進捗報告(2022年10月~12月):デジタル技術を活用した島しょ地域の社会課題解決プロジェクト【総務局・福祉保健局】

八丈島の航空写真

進捗状況(2022年10月~12月)

〇教育のデジタル化

EdTech(※1)サービスの活用支援

  • 先進モデル実証校の中学校では、学校の目指す姿に応じて取組を進めています。
    • 個別最適な学習(※2):長期休暇前の学力診断テストや定期テストの結果をもとに、生徒の理解度や成績に応じて課題を配信しました。普段の授業でもAIドリルを活用して、小テストや宿題を実施しています。
    • 反転学習(※3):7~8月に立てた計画・単元に基づき、順次実施しました。目指したとおり、授業を能動的な学習にあてることができました。
    • 昨年度より進化したプログラミング・STEAM学習(※4)の実施:1学期の総合学習の時間で調べた内容をもとに、WEBサイトを作成・公開しました。

2022年12月23日プレスリリース
三宅島と八丈島の中学生が作成した島の魅力を紹介する WEB サイト を公開しました!

  • オブザーブ校では、年度当初に立てた計画に沿って、端末やEdTechサービスを活用する時間を増やしたり、宿題等の授業外での活用を進めるといった取組を進めています。

学校間・島間連携の促進

  • 12月に第三回定期共有会を開催し、デジタルシティズンシップ教育(※5)やプログラミング・STEAM学習等の先進モデル実証校の取組について、意見交換や質疑応答を行いました。
  • 島をまたぐ先進モデル実証校同士でのリモート協働学習の実施(3学期)に向けて、進捗管理・準備を行いました。

専門員の派遣

  • 専門員と学校の間で調整がついた順に、現地又はリモートでの支援を開始しました。
    • 文科省のGIGAスクール構想に深い知見がある専門家と連携して、学校への訪問・ヒアリングを実施しました。
    • デジタルシティズンシップ教育の専門家と連携して、7~9月に立てた計画・カリキュラムに基づき、11月に児童への授業、教職員向け研修を実施しました。12月には保護者向け動画も配信しました。
    • AIドリルの専門家によるヒアリングと現地支援を実施しています。

(※1)EdTech:Education(教育)×Technology(技術)の造語で、教育におけるAI、ビッグデータ等の様々な新しいテクノロジーを活用したあらゆる取組

(※2)個別最適な学習:授業中の小テストや家庭学習等の学習ログをもとに、個人に合わせて問題の難易度や量を変えて出題。アンケートやテストの点数で、学習意欲や授業に対する満足度、学力の向上について効果検証を実施する予定。

(※3)反転学習:Edtechサービスを使って授業前に、基礎的な知識・スキルの習得を予習として実施することで、授業中は応用学習や探求学習・協働学習を中心に展開します。基礎学習部分への影響や授業中の能動的な学習時間が増やせたかどうか、アンケート・ヒアリングで検証する予定です。

(※4)STEAM学習:Science,Technology,Engineering,Art,Mathematics等の各教科での学習を、実社会での問題発見・解決に生かしていくための教科横断的な教育

(※5)デジタルシティズンシップ教育:急速に進むデジタル社会の中で1人1台端末を整備された児童・生徒が、自律的にデジタル社会とかかわっていくための教育に取組みます。

〇島しょ遠隔医療への5G活用

  • 町立八丈病院と都立広尾病院間の通信環境確立に向けた、通信面での支援や通信機器の整備等に係る契約手続きを行っています。
  • 契約した事業者を交えて、具体的な診療支援の運用フローについて検討を進めています。
令和4年度スケジュール

〇デジタル活用協議会(八丈島)の運営

  • 11月に第2回協議会を開催し、事業の進捗報告を行いました。
  • 以下の3つの分科会において、情報共有・意見交換を適宜実施しました。

IT人材の育成に係る分科会

  • 「八丈島におけるDX推進に係る普及啓発・人材育成ロードマップ策定」事業に着手し、11月から八丈島にて島民向けのワークショップ等を開始しました。

2022年10月31日プレスリリース
八丈島で地域全体のDX推進を図るための人材育成プログラムを実施します

島内交通の充実に関する分科会

  • 10月に全島民に対してアンケートを配布し、島内交通の実態について調査しました。
  • 2023年1月に短期間の実証実験を行うため、島内の交通事業者や町と意見交換を実施しました。

