進捗状況 (2024年1~3月)
不適正盛土の監視
〇 監視体制の検討
これまで実施した試行運用の結果をふまえ、不適正盛土の監視を目的とした光学衛星によるデータの活用方策について現場担当者へのヒアリングを実施し、監視体制の検討を行いました。
ヒアリング結果を踏まえ、本事業に関わる現場担当者が行う一連の作業を整理した手順書を作成しました。
また、次年度以降も本事業が円滑に進むよう、解析事業者向けの「衛星データを用いた盛土可能性箇所の監視・発見マニュアル」を作成しました。
〇 絞込みの実施
試行運用で検討した各種区域のデータを用いて、抽出結果の絞込みを実施しました。
現場担当者へのヒアリングの結果、基本的には現場担当者は案件を把握しているため、衛星画像によって抽出した箇所は網羅的に挙げておき、その中で注意すべき箇所の洗い出しは現場担当者が実施することが望ましいという意見がありました。このため、ここでの絞込みは、抽出箇所を除外するものではなく、盛土監視における優先順位を設定するものとしました。
絞込みを実施した結果は下図のとおりです。盛土可能性箇所として抽出した結果は、試行運用2の対象範囲である603㎢では1,334箇所と膨大な数となりました。そこで、まず開発許可情報と重なる箇所を除外すると、1,226箇所となりました。
次に市街化調整区域又は都市計画区域外となる箇所を抽出すると、330箇所となりました。さらに、崩壊すると土石流となり、大災害に繋がるリスクのあるエリアと重なる箇所を抽出すると57箇所まで限定され、重点的に現地調査を行う対象の絞込みが行えました。
今後の取組(2024年4~6月)
不適正盛土の監視
〇 本格運用の実施
今後、これまで構築してきた体制により、光学衛星を用いた継続的な不適正盛土の監視を行っていきます。
今年度作成したマニュアル等は、技術検証や現場担当者からの意見聴取を経て作成したものではありますが、運用する中で新たな課題の発生や絞込み手法の改善も考えられるため、引き続き運用の中で得たフィードバックを活かした改善に努めていきます。