進捗状況(2024年1~3月):データドリブンな都政の推進プロジェクト

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本プロジェクトでは、都と区市町村が連携しオール東京でオープンデータ化を推進するとともに、東京データプラットフォームを効果的に運用し、官民が保有する様々なデータの利活用を促進することで、都民のQOL向上に資する新たなサービスを創出し、データドリブンな社会を目指します。

進捗状況(2024年1~3月)

(1)東京データプラットフォーム(TDPF)

東京都では、官民の様々なデータの利活用を促進し、新たなサービスの創出を後押しするデータ連携基盤「東京データプラットフォーム(TDPF)」を2024年1月31日に稼働しました。

① TDPFについて

TDPFは、都民のQOL向上に資するサービス創出を促すため、都や区市町村のオープンデータを始め、民間事業者等の方々が保有するデータも掲載しており、検索・利用ができます(民間事業者等から提供されたデータは条件に応じて活用が可能です)。

また、新たなサービスの創出を目指す会員のデータ利活用を後押しするため、GovTech東京と協働し、マッチングやアドバイザーサービスなどの伴走型サポートを実施します。

TDPFの概要

② 会員について

TDPFでは、行政機関・民間企業・学術研究機関等の方々を対象とした会員制度を新設し、2023年11月から会員募集を開始しました。データの利活用に意欲のある多様な分野の事業者(情報通信、建設・不動産、金融・保険など)や、都内62区市町村など241者(2024年3月31日時点)の方々が会員となっております。(会員一覧はこちら
会員向けサービスの詳細については、こちらをご覧ください。

③ TDPFキックオフイベント(1月31日)

TDPFの稼働に合わせ、データ利活用の機運を高めるため、キックオフイベントを開催しました。当日は、312名(会場116名・オンライン196名)と大変多くの方々にご参加いただきました。当日の動画については、こちらよりご覧ください。

TDPFのキックオフイベント

(2)デジタルツインによる政策形成の高度化

東京都では、多岐に渡る都市課題の解決や都民のQOL向上を目指し、様々なデータを集めて仮想空間に現実空間を再現するデジタルツイン実現プロジェクトを推進しています。

3Dビューアに、多摩部の3D都市モデルや、都の各局や国が保有するデータ、ベータ版事業で取り組んだ民間のデータを新たに掲載しました。
また、能登半島地震支援として、”震災前の点群データ(石川県が公開)”と”震災後の斜面崩壊データ等(国土地理院が公開)”を掲載し、被災状況の可視化を行いました。

<2024年1~3月に掲載したデータの例>

3Dビューア(多摩部の建築物モデル)
多摩部の3D都市モデル(建築物モデル・LOD1)
3Dビューア(さくらトラムの列車ロケーション情報)
都営地下鉄・東京さくらトラムの列車ロケーション情報
3Dビューア(荒川3D河川モデル)
荒川3D河川モデル(国土交通省)
3Dビューア(交通事故統計)
交通事故統計(警察庁)
3Dビューア(地表面温度データ)
地表面温度データ(宇宙航空研究開発機構)
3Dビューア(能登半島地震後の斜面崩壊・堆積分布データ)
能登半島地震後の斜面崩壊・堆積分布データ(国土地理院)
都の3Dビューアは、専用ソフト等が要らず、ウェブブラウザ上で点群データを含むデータの閲覧が可能です。また、どなたでもローカルフォルダからお手持ちのデータを追加して可視化ができ、さらに簡易な距離・面積の計測もできます。是非ご使用してみてください。

第3回ユースケース創出に向けた検討会を開催(2月14日)

デジタルツインを活用したユースケースを生み出していくために、「東京都における『都市のデジタルツイン』ユースケース創出に向けた検討会」を設置しています。
この度、第3回検討会を開催し、2023年度実施事業の報告やデジタルツインの運用・利用拡大の進め方について議論しました。

