[ (1)事業執行の迅速化 / (2)技術職員の採用・人材育成 / (3)契約・支出関連事務のデジタル化 / (4)デジタル時代の意思決定等のあり方 / (5)アナログ規制の見直し]
「シン・トセイ2」では、これまで、事業の前倒しや手続きの短縮化などにより事業執行を迅速化するとともに、契約・支出事務などで抜本的なBPRとデジタル化も進め、都政のスピードアップを進めてきました。
「シン・トセイ3」でリニューアルした都政スピードアップ・制度改革プロジェクトでは、より機動力のある都庁にバージョンアップし、都政の喫緊の課題に即応していくために、従来の考えにとらわれず、時代に即した形で既存の制度・運用を見直してきました。
テーマについては、2022年から引き続き検討を重ねている事業執行の迅速化、契約・支出に関する新たなシステム構築及びデジタル時代の意思決定等のあり方の検討に加え、2023年から新たに、技術職員の採用・人材育成についても取り組んでいます。
また、デジタル技術を活用して、都民及び事業者の利便性を向上させていくためには、既存の制度やルールをデジタル時代に合ったものへと見直す必要があります。よって、目視による現場確認や書面掲示などのアナログ的な手法を前提とする、いわゆるアナログ規制について、全庁的に見直しを進めていきます。
(1)事業執行の迅速化
- TOKYO強靭化プロジェクトの推進など、今後都のインフラ整備が増加する中、工事における生産性向上や働き方改革を一層図るため、積算をはじめ基幹業務の仕事を見直し、執行力を強化していきます。
- 具体的には、迅速化メニューを活用することで、事業着手の時期を前倒しするなど、より迅速な事業執行にシフトします。
<迅速化メニュー一覧>
- 2023年7月に発表した「シン・トセイ重点強化方針2023」では、業務の効率化や民間との協働の視点を踏まえた取組を示しています。
<シン・トセイ重点強化方針2023に示した今後の取組>
- 2024年1月に発表した「シン・トセイ4」では、生産性向上や働き方改革に向けた様々な取組について、「工事書類の削減・簡素化」、「工事書類のデジタル化」などについて、具体的な今後の方向性を示しました。
事項 | 具体的な今後の方向性 |
---|---|
工事書類の削減・簡素化 | 様式・添付書類の見直しにより工事書類の削減・簡素化を推進 |
工事書類のデジタル化 | ・情報共有システムなどを積極的に使用 ・各事業者への働きかけや操作講習会の開催等による利用拡大 →クラウドによる工事書類のデジタル化を実現 |
<「工事書類の削減・簡素化」「工事書類のデジタル化」を実現したことによるイメージ>
進捗状況(2024年1~3月)
- これまでの迅速化メニュー・迅速化モデル等を踏まえ、各局で事業の前倒しに取り組んでいます。
- 各局で遠隔臨場を活用した監督業務等を、2023年度は年間100件超実施し、双方向通信による施工状況の確認等の効率化を図りました。
今後の取組(2024年4~6月)
- 「シン・トセイ重点強化方針2023」や「シン・トセイ4」に記載した取組について、引き続き各局等と連携し、着実に進めていきます。
- 今後増大するインフラ整備需要に対応し、生産性向上や働き方改革を図るため、制度・運用の見直しや、デジタル技術を活用した事業執行の迅速化・効率化に向けた取組について、課題等について整理し、取組を展開していきます。
(2)技術職員の採用・人材育成
- TOKYO強靭化プロジェクト等を着実に推進するため、職員の採用、人材育成、効果的な人材活用を一体的に取り組むことで、都庁全体の課題解決力を強化していきます。
- 「シン・トセイ重点強化方針2023」では、 採用試験の受験者増に向けた取組の方向性を示しています。
- 「シン・トセイ4」では、採用方法の見直しなどについて、以下のとおり示しました。
<多様な人材がチャレンジしやすい採用手法への見直し>
<職員の意欲を生かすための制度や仕組みの充実>
進捗状況(2024年1~3月)
- 令和6(2024)年度東京都職員採用試験(選考)において、以下の内容について変更することを発表しました。(詳細はコチラ)
1 民間企業併願者・民間企業経験者も受験しやすい適性検査を導入します
