進捗状況(2024年1~3月):オープンイノベーション実践プロジェクト

プロジェクトのイメージ

本プロジェクトでは、協働に取り組むフィールドの大幅な拡大、先進的・効果的な民のソリューションの展開、デジタル技術を活用した市民や企業の参加の場の創出等を通じて、都政のあらゆる分野でオープンイノベーションを実践していきます。

1.スタートアップとの協働

スタートアップ戦略「Global Innovation with STARTUPS」の更なる推進に向けて、都庁内で局横断的に編成されたワンチーム“Team Tokyo Innovation”が、スタートアップと共に社会の変革と成長を生み出すための取組を展開しています。 

進捗状況(2024年1~3月)

(1)スタートアップ戦略の推進

"Team Tokyo Innovation"のロゴ

スタートアップとの協働を進めるためには、スタートアップの成長や活動を支援し、スタートアップとの交流機会を創出していくことが重要です。

"SusHi Tech Tokyo 2024 Global Startup Program" ロゴ

国内外スタートアップエコシステムとの“まだ⾒ぬ出会い”を創出する、アジア最⼤規模のイノベーションカンファレンス「SusHi Tech Tokyo 2024 Global Startup Program」を、東京ビッグサイトで開催する準備を進めてきました。
国・都市による展示や、Infrastructure、Environment、Living、Culture、Impact の5 つのテーマに沿ったスタートアップの展示を行います。
“まだ⾒ぬ出会い”を、まさにその時・その場で創出し、都市課題解決に向けたオープンイノベーションを促進していきます。是非、ご参加ください。

カンファレンスの様子
”TIB”と連携し”SusHi Tech Tokyo 2024”のPRを実施
スタートアップの展示
400社以上のブース出展スタートアップが決定
ピッチコンテスト"SusHi Tech Challenge 2024"の概要
ピッチコンテスト「SusHi Tech Challenge」のセミファイナリスト20社が決定
セッションスピーカー
世界を代表する経営者や都市のリーダーの登壇が続々と決定

Tokyo Innovation Base(5月に本格オープン予定)

"Tokyo Innovation Base"のロゴ

Tokyo Innovation Base(TIB)は、世界中のイノベーションの結節点を⽬指し、2023年11⽉にプレオープンしました。TIB は、多様な⼈々がつながりあい、⾰新的なアイデアやテクノロジーで社会を前進させる挑戦者を⽣み出す場です。
TIBはスタートアップを支援する多くのパートナーと連携して様々なイベントを連日開催しており、3⽉末までに総来場者数は1万人を超えています。
また、2月15⽇より、スタートアップの抱える悩みや課題を解決するコンシェルジュサービスや、スタートアップの製品展示など、新たな支援サービスも開始しました。更に、ものづくりスタートアップ等の支援を行う”FAB”や一般消費者向け製品のテストマーケティングの場”SHOP”の設置などを行い、5月に本格オープンする予定です。
世界最⾼にスタートアップフレンドリーな東京となるべく、その⼀⼤拠点と位置づけてイノベーションを起こしていきます。

TIB全景
有楽町駅から徒歩1分
TIBエントランス
エスカレーターで2階に上がると、TIBのエントランスに到着
TIBイベントの様子
多くのパートナーと連携して、様々なイベントを連日開催
コンシェルジュと相談
コンシェルジュが起業から成長までの幅広い領域を支援
TiBにおけるスタートアップ製品展示の様子
スタートアップの製品を展示して、PRを支援
5月のグランドオープニングに向けた進化
5月の本格オープンに向けて進化

③ TIB PITCH (3月5日、29日)

「TIB PITCH」は、多様な人々が繋がり、革新的なアイデアやテクノロジーで社会を前進させる挑戦者を応援するピッチイベントです。採択されたスタートアップに対して、TIB施設内へのサービスの試験導入や、プロダクト展示などの支援を行っていきます。
審査員投票とオーディエンス投票を合算した点数で、採択企業が決まります。ピッチは毎月1回程度の開催を予定しておりますので、是非、ご参加ください。

TiBのピッチイベントの様子
スタートアップがピッチに登壇し、自社の製品・サービスを紹介しました
TiBのスタートアッププロダクトの展示案内
スタートアップのプロダクト展示を2階フロアで行っていますので、是非ご覧ください

④ TOKYO UPGRADE SQUARE 開設3周年イベント(3月5日) 

"TOKYO UPGRADE SQUARE"のロゴ

TOKYO UPGRADE SQUARE(TUS)」は2021年1月27日の開設以来、3周年を迎えました。
ご利用の皆様への感謝と、まだご利用いただけていない行政職員やスタートアップの皆様に、TOKYO UPGRADE SQUAREの魅力や取組をお伝えすることを目的として、記念イベントを開催しました。
イベントでは、自治体との協働で自動運転技術を開発するスタートアップによる講演や、TUSで実現した官民連携事例紹介などが行われました。

