進捗状況(2023年1~3月):都政スピードアッププロジェクト

都政スピードアッププロジェクト


(1)事業執行の迅速化 / (2)契約・支出関連事務のデジタル化 / (3)契約・会計制度の見直し / (4)人事・給与に関する事務を集中化・デジタル化  ]

 都政スピードアッププロジェクトでは、 事業の前倒しなど事業執行の迅速化により、都政運営のスピードアップを図ります。加えて、契約・支出に関する新たなシステム構築、デジタル時代にふさわしい契約・会計制度への見直し、手当・旅費等の総務事務センターへの集約拡大、超過勤務命令・集計事務のシステム化等に取り組み、抜本的なBPR とデジタル化で業務の最適化・効率化を図ります。

(1)事業執行の迅速化

  • 事業執行の迅速化については、シン・トセイ2で打ち出し、令和4年(2022年)度予算では債務負担行為を設定するなど、取組を進めてきました。
  • さらに、2022年4月に制度所管局と事業所管局でPTを設置し、事業執行の迅速化に向けた手法(事業の前倒し・手続の短縮・不測の事態に対処する方策など)を約3か月にわたり検討しました。こうした手法を都庁全体にルールとしてしっかり浸透させるため、予算面に加え契約面等にもスピードアップの取組を拡大し、その手法を「迅速化メニュー」としてシン・トセイ加速化方針2022で整理しています。
 迅速化メニュー一覧
  • 加えて、「迅速化メニュー」の有効な活用に向け、5つの事業類型ごとに「迅速化モデル(第一弾)」を全庁に展開しました。これらを踏まえ、9月・12月補正予算において、債務負担行為を活用した事業の前倒しに取り組みました。またそれに加え、令和5年(2023年)度予算では事業評価制度にもスピードアップの視点を組み込むなど、迅速化を担保する仕組みを構築しました。 
 迅速化モデル例(社会実装に向けた事業)
迅速化モデルの図

 また、「シン・トセイ3」では迅速化モデル第二弾として、4つの迅速化メニューを新たに追加しました。この追加メニューを事業に応じて迅速化モデルにカスタマイズすることで、迅速化モデルをバージョンアップし、今後もさらなる事業執行の迅速化を図っていきます。

進捗状況(2023年1~3月)

 新たに追加した迅速化メニューのうち、民間のノウハウを活用しながら施設整備を進める契約手法である「ECI方式の導入」について、3月に「東京都ECI方式試行要綱」を制定しました。これにより、2023年4月から新たにECI方式のインフラ整備の発注が可能となります。

 また、更なる事業執行の迅速化に向けて、庁内制度・運用の見直しに向けた議論の場として「都政スピードアップ・制度改革推進チーム」を編成し、検討を深めていきます。

今後の取組

 2023年度からは新たに「都政スピードアップ・制度改革プロジェクト」として、事業執行の迅速化に加え、職員の採用・育成などによる都庁の課題解決力の強化や、意思決定のあり方など業務の共通基盤の見直しにも取り組んでいきます。

(2) 契約・支出関連事務のデジタル化

デジタル化のイメージ

進捗状況 (2023年1~3月)

〇スケジュール

〇実施状況

  • 基本設計の内容に基づき、システム処理実装を行うための設計作業、システム稼働後を想定した業務運用設計作業、非機能(セキュリティ等)などに関する設計(詳細設計)を完了しました。
  • UI/UXの視点を重視するため、ユーザーヒアリングの結果を各画面の設計等に反映させました。

今後の取組(2023年4~6月)

〇スケジュール

〇取組予定

  • 引き続き、事業者と都が連携しながら、事業者の利便性に資するシステムの開発・テストを進めます。
  • 5月以降に、入力作業の省力化・データによるチェックの効率化など新たに職員の利便性に資するシステムの基本設計に着手します。基本設計にあたってはUI/UXを重視し、引き続きデザインに知見のある外部の専門家に意見を聞きながら進めます。
  • 契約・支出の関連事務のデジタル化に伴い、従来と手続方法が変わるため、事業者への新たな手続方法の周知及び職員への新たな業務フロー等の周知などの準備を進めます。

