内しています。
SU入札等級

(2) 現場対話型スタートアップ協働プロジェクト

"現場対話型スタートアップ協働プロジェクト"のロゴ

都政現場が抱える多種多様な課題について、優れた技術を有するスタートアップと現場をマッチングして協働プロジェクトを組成し、対話を重ねながら解決を図っていく取組を行っています。
都政現場が掲げた20個の課題について、現場職員と協働するスタートアップの募集を行いました。詳細については、ホームページをご覧ください。

(3) キングサーモンプロジェクト

"キングサーモンプロジェクト"のロゴ

「キングサーモンプロジェクト」では、スタートアップのプロダクトやサービスの都政現場等での実証からグローバル市場へ向けたサポートまで、スタートアップが大きく成長するための支援を行っています。

今期は昨年度(2023年度)より取組を拡充し、9件程度のプロジェクト組成を予定しています。応募方法・詳細については、ホームページをご覧ください。

(4) UPGRADE with TOKYOピッチイベント

"UPGRADE with TOKYO"のロゴ

都政課題の解決に向けて、これまでにない製品・サービスを提供するスタートアップによるピッチイベントを開催し、スタートアップが行政機関、VCや企業等と交流する場を創出することにより、課題の解決とスタートアップの成⾧を後押ししています。

これまでのピッチイベントで優勝したスタートアップが都や区市町村と協定を締結し、提案した製品・サービスを活用して協働プロジェクトを実現しています。

2024年4~6月に実現した協働プロジェクト:5件

UWT事例1
UWT事例2
UWT事例3

スタートアップとの協働に関する東京都の各種制度を行政職員に紹介し、具体的な協働イメージを持ってもらうことで、スタートアップとの連携をより一層進めていくことを目的としたセミナーを開催しました。
セミナーでは、安全・安心(脱炭素と首都強靭化)をテーマに、スタートアップが自社のサービスを紹介しました。また、2023年度の行政とスタートアップとの協働事例の紹介を行いました。

行政職員向けセミナーの様子1
スタートアップとの協働に係る都の制度を紹介
行政職員向けセミナーの様子2
行政とスタートアップが2023年度の協働事例を紹介

今後の取組(2024年7~9月)

(1) スタートアップ戦略の推進

スタートアップ戦略の推進に関する情報は、スタートアップ・国際金融都市戦略室のホームページで随時発信していきますので、ぜひご注目ください。

(2) 現場対話型スタートアップ協働促進プロジェクト

  • 都政現場の課題(20件)について、各現場との対話を希望するスタートアップを公募し、現場との対話・ディスカッションを進めます。
現場対話型スタートアップ協働促進プロジェクトに関する情報は、ホームページで随時発信していきますので、ぜひご注目ください。

(3) キングサーモンプロジェクト

キングサーモンプロジェクトに関する情報は、ホームページで随時発信していきますので、ぜひご注目ください。

(4) UPGRADE with TOKYO ピッチイベント

多様な行政課題の解決に向けて、ピッチイベントを開催していきます。
第38回 ピッチイベントは7月31日開催予定です。
テーマ:「生成AI等とヒヤリハットDBを活用した事故予測等システム・サービス」

イベントの模様は東京都産業労働局チャンネル(YouTube)でライブ配信いたします。
是非、ご覧ください。(過去に実施したイベントの様子も公開しています)

ピッチイベントについては、開催が決まり次第、UPGRADE with TOKYOのホームページに応募方法や観覧方法など詳細を掲載しますので、ぜひご注目ください。(過去に実施したイベントの様子も公開しています)

GovTech東京”と都が協働し、オール東京でDX推進を加速していきます。

“GovTech東京”のビジョン

進捗状況(2024年4~6月)

GovTech東京では、官と民がフラットに共創する中でイノベーションを起こし、行政課題の解決策を導き出していくために、官民共創のコミュニティ形成・ネットワークを広げる機会として官民共創イベントを開催するなど、様々な取組を行っています。

「防災×デジタル 能登半島地震から5ヶ月を振り返る」をテーマに防災DX官民共創協議会との共催で 「GovTech東京Meetup⑤~ 防災 x デジタル ~」を開催しました。

能登半島の現状と今後
石川県の西垣副知事が登壇して能登半島の現状と今後について説明

GovTech東京は、東京都や都内区市町村と連携し、業務等で利用するデジタルツール等の調達を実施する「共同調達事業」において、「RPA」、「AI-OCR」、「AI議事録」、「e-Learning(DXコンテンツ)」、「物品調達(PC)」の5つのテーマで共同調達を行いました。