"TOKYO UPGRADE SQUARE"のコンセプトイメージ
TUSの”新コンセプト”と”新メンバー制度”を、(公財)東京都中小企業振興公社が紹介
TUSイベントの様子1
㈱ティアフォーの取締役COOが「官民連携で実現する社会のイノベーション」を講演
TUSイベントの様子2
新宿区の職員と㈱Another worksの代表取締役が、複業人材による広報支援の協働事例を紹介
TUSイベントの様子3
墨田区の職員と㈱humorousの代表取締役が、墨田川花火大会での人流誘導の協働事例を紹介
TOKYO UPGRADE SQUAREとは…
都内の行政機関が恒常的に課題を発信し、その課題を解決できるスタートアップとの連携を多様な側面から支援する拠点です。

スタートアップ×行政 Meet UP!(3月27日)

東京都は、スタートアップとの協働について、5年で10倍(2027年までに年間100件)を目標に掲げてきましたが、2023年12月末時点で133件を達成し、2023年度の目標である40件を大幅に超える実績を上げることができました。
この実績を踏まえ、年間目標件数を100件から300件へと上方修正したことから、スタートアップとの協働成果を各局・区市町村と共有し、スタートアップと行政の官民協働の取組を更に進めていくことを目的としたイベントを開催し、約180名が参加しました。
イベントでは、スタートアップからの協働事例のプレゼン、行政現場からのコメント、スタートアッププロダクトの展示、スタートアップと職員によるネットワーキングなどが行われました。

スタートアップ×行政 Meet UP!イベントの様子(副知事あいさつ)
宮坂副知事の挨拶で、スタートアップと行政の官民協働を更に進めることが語られました
スタートアップ×行政 Meet UP!イベントの様子(成果発表1)
8社のスタートアップが登壇し、行政現場で検証を行った成果を発表しました
スタートアップ×行政 Meet UP!イベントの様子(成果発表2)
プロジェクトの現場となった港湾局、大田区からも成果発表が行われました
スタートアップ×行政 Meet UP!イベントの様子(スタートアップサービスの展示1)
多くのスタートアップのサービスを体験してもらうため展示スペースを増設しました
スタートアップ×行政 Meet UP!イベントの様子(スタートアップサービスの展示2)
TIB常設の展示スペースを含め23社のスタートアップがサービスの展示を行いました
スタートアップ×行政 Meet UP!イベントの様子(マッチング掲示板)
当日参加の企業なども、サービスの紹介が行えるようにマッチング掲示板を設置しました
スタートアップ×行政 Meet UP!イベントの様子(ネットワーキング)
ネットワーキングでは、スタートアップと行政職員が事業紹介や意見交換を行いました
 スタートアップ×行政 Meet UP!の集合写真
スタートアップや関係者との対話を大切にして、官民協働の取組を進めていきます

多様なファーストカスタマーの取組

東京都スタートアップ公共調達サポート窓口」では、「事業提案制度」や「優れた技術・製品等を有するスタートアップに係る等級によらない入札参加制度」、「都の入札参加資格登録に関する相談・支援」など、多様なファーストカスタマーの取組を紹介しています。
また、「東京都入札契約ガイドブック」も公開していますので、是非、ご覧ください。

スタートアップからの事業提案を募集します
スタートアップの技術・発想を様々な都政課題の解決に活かします
東京都入札契約ガイドブック
東京都が行う調達、入札参加、参加資格の取得などの流れを分かり易く解説

(2)現場対話型スタートアップ協働促進プロジェクト

"現場対話型スタートアップ協働プロジェクト"のロゴ

「現場対話型スタートアップ協働プロジェクト」は、東京都庁の都政現場における課題に対し、優れたスキルや技術を有するスタートアップとの対話を通じて共に解決を図るプロジェクトです。

都や区の現場において、様々なスタートアップとの協働プロジェクトに取組み、いずれもプロジェクトの成果を上げることができました。プロジェクトの詳細はコチラをご覧ください。

"現場対話型スタートアップ協働プロジェクト"の協働プロジェクト一覧

(3)キングサーモンプロジェクト

"キングサーモンプロジェクト"のロゴ

グローバル市場を席捲する課題解決型のスタートアップ(キングサーモン企業)を東京から輩出し、先端事業によって東京の成長と社会課題の解決を目指しています。

現在、都庁や区の現場において、6社のスタートアップとの協働プロジェクトに取り組んでいます。プロジェクトの詳細はコチラをご覧ください。

"キングサーモンプロジェクト"の協働プロジェクト1
"キングサーモンプロジェクト"の協働プロジェクト2

(4)UPGRADE with TOKYO ピッチイベント 

"UPGRADE with TOKYO"のロゴ

都政課題の解決に向けて、これまでにない製品・サービスを提供するスタートアップによるピッチイベントを開催し、スタートアップが行政機関、VCや企業等と交流する場を創出することにより、課題の解決とスタートアップの成⾧を後押ししています。 