(3) 契約・会計制度の見直し

 現場の声や時代のニーズを検討の起点に、構造改革推進チーム、財務局、会計管理局からなるワーキンググループで制度や仕組みのあり方検討を進めていきます。

 必要に応じて法律改正に向けた国への要望を行うなど、デジタル時代にふさわしい契約・会計制度の実現を目指します。

契約・会計制度見直しワーキンググループイメージ

進捗状況 (2023年1~3月)

 昨年度策定した実施方針に基づき、下記の事項について取組を進めました。

現場や時代のニーズを起点にした調達に関する改革の実施方針
(画像をクリックすると内容がご覧いただけます) 



  • 予定価格100万円以下の随意契約の意思決定手続きを2回から1回へ省略可能とする通知の改正を行い、庁内に周知しました。
  • 3月に各局会計事務連絡会を開催し、その中で現場の実情を踏まえつつパーチェシングカードの導入などキャッシュレス決済の推進に向けた取組の案内を行いました。
  • アジャイル型開発に関しては以下の通り取組を進めました。
    • 環境局環境改善部「VOC(揮発性有機化合物)連続測定データベースの統一化及び可視化」と教育庁都立学校教育部 「通学区域デジタルマップ化プロジェクト」をアジャイル型開発で取り組みました。
    • 各局の事業担当の職員が、自ら開発責任者(プロダクトオーナー)となり、チームの一員として、開発範囲の設定や、やりたいことを機能に分解し、週単位でプロダクト(成果物)の機能改善を行っていきました。
    • 各局職員が参加して感じたことや記録を掲載した「アジャイル型開発に係るプレイブック」を庁内に展開します。

今後の取組

  • 引き続き、公平性、公正性の確保に留意しながら、契約事務の迅速化及び効率化に向けた取組を進めてまいります。
  • キャッシュレス決済の推進に向けて、職員向けに「会計だより」の発出や会計実務研修の開催等により、法人向けブランドデビットカードなどキャッシュレス決済手段の周知・案内を行ってまいります。
  • アジャイル開発については以下の通り取組を進めます。
    • 更に多くの職員がアジャイル型開発を実践し、その取組を体感してもらうために、開発にあたっての与条件を拡大します。
    • 開発チームの状況を随時発信しながら、庁内におけるアジャイル型開発手法の認知度を向上させ、魅力を伝えます。
    • プレイブックやこれまでの実践をもとに、アジャイル型開発に関心を持った各局の職員を対象として、都庁のアジャイル型開発を紹介するセミナーを開催します。 
    • 各局がアジャイル型開発に取り組むうえで必要な知見を得るためのガイドラインを作成します。

(4) 人事・給与に関する事務を集中化・デジタル化

進捗状況 (2023年1~3月)

◆  総務事務センターへの事務の集約

  • 1月に全局で赴任旅費に関する事務の集約を新たに開始しました。
  • 2月に全局で単身赴任手当、特地勤務手当、標準報酬月額、厚生年金、共済に関する事務の集約を新たに開始しました。


◆赴任旅費に関する事務の集約状況(全処理数におけるセンター集約割合)100%(全局集約完了)
◆単身赴任手当、特地勤務手当、標準報酬月額、厚生年金、共済に関する事務の集約状況(同上)100%(全局集約完了)

◆ システム処理の推進

  • 年末調整事務の全庁でのシステム運用については、ユーザーアンケート等を基に、今年度の運用に係る課題について検討し、来年度に向けた運用や機能の改善について整理しました。
  • 休暇事務・フレックス事務のシステム化では、要件定義で整理した機能の実装に向けて、引続きシステム設計・製造を進めています。

今後の取組

 総務事務センターへの事務の集約

  • 2024年1月に全局で特例追給返納等(システムでの自動処理が不可能なため煩雑となっている給与支給額の調整事務やイレギュラー対応事務など)に関する事務の集約を新たに開始します。
  • 2022年度に集約を開始した事務についても、更なる職員の利便性向上や事務の効率化に向けて、必要な改善を行っていきます。

◆ システム処理の推進

  • 休暇事務・フレックス事務のシステム化では、運用開始に向けた準備や調整を進めるとともに、操作研修などにより習熟を図り、2023年度のシステム運用開始を予定しています。