本プロジェクトでは、協働に取り組むフィールドの大幅な拡大、先進的・効果的な民のソリューションの展開、デジタル技術を活用した市民や企業の参加の場の創出等を通じて、都政のあらゆる分野でオープンイノベーションを実践していきます。
1.スタートアップとの協働
スタートアップ戦略「Global Innovation with STARTUPS」の更なる推進に向けて、都庁内で局横断的に編成されたワンチーム“Team Tokyo Innovation”が、スタートアップと共に社会の変革と成長を生み出すための取組を展開しています。
進捗状況(2025年1~3月)
(1) スタートアップ戦略の推進

スタートアップとの協働を進めるためには、スタートアップの成長や活動を支援し、スタートアップとの交流機会を創出していくことが重要です。
① TIB Global Day 2025 winterを開催(1月30日)
都は、「Tokyo Innovation Base」(以下、「TIB」)を”NODE”(結節点)として国内外の様々なプレイヤーを結び付け、イノベーションを生み出す活動を進めています。5月に開催する「SusHi Tech Tokyo 2025」を視野に、TIBのグローバルな取組を世界に発信するイベントを開催しました。
■ Discover the Highlights of SusHi Tech Tokyo 2025
小池都知事が登壇し、SusHi Tech Tokyo 2025 の注目コンテンツを発表しました。
「AI(人工知能)」、「Quantum(量子)」および「Food Tech(食)」の3つのテーマにフォーカスし、出展スタートアップ500社、商談件数5,000件、参加者は50,000人を目指すことなどが伝えられました。

■ TIB PITCH Global
TIB がファーストカスタマーとなるピッチコンテスト「TIB PITCH」を初めて英語で実施しました。


■ TIB CATAPULT トークセッション
国内外の様々なインダストリーやテクノロジー領域で、スタートアップとの協働・連携の秘訣をTIB CATAPULTの参画事業者が語りました。


■ キングサーモンプロジェクト 成果報告セッション
SusHi Tech Tokyo 2024に参加した海外都市(ヘルシンキ、ナイロビ)との協働プロジェクトに取り組むスタートアップ等が「キングサーモンプロジェクト」で得た成果を発表しました。

■ ネットワーキング
イベントの登壇者やSUだけでなく、SusHi Tech Tokyo 2025 の出展予定国の大使館やパートナー企業なども参加して交流を行いました。

②ファーストカスタマー・アライアンス キックオフイベント(3月21日)
都は、入札によることなく製品等の調達が可能となる政策目的随意契約制度を活用し、全国の自治体と共に、スタートアップの製品等の公共調達促進を目的とした「東京都ファーストカスタマー・アライアンス|Tokyo Firstcustomer Alliance」事業に取り組んでいます。
この度、本事業に賛同いただける自治体の参画が決定したため、キックオフイベントを開催し、参画自治体の紹介や制度の全体像の説明などを行いました。
参画自治体(9自治体):豊橋市、堺市、福岡市、文京区、墨田区、大田区、渋谷区、八王子市、東京都

「公共調達サポート窓口」まで、お気軽にご相談ください
スタートアップの皆様からの公共調達に関する各種相談を受け付けており、「スタートアップによる事業提案制度」や、「優れた技術・製品等を有するスタートアップに係る等級によらない入札参加制度」、「都の入札参加資格登録に関する相談・支援」など、多様なファーストカスタマーの取組をご案内しています。
③TIBプレミアムメンタリング 第2回を実施(2月20日)
都は、トップクラスの経営者や先輩起業家等にご協力いただき、将来有望なスタートアップに個別メンタリングの機会をTIBで提供する「TIBプレミアムメンタリング」の第2回を実施しました。


④TIB EmpowerHER WEEKを開催(3月5日~11日)
都は、3月8日の国際女性デーの前後にわたる1週間を「TIB EmpowerHER WEEK」として位置づけ、スタートアップ支援に関わる様々なプレイヤーがTIBに集まり、スタートアップ・エコシステムのDEI(Diversity 多様性、Equity 公平性、Inclusion 包摂性)について議論するセッションや交流会などを集中して開催しました。


⑤TIB PITCH (第10回 2月21日)
「TIB PITCH」は、多様な人々が繋がり、革新的なアイデアやテクノロジーで社会を前進させる挑戦者を応援するピッチイベントです。第10回TIB PITCHでは、SHOPコースと試験導入コースの2部制で開催し、計20社のスタートアップが登壇しました。試験導入コースの採択企業には、TIBでの試験導入に加えて、品川区スタートアップ・エコシステムと連携し、品川区の地域特性に合わせた行政・企業のマッチングフォローアップ機会を提供しました。


(2) 現場対話型スタートアップ協働プロジェクト

都政現場が抱える多種多様な課題について、優れた技術を有するスタートアップと現場をマッチングして協働プロジェクトを組成し、対話を重ねながら解決を図っていく取組を行いました。
都の現場において、様々なスタートアップとの協働プロジェクトに取り組み、いずれもプロジェクトの成果を上げることができました。プロジェクトの詳細はコチラをご覧ください。
(3) キングサーモンプロジェクト

スタートアップのプロダクトやサービスの都政現場等での実証からグローバル市場へ向けたサポートまで、スタートアップが大きく成長するための支援を行っています。
この度、第5期先行導入プロジェクトの第3弾および第4弾となるスタートアップを合わせて6社採択しました。

