進捗状況(2023年4~6月):都政スピードアップ・制度改革プロジェクト

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(1)事業執行の迅速化 / (2)技術職員の採用・人材育成 / (3)契約・支出関連事務のデジタル化 / (4)デジタル時代の意思決定等のあり方  / (5)アナログ規制の見直し

 「シン・トセイ2」では、これまで、事業の前倒しや手続きの短縮化などにより事業執行を迅速化するとともに、契約・支出事務などで抜本的なBPRとデジタル化も進め、都政のスピードアップを進めてきました。

 「シン・トセイ3」でリニューアルした都政スピードアップ・制度改革プロジェクトでは、より機動力のある都庁にバージョンアップし、都政の喫緊の課題に即応していくために、従来の考えにとらわれず、時代に即した形で既存の制度・運用を見直していきます。

 テーマについては、2022年から引き続き検討を重ねている事業執行の迅速化、契約・支出に関する新たなシステム構築及びデジタル時代の意思決定等のあり方の検討に加え、2023年から新たに、技術職員の採用・人材育成についても取り組んでいきます。

 また、デジタル技術を活用して、都民及び事業者の利便性を向上させていくには、既存の制度やルールをデジタル時代に合ったものへと見直す必要があります。よって、目視による現場確認や書面掲示などのアナログ的な手法を前提とする、いわゆるアナログ規制について、全庁的に見直しを進めていきます。

(1)事業執行の迅速化

  • TOKYO強靭化プロジェクトの推進など、今後都のインフラ整備が増加する中、工事における生産性向上や働き方改革を一層図るため、積算をはじめ基幹業務の仕事を見直し、執行力を強化していきます。
  • 具体的には、迅速化メニューを活用することで、事業着手の時期を前倒しするなど、より迅速な事業執行にシフトします。

<迅速化メニュー一覧>
迅速化メニュー

進捗状況(2023年4~6月)

  • これまでの迅速化メニューの取組に加え、更なる取組として積算業務のあり方の見直しなどについて、制度・事業所管局が一体となって議論してきました。
  • こうした議論をベースに、業務の効率化や民間との協働の視点を踏まえ、新たな積算手法など積算の簡素化や、デジタル技術による遠隔臨場の活用などの取組を「シン・トセイ重点強化方針2023」に示しました。

    <業務の効率化や民間との協働の視点を踏まえた今後の取組>
    今後の方向性

今後の取組(2023年7~9月)

  • 積算の簡素化や遠隔臨場などの導入事例を庁内展開するとともに、生産性向上や働き方改革に向けた様々な取組について更に検討を進めていきます。

(2)技術職員の採用・人材育成

  • TOKYO強靭化プロジェクト等を着実に推進するため、職員の採用、人材育成、効果的な人材活用を一体的に取り組むことで、都庁全体の課題解決力を強化していきます。

進捗状況(2023年4~6月)

  • 都を活躍の場として選択しやすい環境を整備するため、東京のために働きたいという熱意を持った多様な人材が、チャレンジしやすい採用手法等への見直しについて、制度・事業所管局が一体となって議論してきました。
  • こうした議論を踏まえ、様々な経験やバックグラウンドを持った人材が、都庁の仕事に魅力を感じ、都庁を活躍の場として能力を最大限発揮できるよう、インターンシップや採用手法の見直しを実施するなど、採用試験の受験者の増につながる取組の方向性を「シン・トセイ重点強化方針2023」に示しました。

    <採用試験の受験者増に向けた取組の方向性>
    今後の方向性

今後の取組 (2023年7~9月)

  • 課題整理を基に洗い出した検討事項案について、引き続き議論を深めていきます。​具体的には、過去の採用情報を分析の上、ターゲット別に更に効果的な採用手法やPR手法等について検討​していきます。加えて、人材育成、効果的な人材活用の取組についても検討を進めていきます。

(3) 契約・支出関連事務のデジタル化

 従来、紙の書類作成、押印、および対面による提出が必要であった契約・支出関連の手続について、事業者と職員双方の手続にかかる負担を軽減します。

<事業者の利便性に資する機能>

 都と事業者間のやり取りをデジタル化する機能(事業者の利便性に資する機能)については、2024年度から順次導入します。

<職員の利便性向上に資する機能>

 職員の業務省力化・効率化のため、一連の業務プロセスをデータ連携し、契約支出関連の一連の事務をデジタルで行うための機能については、2026年度以降の稼働を目指しています。

デジタル化のイメージ

進捗状況(2023年4~6月)

○ スケジュール

第1四半期スケジュール

○ 実施状況

  • 事業者の利便性に資する機能について、詳細設計の内容に基づきシステムの製造・テストを進めています。
  • 5月から職員の利便性に資するシステムの基本設計に着手しました。
  • 2024年度の事業者の利便性に資する機能の稼働に向け、庁内各局の契約担当職員に向けた周知を行うとともに、事業者向け周知の準備を開始しました。

今後の取組(2023年7~9月)

○ スケジュール

第2四半期

○ 取組予定

  • 引き続き、事業者の利便性に資するシステムの製造・テスト、職員の利便性に資するシステムの基本設計を進めます。
  • 基本設計に当たっては、ユーザー目線で使いやすい画面構成・レイアウトを検討するなど、UI・UXの視点を取り入れて設計を行います。
  • 事業者の利便性に資する機能の稼働に向けては、事業者の方にシステムの利用イメージや書類作成・提出の手間が軽減するといったメリットが伝わるよう周知内容の検討を進めます。

(4) デジタル時代の意思決定等のあり方

デジタル化が進む中での「意思決定」の最適な形を検証・推進します。

進捗状況(2023年4~6月)

  • デジタルサービス局、総務局からなるデジタル時代の意思決定等のあり方検討会を立ち上げ、文書のライフサイクル、保存・管理のあり方といった各論点の検討を開始しました。
  • 論点の1つである「文書総合管理システム以外における事案決定の柔軟化」について、業務システムでの意思決定に係る個別業務の分析、業務上の課題となっている箇所の特定、国及び他自治体の動向調査を実施しました。

今後の取組(2023年7~9月)

  • 引き続き検討を進め、デジタル時代にふさわしい、より円滑な意思決定のあり方・文書管理の将来像と具体的な方策を策定します。

(5) アナログ規制の見直し

アナログ規制については、以下の代表的な7項目、及びFD等の記録媒体を指定する規制を対象として、全庁的に見直しを進めていきます。

アナログ規制8項目の定義

進捗状況(2023年4~6月)

  • 2023年5月~6月に、通知・通達等の条例・規則以外の規程を対象として、全庁的な規制の洗い出し調査を実施しました(条例・規則については本年2月~3月に実施済み)。調査の結果、アナログ規制に該当する条項が約2,000程度存在することが判明しました。
  • また同年6月、国のアナログ規制に係る見直しについて、国への提案要求を行いました。具体的には、工程表に基づき法令等の見直しを着実に行うとともに、適用するデジタル技術についても、地方公共団体が今後活用することも踏まえ、個々の規制に対して代替可能な機器やサービスを具体的に示すように提案しました。

今後の取組(2023年7~9月)

  • 7月に局横断的な見直し推進検討会を立ち上げ、アナログ規制の見直しを進めるにあたっての課題などを整理し、対応方針の検討を進めていきます。