デリバリーサービスの試行に係る分科会

  • 10~11月は商品提供者(飲食店や日用品店)・配送の担い手向けの研修や、島内外に向けた広報を実施しました。
  • 12月1日から八丈島内でデリバリーサービスを開始しました。期間は2023年2月14日までです。

2022年11月24日プレスリリース
八丈島でデリバリーサービスの試行導入・ドローンを活用した配送実験を実施します

今後の取組(2023年1月~3月)

〇教育のデジタル化

EdTechサービスの活用支援

  • 個別最適な学習:復習課題として配信した内容の定着度合いを測るため、1~2月にかけて確認テストを実施する予定です。
  • 反転学習:効果確認のため、反転学習に取組んだ感想や変化について、1~2月にアンケート・ヒアリングを実施する予定です。
  • プログラミング・STEAM学習:WEBサイト内ページの閲覧数やアンケート等のフィードバックを踏まえて、3月までWEBサイトの改善に取組んでいきます。

学校間・島間連携の促進

  • 2月に第四回定期共有会を開催し、先進モデル実証校の取組成果について意見交換や質疑応答を行います。
  • 1~2月に三宅島と八丈島の間で、リモート協働学習を実施し、プログラミング・STEAM学習におけるWEBサイトの改善に向けた共有・意見交換を行います。

専門員の派遣

  • 1月にGIGAスクール構想に深い知見がある専門家を教育CIO(※6)的な立ち位置として、町村教育委員会が主催するICT推進協議会に派遣する予定です。議題の設定やファシリテーターとして協議会を支援します。
  • デジタルシティズンシップ教育の専門家と連携して、1~2月に児童・教職員・保護者にアンケートを行い、回答から実施の成果や課題を分析します。
  • AIドリルの専門家によるヒアリングと現地支援を3月まで引き続き実施しています。

(※6)教育CIO:各校の現場支援を行うICT支援員とは異なり、教育委員会等の単位で学校ICT化ビジョンの構築実行を担う人材

〇島しょ遠隔医療への5G活用

  • 通信機器を整備し、町立八丈病院と都立広尾病院間での運用フローの事前確認を行います。
  • 町立八丈病院の5Gインフラの整備完了後、5Gを活用した遠隔医療の運用を開始します。
実装後の事業イメージ

〇デジタル活用協議会(八丈島)の運営

  • 3月に第3回協議会を開催し、今年度の事業の成果報告や次年度方針等を議題とする予定です。
  • 以下の3つの分科会において、事業の進捗報告を継続して行います。

IT人材の育成に係る分科会

  • 3月にかけて、ワークショップや講演会及び、移住・定住を考えている島外在住者向けに島民との交流会やアイデアソン等のイベントを開催予定です。
  • DX推進に係る普及啓発・人材育成ロードマップ策定業務を進め、適宜分科会で意見交換を実施し、事業の自走可能なモデルについて検討します。

島内交通の充実に関する分科会

  • これまでの現状分析の結果をもとに、2023年1月23日~同年2月22日の期間で、「八丈島民向けデマンドタクシーの試験運行」を実施する予定です。利用者にはアンケート等に回答いただき、効果検証を行います。
  • 来島者向け交通施策について検討を行い、島民向けのデマンドタクシーも含めて、令和5年度の事業実施に向けた準備を進めます。

デリバリーサービスの試行に係る分科会

  • 1~2月には利用者・商品提供者(飲食店や日用品店)・配送の担い手に、効果検証に向けたアンケートやヒアリングを実施します。その結果や注文数等を分析し、3月に八丈島におけるデリバリーサービスの有用性について実施報告をまとめます。
  • 新しい技術や制度を活用した配送の検討・試行として、1月にドローンによる配送を行います。配達人員の不足や車両では時間がかかるエリアへの配送における有用性について検討します。