デジタルツインのユースケース実現に向けた技術検証及び課題整理のため行ってきた、3つのベータ版事業の成果を公開しました。

デジタルツインの社会実装に向けた検証成果(AIカメラによる交通量調査)
AIカメラを活用した交通量調査の試行
デジタルツインの社会実装に向けた検証成果(水道管の点群データ取得)
簡易的な機器で水道管の点群データを取得
デジタルツインの社会実装に向けた検証成果(花粉飛散数データとの連携)
民間企業が観測・解析した花粉飛散数のデータと連携

(3)オール東京でオープンデータ化を更に促進

① 第7回オープンデータラウンドテーブルを開催(2月22日)

都をはじめとする行政のオープンデータ化を更に進めていくために、データ利活用を希望する民間企業等からニーズを直接拝聴するラウンドテーブルを開催しました。

今回のラウンドテーブルでは、企業・大学から3名が登壇し、「オープンデータの活用事例」の紹介や、「どの様なデータを行政に提供してほしいか」の提案が発表されるとともに、デジタル庁や東京都職員との意見交換が行われました。

ラウンドテーブルの様子

② 第3回東京都オープンデータコミュニティ会員限定イベントを開催(3月19日)

シビックテック等のオープンデータ利用者同士のコミュニケーションや、利用者と都の繋がりを活性化させるため、東京都オープンデータコミュニティ第3回会員限定イベントを開催しました。

第3回東京都オープンデータコミュニティ会員限定イベントの様子1
コミュニティ参加者が登壇し、オープンデータに対する取組や想いを発表しました
第3回東京都オープンデータコミュニティ会員限定イベントの様子2
発表者が登壇し、司会者や参加者からの質問に対する応答を行いました
第3回東京都オープンデータコミュニティ会員限定イベントの様子3
オンラインからも、発表と質疑応答への参加がありました
第3回東京都オープンデータコミュニティ会員限定イベントの様子4
東京都の担当者から、オープンデータのこれまでの取組と、今後の展開を説明しました

東京都オープンデータコミュニティには、どなたでも無料で参加できます。参加をご希望の方は、参加申込フォームからお申込みください。

"東京都オープンデータコミュニティ"のロゴ

③ 2023年度第2回都・区市町村DX推進協議会オープンデータ検討部会開催(2月29日)

都内区市町村のオープンデータの普及・促進及び、都区市町村連携上の課題について検討を行うため、2023年度の第2回目となる都・区市町村DX推進協議会オープンデータ検討部会を開催しました。検討部会では、2023年度における東京都のオープンデータの取組報告や、今後のオープンデータ関連イベントへの協力依頼を行いました。

④ニーズが高い庁内データのオープンデータ化の推進

利用者からのニーズの高い庁内データ(※)について、積極的に各局でオープンデータ化に取り組んだ結果、2023年度の目標であるオープンデータ化率30%を達成しました。
※庁内データ棚卸し結果において各局がオープンデータ化を「検討中」としたデータ、東京都オープンデータコミュニティ及びラウンドテーブル等でニーズがあったデータで公開可能なデータ、自治体標準オープンデータセット

今後の取組(2024年4~6月)

(1) 東京データプラットフォーム(TDPF)

都庁・区市町村・民間等の有効なデータを順次搭載するとともに、会員に対する伴走型サポートの実施や、多様な主体がつながるコミュニティの形成等を通じ、官民の様々なデータを連携させて新たなサービスの創出を後押していきます。

(2)デジタルツインによる政策形成の高度化

「都市のデジタルツイン」の基盤データとして、都市整備局が「都市の3Dデジタルマップ化プロジェクト」で作成した、区部及び多摩部の3D都市モデル並びに区部の点群データについて、3Dビューアへの掲載を進めます。

(3) オール東京でオープンデータ化を更に促進

”東京都オープンデータコミュニティ”や”ラウンドテーブル”などでの要望を踏まえ、利用者のニーズに応えたオープンデータ化を更に促進していきます。