進捗状況(2023年7~9月):都政スピードアップ・制度改革プロジェクト

スピードアップ_アイキャッチ

(1)事業執行の迅速化 / (2)技術職員の採用・人材育成 / (3)契約・支出関連事務のデジタル化 / (4)デジタル時代の意思決定等のあり方  / (5)アナログ規制の見直し

 「シン・トセイ2」では、これまで、事業の前倒しや手続きの短縮化などにより事業執行を迅速化するとともに、契約・支出事務などで抜本的なBPRとデジタル化も進め、都政のスピードアップを進めてきました。

 「シン・トセイ3」でリニューアルした都政スピードアップ・制度改革プロジェクトでは、より機動力のある都庁にバージョンアップし、都政の喫緊の課題に即応していくために、従来の考えにとらわれず、時代に即した形で既存の制度・運用を見直していきます。

 テーマについては、2022年から引き続き検討を重ねている事業執行の迅速化、契約・支出に関する新たなシステム構築及びデジタル時代の意思決定等のあり方の検討に加え、2023年から新たに、技術職員の採用・人材育成についても取り組んでいきます。

 また、デジタル技術を活用して、都民及び事業者の利便性を向上させていくには、既存の制度やルールをデジタル時代に合ったものへと見直す必要があります。よって、目視による現場確認や書面掲示などのアナログ的な手法を前提とする、いわゆるアナログ規制について、全庁的に見直しを進めていきます。

(1)事業執行の迅速化

  • TOKYO強靭化プロジェクトの推進など、今後都のインフラ整備が増加する中、工事における生産性向上や働き方改革を一層図るため、積算をはじめ基幹業務の仕事を見直し、執行力を強化していきます。
  • 具体的には、迅速化メニューを活用することで、事業着手の時期を前倒しするなど、より迅速な事業執行にシフトします。

<迅速化メニュー一覧>

迅速化メニュー一覧
  • 2023年7月に発表した「シン・トセイ重点強化方針2023」では、業務の効率化や民間との協働の視点を踏まえた取組を示しています。

<シン・トセイ重点強化方針2023に示した今後の取組>

重点強化方針(事業執行の迅速化抜粋)

進捗状況(2023年7~9月)

  • これまでの迅速化メニュー・迅速化モデル等を踏まえ、各局で事業の前倒しに取り組んでいます。
  • 「シン・トセイ重点強化方針2023」において示した、「積算の簡素化」「積算業務などのアウトソーシング」「遠隔臨場を活用した監督業務等」などの導入事例について、事業所管局と連携し取組事例の展開を行いました。

今後の取組(2023年10~12月)

  • 「シン・トセイ重点強化方針2023」において示した、工事関係書類のデジタル化について、制度所管局と事業所管局とともに議論し、クラウド化等によるデジタル化を進めていきます。
  • その他、今後も業務の効率化や民間との協働の視点も踏まえた迅速な事業執行に取り組んでいくほか、生産性向上や働き方改革に向けた取組について更に検討を進めていきます。

(2)技術職員の採用・人材育成

  • TOKYO強靭化プロジェクト等を着実に推進するため、職員の採用、人材育成、効果的な人材活用を一体的に取り組むことで、都庁全体の課題解決力を強化していきます。
重点強化方針(採用育成)
  • 「シン・トセイ重点強化方針2023」では、 採用試験の受験者増に向けた取組の方向性を示しています。
  • 今後の方向性

    進捗状況(2023年7~9月)

    • 就職活動の途中から公務員試験を目指す方や、在職中で退職予定の第二新卒の方がチャレンジしやすいよう、I類B(一般方式)土木・建築・機械・電気において、春に加えて2回目となる秋試験の申込みを受け付けました。
    • I類B(新方式)行政・ICTの試験内容について、教養試験(択一)に代えて、民間企業の採用において広く活用されており、公務員試験のための特別な準備を必要としない適性検査(SPI3)を2024(令和6)年度から導入することを公表しました。 

    今後の取組 (2023年10~12月)

