本プロジェクトは、スタートアップやシビックテックなど多様なプレイヤーとの協働を積み重ねることで強固な協働スタイルを構築し、社会課題を解決することを目指しています。
2023年1月~3月は、〝スタートアップで「働く」選択肢を〟をテーマにした「STARTUP Career Fair 2023」や、学生とスタートアップとの交流を図る「学生向けTOKYO STARTUP Seminar」、 世界最大規模のグローバルイベント「City-Tech.Tokyo」を開催するとともに、シビックテックと行政との共創推進を目指すオンラインイベント「Tokyo OSS Party!!」を開催しました。
4月〜6月は、都庁の新たなスタートアップ戦略「Global Innovation with STARTUPS」で掲げた事業の取組や、「官民共創デジタルプラットフォーム」の運用などを進めていきます。
1.スタートアップ協働の推進
各局のスタートアップ支援や連携を進める業務を担当する職員等から成るチームを令和4年8月に編成し、都内の民間スタートアップ拠点に都庁の「出島」を設置するなど、活発なコミュニケーション等を通じて、ワンチームで協働の取組を推進しています。
進捗状況(2023年1~3月)
スタートアップとの協働を進めるには、スタートアップの成長や活動を支援する取組も重要です。
1月には「STARTUP Career Fair 2023」、2月には「City-Tech.Tokyo」を開催しました。
① STARTUP Career Fair 2023の開催
1月27日(金)、28日(土)に、スタートアップを支援する一般社団法人と連携し〝スタートアップで「働く」選択肢〟をテーマにした「 STARTUP Career Fair 2023」を開催しました。
スタートアップと直接話をすることができるブースの出展や、スタートアップにおける働き方やキャリア形成をテーマとしたトークセッションやピッチイベントを実施し、1,000人を超える方々にご来場いただきました。
② City-Tech.Tokyoの開催
2月27日(月)、28日(火)に、スタートアップとのオープンイノベーションを通じて持続可能な社会を実現するための世界最大規模のグローバルイベント「City-Tech.Tokyo」を、東京国際フォーラムで初開催しました。
世界41の国・地域から328のスタートアップに出展いただき、来場者数はリアル会場で1万人以上、オンラインを含めると2万6千人以上の方々にご参加いただきました。
※「City-Tech.Tokyo」の詳細についてはコチラをご覧ください。
都政現場での協働実績があるスタートアップも出展やセッションへの登壇を行い、一緒になってイベントを盛り上げてくださいました。
株式会社イノフィスにご登壇いただいた様子
今後の取組
2023 年4月に設置した「スタートアップ・国際金融都市戦略室」が、スタートアップ戦略「Global Innovation with STARTUPS」の推進に向け、実効性のある施策を強力かつスピーディに展開していきます。
各局に配置されたスタートアップ担当と連携することで、様々な都政現場におけるスタートアップとの協働を進めていきますので、今後も是非ご注目ください。
2.行政課題解決型ピッチイベント
都政課題の解決に資するこれまでにない製品・サービスを提供するスタートアップによるピッチイベントや、行政機関、VCや企業等との交流の場を創出するイベントを開催し、行政課題の解決とスタートアップの成⾧を後押ししています。
進捗状況(2023年1~3月)
① ピッチイベントの開催
2023年1月~3月にピッチイベントを2回開催しました。
※イベントの様子は、UPGRADE with TOKYOのHPからご覧いただけます。
(2/14開催)
第27回ピッチイベント
「ICT技術を活用した都有地のモニタリング」
優勝社 :一般社団法人MIKATAプロフェッショナルズ(https://www.mikatapro.jp/)
提案内容:遠隔監視の決定版。異業種連携で誕生したポータブルで高性能なモニタリングシステム
※山間部や急こう配の傾斜地等に、杭を刺すだけで地面の変動を感知し地滑りの予兆を警告するなどの機能を持つシステム(詳細はコチラ)
(3/27開催)
第28回ピッチイベント
「先端技術を活用した、都民の防災意識向上に資するコンテンツの開発」
