進捗状況(2023年7~9月):オープンイノベーション実践プロジェクト

オープンイノベーションのイメージ図

本プロジェクトでは、協働に取り組むフィールドの大幅な拡大、デジタル技術を活用して市民や企業が参加できる場の創出、先進的・効果的なソリューションの積極的な導入等を通じて、都政のあらゆる分野でオープンイノベーションを実践していきます。

1.スタートアップとの協働

スタートアップ戦略「Global Innovation with STARTUPS」の更なる推進に向けて、都庁内で局横断的に編成されたワンチーム“Team Tokyo Innovation”が、スタートアップと共に社会の変革と成長を生み出すための取組を展開しています。 

進捗状況(2023年7~9月)

(1)スタートアップ戦略の推進

“Team Tokyo Innovation”のロゴ

スタートアップとの協働を進めるためには、スタートアップの成長や活動を支援し、スタートアップとの交流機会を創出していくことが重要です。

① スタートアップ・インターンシップ・フェスを開催(7月8日)

東京都とスタートアップ支援団体が連携し、新しいことに挑戦したい学生とそうした人材を求めるスタートアップが集うフェスを開催しました。スタートアップによるプレゼンテーションや若手起業家等によるトークセッション、出展ブースでのPR等が行われ、約400名(うち学生等約260名)が参加しました。

スタートアップ・インターンシップ・フェスのイメージ
都とスタートアップ支援団体が連携して開催
スタートアップ・インターンシップ・フェスのイメージ
出展スタートアップによるプレゼンテーション
スタートアップ・インターンシップ・フェスのイメージ
出展ブースでのPR
スタートアップ・インターンシップ・フェスのイメージ
宮坂副知事から学生へのメッセージ
スタートアップ・インターンシップ・フェスのイメージ
若手起業家等によるトークセッション
スタートアップ・インターンシップ・フェスのイメージ
参加学生との記念撮影

② UPGRADE with TOKYO 行政職員向けセミナーを開催(第1回:7月26日、第2回:9月25日) 

スタートアップとの協働に関する東京都の各種制度を行政職員に紹介し、具体的な協働イメージを持ってもらうことで、スタートアップとの連携をより一層進めていくことを目的としたセミナーを開催しました。
セミナーでは、スタートアップによる製品・サービスの紹介や、行政とスタートアップとの協働事例の紹介を行い、東京都や区市町村で働く行政職員など、約110名(延べ人数)が参加しました (オンライン参加を含む)。

行政職員向けセミナーのイメージ
スタートアップとの協働に関する制度を紹介
行政職員向けセミナーのイメージ
第1回は都市整備局と株式会社アーバンエックステクノロジーズとの協働事例を紹介
(都民とAIが協働して、盛土の見守りを行うシステムを構築)
行政職員向けセミナーのイメージ
行政とスタートアップが協働事例を紹介
行政職員向けセミナーのイメージ
第2回は渋谷区より「Innovation for New Normal from Shibuya」の取組を紹介
(渋谷区役所の1〜4階に、お手洗いの混雑を抑止するIOTサービスを導入)

③ スタートアップ×行政 熱中症対策に関する事業提案イベントを開催(8月10日)

記録的な猛暑に見舞われた今夏は、熱中症対策の徹底が喫緊の課題になりました。
そこで、熱中症対策に資するサービスに取り組んでいるスタートアップとの協働を実践すべく、各局スタートアップ担当および事業現場の方々を対象に、ピッチイベントを開催しました。ピッチイベントには5社が登壇し、各局から約120名の職員が参加しました。

熱中対策ウォッチ カナリア

Biodata Bank株式会社の「熱中対策ウォッチ カナリア」を購入し、試験的に使用しています。

アイカサ

株式会社Nature Innovation Groupの「アイカサ」を、第一本庁舎1階に設置しました。

④ スタートアップによる事業提案制度を開始(9月7日)

社会課題解決に取り組むスタートアップから、自らの技術・製品等を活用した提案を募集し、事業所管局等との対話を通して活用の可能性を検討の上、必要に応じて試験導入する取組を開始しました。
応募方法・詳細については、ホームページをご覧ください。(予算の上限に達し次第、受付終了となります)

