進捗状況(2023年1~3月):東京都立大学ローカル5G環境を活用した最先端研究プロジェクト【総務局】

5G環境を活用した最先端研究プロジェクト

進捗状況(2023年1~3月)

5Gを活用した最先端研究

○5Gを活用した最先端研究を行い、成果を社会に発信しました。(5テーマ)

■研究課題 「ARゲームで楽しく単独移動を支援するAI車椅子システムの社会実装」

研究代表者:串山 久美子 教授(システムデザイン研究科)

ローカル5Gによる高速・大容量の移動通信システムを活用し、障がいのある人の楽しい外出機会の創出に資するAI及びARゲームコンテンツによる活動支援システムの開発を、専門の6チームを構成して推進しています。

チーム1 車椅子装着センサデバイス・アプリの開発とサービスの提供
チーム2 自動運転車椅子に関する実験及びデータの収集
チーム3 車椅子目線での深層学習を用いた障害物・目標物検出システムの開発
チーム4 健康福祉分野における調査・車椅子身体活動量のリハビリメニューの作成
チーム5 ARゲームコンテンツの制作
チーム6 ワークショップ・社会貢献活動に関する企画

2023年1月から3月までの間に、以下の事項に取り組みました。
・研究成果を活用した大学生向けワークショップイベント「WHEE-Project ワークショップ2023冬」の開催
電動車椅子と6軸モーションセンサ(※)を使用し、車いすや身体の動きと連動した画像作成とその映像をローカル5G使用可能エリアである日野キャンパス4号館吹き抜け空間の大空間に投影する、実践的な3日間のワークショップを実施しました。また今回は、遠隔地から電動車椅子を動かすことも試みました。
(※)6軸モーションセンサ:車に加わる3軸(前後・左右・上下)の加速度、同3軸の角速度、計6軸の慣性力を検出する装置

ワークショップで車いすや身体の動きと連動した映像を大空間に投影している様子

■その他の研究
上記のほか、以下の4テーマの研究を推進しています。
各研究の概要については、こちらの都立大ホームページをご覧ください。
・プレス加工DXのための5G環境IoTプラットフォームの構築
・5G通信で遠隔マルチワークを可能とする代理身体システムの構築
・通信資源の利用効率最大化を目指したモバイルネットワーキング
・L5Gネットワークを用いた次世代マルチモーダルセンシング

民間企業等の社会実装促進

○ローカル5G環境の民間活用等を通じて、5Gの新たなユースケースやサービスの創出を促進(2024年度末までに15件)

2023年1月から3月の間に、以下の事項に取り組みました。
・3月までに2件の実証フィールド提供を実施
・2022年度内に合計7件の実証フィールド提供を実施

【実施例】
ダイナミックマッププラットフォーム株式会社と株式会社スカイマティクスは、3Dモデルを作成するための大容量データ(ドローンで撮影された画像411枚、3.5GB)を、クラウド型ドローン測量サービス「くみき」へアップロードする際の伝送時間の比較実験を行いました。キャリアLTEで32分、キャリア5Gで15分アップロードに要していましたが、本学ローカル5Gでは9分でアップロードが完了し、現在広く使われているキャリアLTEの3倍以上の早さで伝送できることがわかりました。災害時の現況調査や、インフラの点検などへの活用が期待されます。なお、この実験はTokyo 5G Boosters Projectの一環として実施されました。

SfM処理を実施した結果の三次元点群およびオルソ画像

今後の取組(2023年4~6月)

5Gを活用した最先端研究

■研究課題「ARゲームで楽しく単独移動を支援するAI車椅子システムの社会実装」

・ローカル5G使用可能エリアである日野キャンパス4号館周辺の3Dスキャンデータを活用したキャンパス内の見学などのコンテンツの制作

民間企業等の社会実装促進

東京都立大学南大沢キャンパスにて、新たに実証実験を行えるよう調整中です。