進捗状況 (2025年1月~3月)
先進技術を活用した東京型スマート農業の研究
(取組状況)
都内農業者対象の「高度先進セミナー」(東京都農業振興事務所主催)の開催
『自作による施設自動化のススメ』をテーマに、1月16日にJA東京南新宿ビルにて農林総合研究センタースマート農業推進室の研究員らが講師となり開催されました。「センサーを使ってみよう」をテーマに、サーミスターが所定の温度を感知するとLEDランプが点灯する、ファンが回る、という仕掛け作りの実習を行いました。参加者から「半年ぐらい触れていればできるようになると思います。」など力強い言葉を聞くことができ、参加者の意欲を感じました。
2.png)
令和6年度東京型スマート農業研究成果発表会の開催
研究開発プラットフォーム会員及び関係者に、2月25日にホテルエミシア東京立川にて開催しました。今回の成果発表会は、今年度より始まったオープンラボの中間報告を目的とし、併せて東京型スマート農業関連事業について紹介しました。
・傾斜地果樹園のラジコン草刈機の活用(オープンラボ)
・農業体験農園モニタリングシステムの展開(オープンラボ)
・学校給食における農産物受発注システムの構築(オープンラボ)
・次世代通信技術を活用した農業技術の高度化(連携協定)
・普及センターにおける東京型スマート農業の取組(関連事業)
・東京型スマート農業実装化促進事業(関連事業)

林業の生産性を向上
(取組状況)
林業の現場に先進技術を活用した林業機械を導入しています。
急傾斜地、山間部、林床等作業環境への適応に優れたスイス製の4輪多関節型作業機械です。
油圧駆動の脚は独立制御が可能で、複雑な地形でも安定した姿勢を確保して安全に作業が進められ、アームの先端にハーベスタヘッドを装着することで、立木の伐倒、枝払い、玉切りの各作業と玉切りした材の集積作業を一貫して行うことができます。また、材の直径、長さ、材積の情報の取得等について、実証調査を実施しました。

4輪多関節型機械は高い機動力が評価されて、災害現場での支援活動に利用されています。
内水面養殖業への先進技術の導入
(取組状況)
内水面養殖業は、養魚飼料の高騰や従事者の高齢化・後継者不足等により、厳しい経営となっており、コスト削減と作業の軽減が求められています。このため、奥多摩さかな養殖センターにスマート機器を試験導入し、その効果を検証したうえで、有望な機器について都内養殖業者への技術移転を行い、経営の安定化を図ります。
2024年度は、AI搭載型自動給餌機の実証実験と飼育環境コントロールシステム等の設置に向けた設計を開始しました。しかし、AI搭載型自動給餌機は実証実験中に問題が見つかり、追加の整備を行いました。飼育環境コントロールシステム等については、調査及び設計を終了しました。
(イメージ)

今後の取組(2025年4~6月)
先進技術を活用した東京型スマート農業の研究
【目標】累計11研究成果の発表(2025)
(今後の予定)
課題化した研究開発を進め、成果を順次発表していきます。
・都内生産者の情報共有基盤の整備(病害虫発生状況等)
・庭先直売所経営管理システムによるマーケティング手法の構築 等
また、スマート農業の技術の現地実装を進めていくために、生産上の課題に応じたオープンラボを生産現場に開設し、現場での課題解決を進めていきます。
林業の生産性を向上
【目標】最先端林業機械等を累計6台導入(2025)
(今後の予定)
導入した機械による実証を進めるとともに、新たに林業機械を選定し、現場での活用を進めていきます。
内水面養殖業への先進技術の導入
【目標】検証試験、成果発表
(今後の予定)
追加整備後のAI搭載型自動給餌機で、実証実験を改めて実施します。飼育環境コントロールシステム等については、機器等設置を開始する予定です。