スタートアップによる事業提案制度の業務フロー

⑤ 現場対話型スタートアップ協働プロジェクト

都政現場が抱える多種多様な課題について、優れた技術を有するスタートアップと現場をマッチングして協働プロジェクトを組成し、対話を重ねながら解決を図っていく取組です。

現場対話型スタートアップ協働プロジェクトの業務フロー

<先行導入プロジェクト>
スタートアップ・国際金融都市戦略室では2023年10月末に未来型オフィスへの移行を予定しており、現場対話型事業の先行導入プロジェクトとして、「スタートアップとつくる未来型オフィス整備」に取り組んでいます。このキックオフとして、スタートアップを当室の現場に招いた“対話イベント”を8月31日に開催し、職員とスタートアップが熱い議論を交わしました。
9月12日には、ピッチイベントを開催し、スタートアップ16社から提案を受けました。当日は都庁各局や区市などから約100名の職員が参加し、「自分のオフィスにふさわしいプロダクト」を見極めるため活発に質問する姿が見られました。

先行導入プロジェクトピッチイベントのイメージ
ピッチイベントの様子(9月12日)

「Tokyo Innovation Base」始動! ~11月27日プレオープン@有楽町

東京からイノベーションを巻き起こすことを目指し、国内外からスタートアップやその支援者が集い、交流する一大拠点 Tokyo Innovation Base(TIB) のプレオープン日が決まりました。
TIBでは、スタートアップ等による挑戦を後押ししてくれる、仲間や支援者、先輩起業家など様々なプレイヤーとつながることができる、イベントや支援プログラムなどを展開していきます。
こうした活動を東京都と連携しながら担っていただける企業・団体、大学などの方々を、「TIBパートナー」として広く募集しました。
また、国内外のスタートアップ関係者が一堂に会し、Tokyo Innovation Baseの理念や取組を広く発信するプレオープンイベント(11月27日)の開催準備を進めています。

TIBのイメージ
8月30日に開設した SusHi Tech Square の2・3階にTIBを設置予定(有楽町駅から徒歩1分)
TIBのイメージ
1階のエントランスで、スタートアップが提供する家具のサブスクサービスを活用
株式会社NovolBa株式会社クラス

(2)UPGRADE with TOKYO ピッチイベント 

UPGRADE with TOKYOのロゴ

都政課題の解決に向けて、これまでにない製品・サービスを提供するスタートアップによるピッチイベントを開催し、スタートアップが行政機関、VCや企業等と交流する場を創出することにより、課題の解決とスタートアップの成⾧を後押ししています。 

第30回ピッチイベントを開催(828日)

テーマ :「水道施設の管理におけるドローン技術の活用」(詳細はnoteをご覧ください) 

優勝社 :KDDIスマートドローン株式会社

提案内容:
「スマートドローンを活用した水道施設管理 ~見る業務の遠隔・全自動化」

スマートドローンのイメージ

※ イベントの様子は、UPGRADE with TOKYOのホームページからご覧いただけます。

② 提案製品サービスを活用した協働の実現

これまでに開催したピッチイベントで優勝したスタートアップが、都政現場と契約を締結し、ピッチイベントで提案した製品・サービスを活用して協働プロジェクトを開始しました。

※ 2023年7~9月に実現した協働プロジェクト:1件

ICT技術を活用した都有地のモニタリングのイメージ

一般社団法人MIKATAプロフェッショナルズのホームページ
UPGRADE with TOKYO第27回ピッチイベント優勝社)

(3)キングサーモンプロジェクト

キングサーモンプロジェクトのロゴ

グローバル市場を席捲する課題解決型のスタートアップ(キングサーモン企業)を東京から輩出し、先端事業によって東京の成長と社会課題の解決を目指しています。

第4期プロジェクトの公募を開始(7月26日)

テーマ・分野などは指定せず、先進的なプロダクト・サービス有するスタートアップから課題定義・解決策を提案していただく方式となっています。
都内行政現場の社会課題解決に寄与し得るご提案をお待ちしています!

