都は、保有するデータを社会全体で活用するべく、民間ニーズを踏まえた上でオープンデータとして積極的に公開し、シビックテックや企業等がオープンデータを活用して新たなサービスを創出していく、官民協働スタイルの構築を目指しています。
その構築に向けた取組として、 2023年1月~3月は、学生向けTOKYO STARTUP Seminarを開催しました。また、都知事杯オープンデータ・ハッカソン2022の成果発表会として、都知事杯オープンデータ・ハッカソン2022のDemo Dayを開催しました。さらに、オープンデータカタログサイトの利活用促進に向けて、CSV形式で公開しているオープンデータを、API形式でも公開しました。
進捗状況(2023年1~3月)
① 学生向けTOKYO STARTUP Seminarの開催
学生とスタートアップ企業の交流を図り、未来の東京を支える起業家人材の育成及びデータ利活用の促進につなげるため、東京都オープンデータ・ラウンドテーブルの「特別意見交換編」として「学生向けTOKYO STARTUP Seminar」を2023年2月10日に開催しました。
セミナーでは、前半にスタートアップ企業からの起業に際しての経験談や、データを活用した事業等に関する講演がありました。
セミナーの後半では、学生からデータ利活用をはじめとするDXや起業に向けたアイデアを発表していただき、スタートアップ企業、学生等で起業やデータ利活用をテーマにトークセッションを行いました。
当日はあいにくの大雪で、急遽オンラインでの開催になりました。
しかしながら、登壇者からの学生に向けた熱いメッセージや、学生からの斬新なアイデア発表により、イベントは大いに盛り上がりました。
② 都知事杯オープンデータ・ハッカソン2022 Demo Dayの開催
都のオープンデータを活用し、行政課題の解決に向けたデジタルサービスの開発を行う「都知事杯オープンデータ・ハッカソン2022」について、ファイナリスト10チームによるDemo Day(成果発表会)を2023年3月25日(土)に開催しました。
当日は、ハッカソンの審査委員全員とファイナリストの全10チームが参加し、出来上がったサービスのデモストレーション及び意見交換を行いました。
2022年度は、サービス実装支援に挑んだファイナリスト10チーム中、7チームが年度内のサービスリリースを達成しました。
2022年度内にサービスリリースを達成できなかった3チームにおいても、引き続きサービス開発を進めるとのことです。
③ オープンデータをAPI形式で提供開始
都は、東京都及び区市町村が保有する二次利用可能な機械判読性の高い行政データを、都民等に公開するためのサイトとして東京都オープンデータカタログサイトを運営しています。
この度、 東京都オープンデータカタログサイトで公開しているすべてのCSV形式のデータ(※1)約35,000件について、API形式(※2)での提供を開始しました。
※1 CSV形式とは、データの受け渡しに通常用いられる形式であり、利用者が開発したアプリケーションなどで活用するためには、専用のプログラムが必要
※2 API形式とは、利用者が開発したアプリケーションなどに、オープンデータを直接つなぐことができる形式
これにより、利用者はオープンデータをAPI形式で利用することができるようになり、サービスやアプリケーションを開発する際に自ら複雑なプログラムを書くことなく、オープンデータを容易に読み込むことが可能になりました。
④ オープンデータの住所情報に緯度・経度を付与
住所情報が含まれるデータに緯度・経度を付与するツール(ジオコーダ)を、全庁に導入しました。これにより、カタログサイトで公開するオープンデータについては、住所情報を持つ全てのデータに緯度・経度が付与されます。例えば、施設や避難場所などのオープンデータ情報を、利用者が容易に地図上へと表示できるようになります。
引き続き、地理空間情報のさらなる利活用促進を目指して参ります。
2023年1月~3月のオープンデータカタログサイトのページビュー数は、約1,100PV/日(平均)となりました(前年度は約600PV/日)。
積極的なPRやハッカソンのイベント告知等により、ページビュー数の更なる増加を図って参ります。
今後の取組(2023年4~6月)
- 3月のDemo Dayで公開した新サービスについて、サービスリリース後の広報支援を行います。
- 2022年度の都知事杯オープンデータ・ハッカソンでリリースしたサービスに使用するオープンデータについて、区市町村の更なるデータ公開に向けた働きかけを行います。
- 2023年度の都知事杯オープンデータ・ハッカソンのプログラム内容の企画等、実施に向けた準備を進めます。