ピッチイベントを開催

第35回2024(令和6)年1月15日(詳細はnoteをご覧ください)
テーマ「下水道施設における新たな工事出来形確認手法の構築」
優勝社株式会社Liberaware
提案内容狭小空間専用ドローンと3Dデータ生成技術によるソリューション
 第35回優勝
※ イベントの様子は、UPGRADE with TOKYOのホームページからご覧いただけます
第36回2024(令和6)年2月2日(詳細はnoteをご覧ください)
テーマ「建築物の安全性を確保する審査業務の効率化・省力化」
優勝社SUDARE TECHNOLOGIES株式会社
提案内容『消防同意審査の効率化から始める消防DX』
 第36回優勝
※ イベントの様子は、UPGRADE with TOKYOのホームページからご覧いただけます
第37回2024(令和6)年3月1日(詳細はnoteをご覧ください)
テーマ「誰もが利用しやすく、楽しめる公園の実現~2025年デフリンピック大会を契機に~」
優勝社ハイラブル株式会社
提案内容『「窓口会話支援」と「にぎわいの見える化」で日比谷公園をみんなで楽しめる』Hylable for Parks のご提案
 第37回優勝
※ イベントの様子は、UPGRADE with TOKYOのホームページからご覧いただけます

② 提案製品サービスを活用した協働の実現

これまでに開催したピッチイベントで優勝したスタートアップが、都政現場と協定を締結し、ピッチイベントで提案した製品・サービスを活用して協働プロジェクトを開始しました。

2024年1~3月に実現した協働プロジェクト:2件

UPGRADE with TOKYO ピッチイベント の第31回と第32回の優勝社との協働プロジェクト内容

③ UPGRADE with TOKYO成果報告会(3月25日)

2023年度の成果報告や、ピッチイベント優勝スタートアップとの協働事例報告に加え、2024年度からの事業展開について、東京都よりプレゼンを行いました。
成果報告会をコチラで動画配信していますので、是非、ご覧ください。

UPGRADE with TOKYO成果報告会の様子1
「事例から学ぶ官民連携の意義・手法」をテーマとして、㈱ジチタイワークスのビジネス開発部長から、ご講話をいただきました
UPGRADE with TOKYO成果報告会の様子2
第29回優勝社の㈱方角と生活文化スポーツ局の職員が登壇し、2025年デフリンピック東京大会に向けた協働事例を報告しました

今後の取組(2024年4~6月)

(1)スタートアップ戦略の推進

スタートアップ戦略の推進に関する情報は、スタートアップ・国際金融都市戦略室のホームページで随時発信していきますので、ぜひご注目ください。

(2)現場対話型スタートアップ協働促進プロジェクト

  • 事業の実施規模を拡大し、新規プロジェクトの組成に向けた準備を進めます。
    (2023年度:10件 → 2024年度20件)
現場対話型スタートアップ協働促進プロジェクトに関する情報は、ホームページで随時発信していきますので、ぜひご注目ください。

(3)キングサーモンプロジェクト

  • 2023年度に採択された6つのプロジェクトについて、行政現場での検証や販路拡大のための戦略立案などの支援を引き続き行います。
  • 事業の実施規模を拡大し、新規プロジェクトの組成に向けた準備を進めます。
    (2023年度:6社 → 2024年度:9社)
キングサーモンプロジェクトに関する情報は、ホームページで随時発信していきますので、ぜひご注目ください。

(4)UPGRADE with TOKYO ピッチイベント 

  • 2024年度は、1件当たりの予算規模を増額し、実施規模を高度化します。
  • 引き続き多様な行政課題の解決に向けて、ピッチイベントを開催していきます。
ピッチイベントについては、開催が決まり次第、UPGRADE with TOKYOのホームページに応募方法や観覧方法など詳細を掲載しますので、ぜひご注目ください。(過去に実施したイベントの様子も公開しています)

2.GovTech東京

GovTech東京”と都が協働し、オール東京でDX推進を加速していきます。

“GovTech東京”のビジョン

進捗状況(2024年1~3月)

GovTech東京では、官と民がフラットに共創する中で、イノベーションを起こし、行政課題の解決策を導き出していくために、官民共創のコミュニティ形成・ネットワークを広げる機会として、官民共創イベントを開催しています。