※ 公募の詳細、応募手続、その他については特設サイトをご覧ください。(第4期の採択企業数は3件程度を目安としており、採択企業が決定した時点で応募締め切りとなります)

今後の取組(2023年10~12月)

(1)スタートアップ戦略の推進

  • スタートアップ戦略「Global Innovation with STARTUPS」の更なる推進を図るため、新規事業であるスタートアップによる事業提案制度及び現場対話型スタートアップ協働プロジェクトなどの取組を通じ、官民協働の実践を進めます。
    現場対話型スタートアップ協働プロジェクトでは、都政現場の課題(10件)について、各現場との対話を希望するスタートアップを公募し、現場との対話・ディスカッションを進めています。
  • Tokyo Innovation Base(TIB)で、国内外のスタートアップ関係者が一堂に会し、TIBの理念や取組を広く発信するプレオープンイベント(11月27日)を開催します。
スタートアップ戦略の推進に関する情報は、スタートアップ・国際金融都市戦略室のホームページで随時発信していきますので、ぜひご注目ください。

(2)UPGRADE with TOKYO ピッチイベント 

多様な行政課題の解決に向けて、ピッチイベントを開催していきます。

  • 第31回(10月3日開催) 
    テーマ:子供から大人までが気軽にクリエイティブを体験できるコンテンツ
  • 第32回(10月20日開催)
    テーマ:外濠の水辺再生事業や関連する歴史文化を体験できるコンテンツ
  • 第33回(10月25日開催)
    テーマ:千代田区における「区内回遊促進のための先進技術の活用」
ピッチイベントについては、開催が決まり次第、UPGRADE with TOKYOのホームページに応募方法や観覧方法など詳細を掲載しますので、ぜひご注目ください。(過去に実施したイベントの様子も公開しています)

(3)キングサーモンプロジェクト

キングサーモンプロジェクトに関する情報は、キングサーモンプロジェクトのホームページで随時発信していきますので、ぜひご注目ください。

2.GovTech東京

新団体“GovTech東京”と都が協働し、オール東京でDX推進を加速していきます。

進捗状況(2023年7~9月)

一般財団法人GovTech東京を設立(7月24日)

区市町村を含めた東京全体のDXを推進するため、7月24日に一財財団法人GovTech東京を設立しました。

② 採用イベントを開催(7月26日)

スターティングメンバーの募集に際して、GovTech東京についてもっと多くの方々に知っていただくために、採用イベント“GovTech東京 Career Meetup”を開催しました。

GovTech東京のホームページへのリンク
↑GovTech東京のホームページ
採用イベントのアーカイブ動画へのリンク
↑採用イベントのアーカイブ動画

GovTech東京事業を開始(9月1日)

GovTech東京は、9月1日から事業を開始しました。
9月11日には、東京DXネクストステージキックオフイベント」を東京都デジタルサービス局と合同で開催し、小池知事から、2030年代を見据えた新たなステージで都が目指す東京のDX の将来像を提示する「東京デジタル2030ビジョン」の公表があり、宮坂理事長(副知事)から当ビジョンの実現も見据えた、GovTech東京の今後の事業展開等の発表がありました。
また、区長会会長、市長会副会長、町村長会会長ら、区市町村の代表をゲストに、GovTech東京に期待すること等についてトークセッションを行いました。

東京DXネクストステージキックオフイベントのイメージ
東京都から「東京デジタル2030ビジョン」を公表
東京DXネクストステージキックオフイベントのイメージ
区市町村の代表を交えたトークセッション

④ 第1回CIO協議会を開催しました(9月1日)

GovTech東京の事業開始に合わせて、これまでのCIOフォーラムをCIO協議会に改組の上、開催しました。

今後の取組(2023年10~12月)

事業の展開

「情報技術で行政の今を変える、首都の未来を変える」をビジョンに掲げ、6つの事業(都庁各局DX、区市町村DX、デジタル基盤強化・共通化、デジタル人材確保・育成、データ利活用推進、官民共創・新サービス創出)の本格化に向けて、取り組んでいきます。

CIO協議会の開催準備

次回(第2回)の協議会開催に向けて、準備を進めていきます。

3.都民参加のオープンイノベーション

事業を企画する段階から都民に参画してもらい、より良い政策づくり・サービスづくりを行うため、デジタルを活用した都民との双方向コミュニケーションを進めます。また、ハッカソンや共創コミュニティを通じて地域課題の解決策を生み出し、実装につなげていきます。

進捗状況(2023年7~9月)