優勝社 :株式会社アルファコード(https://www.alphacode.co.jp/)
提案内容:メタバースを活用した都民の行動変容を促す災害時シミュレーション空間の提供
(詳細はコチラ)
② 成果報告会の開催
3月には、ピッチイベント第28回と合同で成果報告会を開催しました。成果報告会では、UPGRADE with TOKYOの令和4年度の実施報告や事業開始からのこれまでの実績報告に加え、令和5年度からの事業展開について、東京都よりプレゼンを行いました。
また、河村 昌美氏(事業構想大学院大学事業構想研究所教授)よりスタートアップと行政の共創について講演いただくとともに、過去ピッチイベント優勝スタートアップである株式会社Stroly(第1回優勝)、BRJ株式会社(第17回優勝)に登壇いただき、それぞれ東京都の担当者との対談も実施するなど盛りだくさんの内容となりました。
成果報告会の様子はnoteに掲載しておりますので、是非ご覧ください。
③ 製品・サービスを活用した協働
〇 累計協働件数 26件
第23回ピッチイベント優勝者(SOINN株式会社)、第24回ピッチイベント優勝者(inQs株式会社)、第25回ピッチイベント優勝社(エリーパワー株式会社)がテーマ所管局等※と協定を締結し、協働を開始しました。
※ 第23回:株式会社ビッグサイト、第24回:地方独立行政法人東京都立産業技術研究センター、第25回:福祉保健局、建設局、公益財団法人東京都中小企業振興公社、公益財団法人しごと財団、株式会社東京国際フォーラム、水道マッピングシステム株式会社
今後の取組
① ピッチイベントの開催
2023年度も引き続き多様な行政課題の解決に向けて、ピッチイベント(第29回~)を開催していきます。今年度から都内区市町村の参加も可能になるなど、バージョンアップを図り、協働実績の増加につなげてまいります。
イベントの模様は東京都産業労働局チャンネル(YouTube)でライブ配信しています。
是非ご覧ください。(過去に実施したイベントの様子も公開しています)
② 製品・サービスを活用した協働
ピッチイベント優勝社の製品・サービスの早期活用を推進するため、速やかに協働プロジェクトの組成を目指していきます。 協働の様子はnoteで随時配信していますので是非ご覧ください。
3.キングサーモンプロジェクト
グローバル市場を席捲する課題解決型のスタートアップ(「キングサーモン企業」)を東京から輩出し、先端事業による東京の成長と社会課題の解決を目指しています。
キングサーモンプロジェクトの詳細について、キングサーモンプロジェクトのホームページでも随時発信いたしますので、ぜひご注目ください。
進捗状況(2023年1~3月)
先行導入プロジェクト概要
スタートアップと都政現場が共に課題解決に向け、取り組んでいます。現在、スタートアップ3社のプロダクト等について、都政現場において効果検証等を行う先行導入プロジェクトが始まっています。
■まちづくり×XR:都市整備局×(株)Psychic VR Lab
リアルメタバースプラットフォーム「STYLY」を運営する(株)Psychic VR Labと都市整備局の協働のもと、XR技術を活用したバーチャルコンテンツで東京の魅力を発信する先行導入プロジェクトを実施しました。
先行導入プロジェクトの内容
2月24日(金)、25日(土)、26日(日)、都市整備局との協働により、プロジェクト採択
企業である(株)Psychic VR Labのリアルメタバースプラットフォーム「STYLY」を活用し、
過去・現在・そして再開発が進む未来の西新宿をARで体感できるイベントを開催しました。
本イベントは、最先端AR技術を通じた西新宿を体感してもらい、都市づくりに対する
関心・理解を高めることを目的として、西新宿の地下歩道にて実施しました。
体験のイメージ
ARコンテンツが出現
人通りが少ない場所でしたが、3日間で92名もの方にご参加いただきました。
ARの体験者にアンケートを実施したところ、全体の約9割において都市開発に対する興味
関心の向上が確認されました。
その理由の7割は「ARの立体的・視覚的な情報が理解しやすかった」こととなっており、
ARが直感的かつ短時間で情報を把握できる、新しい視覚効果・情報発信の手法として
有効であることも分かりました。
体験の様子
■成果発信イベントの実施