第1弾となる今回の共同調達には東京都を含め都内30の自治体・団体が参加し、GovTech東京がとりまとめ役となり共同調達の優先度が高いデジタルツール等の選定、事業者の募集・選定を行いました。

今回、自治体によっては単独で調達するよりも最大で50%超のコストメリットを生み出し、5つのテーマ全体で約20億円の調達コストの低減が見込まれます。また、参画した自治体間でナレッジ等を共有できる場も作られるなど、共同調達を通じて様々なメリットが得られるようになります。

今後も、参加自治体や共同調達のテーマ拡大に取り組み、さらなる効果を創出していきます。

今後の取組(2024年7~9月)

「情報技術で行政の今を変える、首都の未来を変える」をビジョンに掲げ、9つの事業(東京デジタル2030ビジョンの推進、官民共創及び研究・事業開発、東京都各局・政策連携団体のDX推進、区市町村のDX推進、共同調達・共同開発の推進/共同利用サービスの運営、デジタル共通基盤の企画・開発等、データ利活用の推進、デジタル人材の育成・確保、組織基盤の強化)を実施していきます。

シビックテックとの共創により地域課題の解決策を生み出し、実装につなげていきます。
また、事業を企画する段階から都民に参画してもらい、より良い政策づくり・サービスづくりを行うため、デジタルを活用した都民との双方向コミュニケーションを進めます。

進捗状況(2024年4~6月)

(1) 都知事杯オープンデータ・ハッカソン2024

都知事杯オープンデータ・ハッカソンロゴ

東京都オープンデータカタログサイトに掲載されているオープンデータを活用し、官民協働で行政課題の解決に向けたデジタルサービスを企画・開発するイベントです。

東京都のオープンデータを活⽤したサービス開発やデータビジュアライゼーション、課題解決のためのアイデア提案を目指す方を対象に、参加者の募集を開始しました。(詳細はコチラをご覧ください)

ハッカソンへの参加を呼び掛けるため、その魅力をより多くの方に知っていただくためのイベントを開催しました。

第1回(6月8日開催)は「都知事杯受賞者による体験談」をテーマとし、本事業への参加について具体的なイメージをもっていただくために、2023年度都知事杯受賞者「proj-inclusive×一般社団法人防窮研究所」、審査委員特別賞 技術賞受賞者「BuTTER」の皆さんより、サービス開発までのプロセスやハッカソンの魅力など、貴重なお話をいただきました。

参加者募集イベント第1回の様子
第1回は2023年度の各賞受賞者の体験談をテーマに開催

第2回(6月22日開催)は「サービス開発とOSS」をテーマとし、民間で活躍する2名のエンジニアにより、多様な参加者がいるプロジェクトの事例から、効果的なサービス開発のヒントなどについてお話をいただきました。

参加者募集イベント第2回の様子
第2回は過去に参加経験のあるエンジニアから効果的なサービス開発のヒントを紹介

(2) デジタルを活用した双方向コミュニケーション

学生を対象にデジタルの力を活用して街の課題解決に取り組む人材を育成するため、西新宿をフィールドとした「デジタル社会人材育成プログラム」の参加者を募集しました。
(詳細はコチラをご覧ください)

デジタル社会人材育成プログラムロゴ

西新宿の生活者に対し、「西新宿のオープンスペースを利用して居心地の良い空間」についての意見をLINEで募集しました。
(詳細はコチラをご覧ください)

西新宿アンケート

今後の取組(2024年7~9月)

(1) 都知事杯オープンデータ・ハッカソン2024

7月26日までの募集期間中に、参加者募集イベントの第3回(7月6日)と第4回(7月13日)を開催しました。8月以降は、応募内容の審査を行い、キックオフイベント(8月2日)、アイデアソン(8月3日~8月22日の間で4回実施)、ハッカソン(8月24日、25日)、First Stageの審査(8月29日~8月31日)へと進んでいきます。
(詳細はコチラをご覧ください)

(2) デジタルを活用した双方向コミュニケーション

デジタルの力を活用した街の課題解決をテーマに、1回3時間程度×全5回のデジタル講座を8月~9月に対面及びオンラインにて開催します。 今後は、デジタル講座の参加者を対象に、インターンやアイディアコンテストを実施します。
(詳細はコチラをご覧ください)

「西新宿でオープンスペースを利用して居心地の良い空間」について頂いた意見を元に、ワークショップを開催(7月3日)し、参加者の方々に空間イメージを描画していただきました。
 今後は、描画していただいた空間イメージをデジタルツインを活用して可視化し、投票してもらい具現化するなど市民参加の企画を進めていきます。