    • 「シン・トセイ重点強化方針2023」で掲げた、都を退職した職員に向けた採用制度の構築を始めとして、より多様な経験やバックグラウンドを持った人材が都庁を活躍の場として選択しやすい仕組みづくりを進めていきます。あわせて、人材育成、効果的な人材活用に係る具体案についても検討していきます。

    (3) 契約・支出関連事務のデジタル化

     従来、紙の書類作成、押印、および対面による提出が必要であった契約・支出関連の手続について、事業者と職員双方の手続にかかる負担を軽減するため、新システム(東京都契約請求システム)を順次稼働します。

     新システムの機能のうち都と事業者間のやり取りをデジタル化する機能については、2024年4月より先行稼働します。また、一連の業務プロセスをデータ連携し、契約支出関連の一連の事務をデジタルで行うなど職員の利便性向上に資する機能については、2026年度以降の稼働を目指しています。

     東京都契約請求システムの概要、稼働スケジュール、FAQなどは事前案内サイトをご覧ください。

    契約・請求手続のデジタル化について

    進捗状況(2023年7~9月)

    ○ スケジュール

    第2四半期のスケジュール

    ○ 実施状況

    • 事業者の利便性に資するシステム(都と事業者間のやり取りをデジタル化する機能)の製造・テスト、職員の利便性に資するシステムの基本設計を進めています。
    • 満足度の高いUI/UXを実現するため、画面や機能の使い勝手等を検証するユーザーヒアリングの実施に向けた準備を行いました。

    今後の取組(2023年10~12月)

    ○ スケジュール

    ○ 取組予定

    • 事業者の利便性に資するシステムの稼働に向け、システムの概要や稼働スケジュール、FAQなどを掲載した事前案内サイトを2023年10月に公開しました。
    • また、事業者の利便性に資するシステムの製造・テスト、職員の利便性に資するシステムの基本設計に当たっては、画面の構成やデザイン等に関してユーザー(事業者・職員)から意見をもらうユーザーヒアリングを行います。

    (4) デジタル時代の意思決定等のあり方

    デジタル化が進む中での「意思決定」の最適な形を検証・推進します。

    進捗状況(2023年7~9月)

    • 各局の業務分析を進める中で、個々の業務において、業務システムを用いて情報を処理した後、その情報を出力して改めて文書総合管理システムで決裁する必要があるなど、業務上効率化の余地があり、デジタル化に当たって見直しが必要な実態を把握しました。
    • あわせて国及び他自治体の動向調査を行いました。その結果、国や他自治体では文書総合管理システムを介さずに業務システムでの決定を認めている事例を確認しました。
    • こうした実態・事例等を踏まえ、文書総合管理システムを介さない形での意思決定のあり方について、今後の対応の方向性を整理しました。
    意思決定の現状と将来について

    今後の取組(2023年10~12月)

    • 引き続き検討を進め、デジタル時代にふさわしい、より円滑な意思決定のあり方・文書管理の将来像と具体的な方策を策定します。

    (5) アナログ規制の見直し

    アナログ規制については、以下の代表的な7項目及びFD等の記録媒体を指定する規制を対象として、全庁的に見直しを進めていきます。

    アナログ規制8項目の定義

    進捗状況 (2023年7~9月)

    • 2023年7月に局横断的な「見直し推進検討会」を立ち上げ、アナログ規制の洗い出し調査の経過報告や国・他自治体の取組事例を共有するとともに、今後の見直しの進め方等について議論しました。
    • これまでの調査で洗い出された約2,000条項のアナログ規制について、見直しの方針を定める「工程表」の作成に向けて、先行的に見直しを実施できる条項や規制の根拠法令等について、各局に確認・調整を進めました。
    • 国で策定を進めているテクノロジーマップや技術カタログに関する情報収集を実施するとともに、国・他自治体の見直し実例の取りまとめを行いました。

    今後の取組(2023年10~12月)

    • 2023年10月に第2回の「見直し推進検討会」を開催し、アナログ規制の見直しを計画的に進めていくため、「工程表」の策定に着手します。
    • すぐに見直しが可能な規制については、順次見直しを実施していきます。