今後課題となるデジタル行政サービスのあり方について、世界的な「デジタル公共財」の取組も踏まえ、持続可能なデジタル社会を実現していくという観点から、(一社)Govtech協会との共催で「GovTech東京 MeetUp3-持続可能なデジタル社会の実現に向けたデジタル行政サービスについて考える-」を開催しました。

"GovTech東京 MeetUp3"の様子

官民共創によりこどもDXを一層加速させていくためのヒントを探るという観点から、(一社)こどもDX推進協会との共催で「GovTech東京 Meetup 4-こどもDXシンポジウム 2024 Winter-」を開催しました。

"GovTech東京 MeetUp 4"の様子

複業可能なデジタル人材と、デジタル人材を募集している東京都内の自治体とのマッチングを実現する人材紹介サービス「GovTech東京パートナーズ」を、2024年度より運用開始する予定です。同サービスを通じて自治体での複業を希望される人材の登録受付を開始しました。
登録のご案内はコチラです。

”GovTech東京パートナーズ”登録人材の募集受付開始

東京都、GovTech東京は、一般社団法人こどもDX推進協会と連携し、子育て世代が普段利用しているアプリ等を通じて必要な情報を先回りで届けるプッシュ型子育てサービスを、先行プロジェクト実施自治体において開始しました。

  • 自治体における子育て支援制度レジストリをGovTech東京が整備し、順次、東京都オープンデータカタログサイトに公開
  • 事業者が、公開データを活用し、アプリ利用者等のニーズに応じた給付金等の最適な情報を配信
"プッシュ型子育てサービス"のイメージ
プッシュ型子育てサービスのイメージ

子育て支援制度レジストリなど「こどもDXプロジェクト」についての詳細は、GovTech東京のHPをご覧ください。

今後の取組(2024年4~6月)

「情報技術で行政の今を変える、首都の未来を変える」をビジョンに掲げ、6つの事業(都庁各局DX、区市町村DX、デジタル基盤強化・共通化、デジタル人材確保・育成、データ利活用推進、官民共創・新サービス創出)の本格化に向けて、取り組んでいきます。

3.都民参加のオープンイノベーション

シビックテックとの共創により地域課題の解決策を生み出し、実装につなげていきます。
また、事業を企画する段階から都民に参画してもらい、より良い政策づくり・サービスづくりを行うため、デジタルを活用した都民との双方向コミュニケーションを進めます。

進捗状況(2024年1~3月)

(1)シビックテックとの共創

Tokyo OSS Party!!(1月28日、2月25日)

都内自治体が抱える地域課題に対し、シビックテックの方々が解決アイデアや解決に資するプログラム・サービス等を提案し、そのサービスのOSS化を目指すイベント「Tokyo OSS Party!!」を開催しました。

課題解決に取り組んだ15チームの中から、中野区の地域課題テーマ「公園情報のデジタル化」の解決策を提案した「熊本ブロードウェイ」をはじめとする3チームが受賞に輝きました。

"Tokyo OSS Party!!"の様子

都知事杯オープンデータ・ハッカソン2023「Demo Day」(3月16日)

都知事杯オープンデータ・ハッカソン2023のFinal Stageに出場後、オープンデータを活用した都民生活に役立つサービスのリリースに向けて開発を進めてきた13チームによる成果発表会(Demo Day)を開催しました。
また、「Tokyo OSS Party!!」の受賞3チームによる開発成果の紹介も行いました。
アーカイブを、是非ご視聴ください。

成果発表会 "Demo Day" の様子

(2)デジタルを活用した双方向コミュニケーション 

学生を対象に、デジタルの力を活用して街の課題解決に取り組む人材を育成するため、西新宿をフィールドとした「デジタル社会人材育成プログラム」を開催しました。

「デジタルの力で街の課題を解決するアイデア」をテーマにしたアイデアコンテストの二次審査を行い、6グループによる”試作品のプレゼンテーション”を行いました。
最優秀賞には、「キッチンカーランチの”値引き情報”をSNSで発信するサービス」が選ばれました。

"デジタル社会人材育成プログラム"の様子1
"デジタル社会人材育成プログラム"の様子2

今後の取組(2024年4~6月)

(1)シビックテックとの共創

これまでの参加者による自由な提案に加え、各局や区市町村の現場の課題を提示し、シビックテックの方々からのアイデアを取り入れ解決に取り組むなど、「都知事杯オープンデータ・ハッカソン」をバージョンアップし、都・区市町村とシビックテックの方々との共創を更に推進していきます。

(2)デジタルを活用した双方向コミュニケーション  

西新宿において、デジタル技術を活用し市民や企業等がまちづくりに参加できる機会や場を創出するとともに、学生ならではのアイデアで課題解決やまちづくりを加速化していきます。