2 春の採用試験(大学卒業程度)で、新たに土木(新方式)を実施します
3 Ⅰ類の試験日程・申込受付期間を前倒しします
4 土木・建築・機械・電気で、秋にⅠ類B採用試験(新方式・第2回)を実施し、受験資格を 21 歳※(大学3年生相当)からに拡大します
※令和7年4月1日現在の年齢
- 民間企業等での多様な職務経験や専門性を有する技術職(土木)の方々が、幅広く受験可能な経験者採用選考を新たに実施することを公表しました。(詳細はコチラ)
- 都庁版アルムナイ採用制度についてHPに掲載しました。(詳細はコチラ)
今後の取組(2024年4~6月)
- 今後も、就職希望者の声を聞くなど効果を検証し、時代の変化に合わせた職員の採用・人材育成施策に引き続き取り組んでいきます。
(3) 契約・支出関連事務のデジタル化
従来、紙の書類作成、押印、および対面による提出が必要であった契約・支出関連の手続について、事業者と職員双方の手続にかかる負担を軽減するため、東京都契約請求システムを順次稼働します。
システムの機能のうち都と事業者間のやり取りをデジタル化する機能については、2024年4月よりデジタルサービス局が発注する物品・委託契約を対象に運用を開始しました。また、一連の業務プロセスをデータ連携し、契約支出関連の一連の事務をデジタルで行うなど職員の利便性向上に資する機能については、2026年度以降の本格稼働を目指しています。
東京都契約請求システムはこちらからご利用ください。
※システムの利用には、GビズIDが必要となります。取得される方は、GビズIDのサイト から取得をお願いいたします。
進捗状況(2024年1~3月)
○ スケジュール
○ 実施状況
- 事業者の利便性に資する機能について、受入テストと稼働に向けた本番環境への移行作業を実施し、4月1日より運用を開始しました。
- 職員の利便性に資する機能について、各機能や画面、データベースなどの詳細設計を完了しました。
今後の取組(2024年4~6月)
○ スケジュール
○ 取組予定
- システム安定稼働に取り組むとともに、今後のユーザビリティ改善などを見据え、運用状況や利用状況の分析を行います。
- 職員の利便性に資する機能の開発に着手します。
- これまで知事部局等の契約・請求手続を対象に開発等を行ってきた新システムについて、公営企業局への利用対象拡大に向けた調査など、対象拡充に向けた検討を開始します。
(4) デジタル時代の意思決定等のあり方
デジタル化が進む中での「意思決定」の最適な形を検証・推進します。
進捗状況(2024年1~3月)
- デジタル時代にふさわしい、より円滑な意思決定のあり方・文書管理の将来像と具体的な方策として、デジタル時代にふさわしい意思決定の仕組みを整備することとしました。
■デジタル時代にふさわしい意思決定の仕組み
業務システムによる意思決定を可能とします。
業務システムによる意思決定に当たっては、引き続き適切な文書管理を行うため、文書管理上必要な事項(件名、文書番号等)を文書総合管理システムへ連携することとします。 - また、本取組の趣旨及び検討状況について、庁内周知を実施しました。
今後の取組(2024年4~6月)
- デジタル時代にふさわしい意思決定の仕組みの実現に向けて、制度面・システム面における具体的な条件の整理や今後のスケジュールについて検討を進めます。
- 各局が所管する業務システムに本仕組みを導入するための調整に着手します。
(5) アナログ規制の見直し
アナログ規制については、以下の代表的な7項目及びFD等の記録媒体を指定する規制を対象として、全庁的に見直しを進めていきます。
進捗状況(2024年1~3月)
- 約1,800条項のアナログ規制について、今後の対応方針や具体的な取組を定めた「工程表」を策定しました。
- 第3回の局横断的な「見直し推進検討会」を開催し、都のアナログ規制の先行事例、見直し方針ごとの具体的方向性等について情報共有・議論を進めました。
今後の取組(2024年4~6月)
- 策定した「工程表」に基づき、全庁的に見直しを進めていきます。
- 「工程表」に基づく見直し進捗状況を、ダッシュボード等で公表していきます。
- 2024年度第1回の「見直し推進検討会」を開催し、今年度の取組等を情報共有・議論することで、着実な見直しを推進します。