(1)デジタルを活用した双方向コミュニケーション  

西新宿において、市民や企業等がデジタル技術を活用してまちづくりに参加できる機会を創出します。また、学生ならではのアイデアを取り入れて、西新宿の課題解決やまちづくりを加速化します。

① 学生とのコミュニティ強化

学生を対象にデジタルの力を活用して街の課題解決に取り組む人材を育成するため、西新宿をフィールドとした「デジタル社会人材育成プログラム」を開催しています。

デジタル社会人材育成プログラムのスケジュール

デジタルの力を活用した街の課題解決をテーマに、1回180分程度×全5回のデジタル講座をオンラインで開催しました。また、グループごとに街の課題を深掘りするためのフィールドワークや、街の課題解決に関する企画書作成を行いました。
最終日には、本講座で取り組んだ「街の課題を解決する企画」をグループごとに発表していただきました。

② 新たなデジタル技術を活用した市民参加のワークショップの開催及び投票を実施

西新宿の生活者が、まちづくりをシミュレーションできる最先端ツール「シン・デジタルツイン」を自ら操作し「3Dモデル」を作成するワークショップを7月5日に開催しました。
ワークショップで作成した「3Dモデル」について好みを問う投票(西新宿に「あったらいいな」空間投票)を、西新宿の生活者が参加するLINEコミュニティを活用して行いました。

3Dモデルのイメージ
「“人に”、 “ペットに”、 “まちに” 、優しい空間」の3Dモデルを、10月のイベントで実現

(2)都知事杯オープンデータ・ハッカソン2023 

都知事杯Open Data Hackathonのロゴ

東京都オープンデータカタログサイトに掲載されているオープンデータを活用し、官民協働で行政課題の解決に向けたデジタルサービスを企画・開発するイベントです。

参加者の公募(募集期間6月1日~7月21日)

東京都のオープンデータを活⽤したサービス開発もしくはアイデア提案を目指す方を対象に参加者を募集しました。ハッカソンの魅力をより多くの方に知っていただくため募集イベントを開催するなど広報活動を行った結果、約660名のエントリーがありました。

② プログラム開発(アイデアソン・ハッカソン)の実施

エントリーしてくださった方々を対象に、専門講師による「まちづくり」や「子育て」などテーマに沿った講演などから発想を得て、ディスカッションを行うとともに、プロトタイプ開発に向けたチーム組成を行うアイデアソンを計4回実施しました。また、8月26日、27日の2日間に渡り、9月10日のプレゼン大会(First Stage)に向けたプログラム開発(ハッカソン)を行いました。

③ プレゼン大会(First Stage)の開催(9月10日)

提案者によるプレゼン大会(First Stage)を実施し、72件の提案からFinal Stageに進出する18作品(サービス開発を行う「社会実装部門」15作品、オープンデータの活用アイデアを幅広く募る「アイデア提案部門」3作品)を選定しました。

(3)シビックテックとの共創 

オープンソースソフトウェア(OSS)の活用を通じたシビックテックと行政の共創推進や官民共創デジタルプラットフォームの普及啓発を図るイベント「Tokyo OSS Party!!」の、今年度開催に向けた準備を進めました。

今後の取組(2023年10~12月)

(1)デジタルを活用した双方向コミュニケーション  

① 学生とのコミュニティ強化

デジタル講座に参加した方々を対象に、インターンやアイディアコンテストを実施する予定です。(詳細は、特設サイトをご覧ください)

② 新たなデジタル技術を活用した市民参加の仕組み検討

西新宿の生活者より意見募集を行い、ワークショップで市民とともに作成した3Dモデルの空間イメージを、西新宿で開催するスマートシティフェスタにて実現しました。

(2)都知事杯オープンデータ・ハッカソン2023  

10月22日に、最終審査を行うFinal Stageを開催しました。(詳細は、特設サイトをご覧ください)
今後はFinal Stageに進出した社会実装部門15チームに対し、年度末までサービスの実装に向けて支援(デザインや使い勝手の良い機能のアドバイス、プログラムの構築等)を実施します。

(3)シビックテックとの共創

区市町村へのヒアリングなどを通じて課題の堀り起こしを進めるとともに、Tokyo OSS Party!!の開催に向けて準備を進めます。