・3月2日に第二期キングサーモンプロジェクトの集大成として成果発信イベントを行いました 。
※ 登壇者はこちら
※ 成果発信イベントの様子は以下動画URLで配信しています
(4時間41分25秒からキングサーモンプロジェクト)
今後の取組
・2023年度のプロジェクト実施に向けて、スタートアップと都政現場とが共に準備を進めます。
現場の課題を捉えたプロジェクトの実現に向けて取り組んでいきます。
・キングサーモンプロジェクトでは、スタートアップの成長を強力に支援していくため、
新たにスタートアップ支援に知見・ノウハウのある民間事業者(協働促進サポーター)
を公募しました。
協働促進サポーターと連携しながらプロジェクトを進めることで、よりスピーディ
かつタイムリーにスタートアップと都政現場との協働を支援していきます。
4.ユーザーテスト
QOS(クオリティ・オブ・サービス)の高い、誰もが使いやすいデジタルサービスを提供するために、 都は職員や都民等向けのデジタルサービス全般に対してユーザーテストを行うこととし、具体的な手法を「ユーザーテストガイドライン」としてまとめております。
進捗状況(2023年1~3月)
より良いサービスを創るには、利用者の声を聴き、それを反映させるサービスデザインの取組を徹底することが大切です。この取組を更に進めるため、「ユーザーテストガイドライン」を「ユーザーテストガイドラインVERSION 2.0」として改訂しました。
改訂ポイントは次の2つです。
- 「ユーザビリティテスト」に加えて、開発の上流工程で行う「リサーチ」と「プロトタイピング」を、都が実施するユーザーテストとして新たに位置づけました。
- 都民向けのサービスは、都民をテスターとすることを原則としました。
※ ユーザテストガイドライン改訂の詳細についてはnoteをご覧ください。
今後の取組
上流工程からのユーザーテストや都民テスターといった新たな取組を進めるとともに、テストによって発見された課題や問題点を迅速かつ柔軟に改善していきます。
引き続き、利用者のニーズに寄り添いながら満足度の高いUI/UXをデザインするとともに、「テストしないものはリリースしない」を合言葉にユーザーテストを実践し、質の高いデジタルサービスを提供していきます。
5.シビックテックとの協働
東京を取り巻く環境が大きく変化し、都民のニーズも複雑化・多様化しているなかで、次々と発生する課題に対して迅速に対応していくためには、シビックテックとの協働が必要です。
具体的には、シビックテックや企業等がオープンデータを活用して新たなサービスを創出するための環境(オープンデータカタログサイト)の構築や、地域課題の解決に意欲があるシビックテックと行政をつなぐ場(官民共創デジタルプラットフォーム)の構築などを行っています。
進捗状況(2023年1~3月)
Tokyo OSS Party‼を開催しました
オープンソースソフトウェア(OSS)の活用を通じたシビックテックと行政の共創推進や官民共創デジタルプラットフォームの普及啓発を図るオンラインイベント「Tokyo OSS Party!!」を、昨年に引き続き開催しました。
今年は約40名もの方々にご参加いただき、7チームが5自治体から提示された地域課題の解決や、解決策のオープンソース化を目指してプロダクト開発にトライしました。参加したシビックテックからは、「自治体職員と一緒に課題に取り組んでいくためのきっかけになった。」「作りたいものが出来たし、仲間も出来た。」といううれしい声をいただきました!
地域課題や開発プロダクトの詳細など、今年度の模様はこちら!!
官民共創デジタルプラットフォームを開設しました
Tokyo OSS Party!!のようなシビックテックと行政の共創を継続的に生み出していくために、地域課題の解決に意欲があるシビックテックと、シビックテックとの共創に関心がある自治体をつなぐ場となる「官民共創デジタルプラットフォーム」を、2023年2月に開設しました。
地域課題とシビックテックのノウハウをマッチングさせ、シビックテックと行政が連携して課題に取り組み、解決策を創出していくことを目指します。
今後の取組
官民共創デジタルプラットフォームを引き続き運用していくとともに、今回の「Tokyo OSS Party‼」にご参加いただいたシビックテックや自治体のご意見を活かして、シビックテック・自治体の双方にとってより魅力的なイベントの開催に向けて検討していきます。