(4) UPGRADE with TOKYOピッチイベント

都政課題の解決に向けて、これまでにない製品・サービスを提供するスタートアップによるピッチイベントを開催し、スタートアップが行政機関、VCや企業等と交流する場を創出することにより、課題の解決とスタートアップの成⾧を後押ししています。
① ピッチイベントを開催(第46回、第47回)
第46回(1月9日)
テーマ:「デジタル技術等を活用した次世代の福祉人材の確保」(詳細:note )
優勝社: 株式会社Blueberry
提案内容:『「デジタルでつなぐ福祉と未来への架け橋」段階的なアプローチによるキャリア教育プログラムのご提案』
第47回(3月24日)
テーマ:「中小企業の再エネ電力調達促進に向けた支援サービスの構築」(詳細:note )
優勝社: 株式会社タンソーマンGX
提案内容:「中小企業の「CO2算定~資金調達~再エネ導入」を実現するプラットフォームの構築」
② 令和6年度 成果報告会を開催(1月22日)
これまで実施したピッチイベントや行政職員向けセミナーに関する成果報告、過年度受賞企業によるショートピッチ、推進中の協働プロジェクトのパネルディカッションを実施しました。


③ 提案製品・サービスを活用した協働の実現
これまでのピッチイベントで優勝したスタートアップが都や区市町村と協定を締結し、提案した製品・サービスを活用して協働プロジェクトを実現しています。
2025年1~3月に実現した協働プロジェクト:4件


今後の取組(2025年4~6月)
(1) スタートアップ戦略の推進
- スタートアップ戦略「Global Innovation with STARTUPS」の更なる推進を図るため、TIBにおけるスタートアップ支援を通じたイノベーション創出の実践や、ファーストカスタマー・アライアンスなどの官民協働の取組を進めていきます。
- 今年で3回目となるスタートアップカンファレンス「SusHi Tech Tokyo 2025」を、5月8日、9日(ビジネスデイ)、5月10日(パブリックデイ)に東京ビッグサイトで開催します。
スタートアップ戦略の推進に関する情報は、スタートアップ戦略推進本部のホームページで随時発信していきますので、ぜひご注目ください。
(2) 現場対話型スタートアップ協働促進プロジェクト
2025年度も、スタートアップとの協働機運を高めるため、年間20件程度の協働プロジェクトの組成に向け準備を進めます。
現場対話型スタートアップ協働プロジェクトに関する情報は、ホームページで随時発信していきますので、ぜひご注目ください。
(3) キングサーモンプロジェクト
2024年度に採択されたプロジェクトについて、海外展開に向けた戦略策定や、海外展示会への参加・出展等の支援を引き続き行います。
キングサーモンプロジェクトに関する情報は、ホームページで随時発信していきますので、ぜひご注目ください。
(4) UPGRADE with TOKYO ピッチイベント
多様な行政課題の解決に向けて、ピッチイベントを開催していきます。
イベントの模様は東京都産業労働局チャンネル(YouTube)でライブ配信いたします。
是非、ご覧ください。(過去に実施したイベントの様子も公開しています)
ピッチイベントについては、開催が決まり次第、UPGRADE with TOKYOのホームページに応募方法や観覧方法など詳細を掲載しますので、ぜひご注目ください。(過去に実施したイベントの様子も公開しています)
2.GovTech東京
“GovTech東京”と都が協働し、オール東京でDX推進を加速していきます。

進捗状況(2025年1~3月)
① 「こどもDXプロジェクト」の進捗状況
東京都は、GovTech東京と協働して、デジタルとの親和性が高い「子育て世代」への支援を実現するため、「こどもDX」プロジェクトに取り組んでいます。
「保活ワンストップ」プロジェクトで構築した保活情報連携基盤において、3月7日にポータルサイトを新たに公開しました。
参考情報
保活ワンストッププロジェクトについては、GovTech東京のnoteでも紹介しています。
DXで負担軽減!保育園探しから入所申請まで、「保活ワンストップ」プロジェクト

プロジェクト詳細は、下記からご確認ください。
https://www.govtechtokyo.or.jp/services/kodomo-dx/hokatsu/
②東京都公式アプリ「東京アプリ」をリリースしました
東京都は、東京都公式アプリ(以下「東京アプリ」)を2025年2月17日にリリースしました。まずは社会的意義のある活動参加の促進のためのポイント付与・交換など一部機能からスタートし、将来的に様々な行政手続きやサービスの利用申請も行えるアプリへと発展させ、都民の利便性向上を目指します。
東京アプリにおいては、東京都が全体戦略・政策面を担い、GovTech東京は技術面(プロダクト設計、構築、UIUXデザイン等)を担っています。GovTech東京は、東京アプリのプロダクトマネジメントを行いながら今後も段階的な機能拡充をしていく予定です。
東京都公式アプリ(東京アプリ)概要
URL:https://www.tokyoapp.metro.tokyo.lg.jp/
アプリ画面イメージ:

サービス詳細は、東京都デジタルサービス局からのプレスリリースをご覧ください
https://www.metro.tokyo.lg.jp/tosei/hodohappyo/press/2025/02/17/02.html
今後の取組(2025年4~6月)
「情報技術で行政の今を変える、首都から未来を変える」をビジョンに掲げ、5つの取組(便利で快適さを実感できる都政サービスに向けた取組、便利で快適さを実感できる区市町村サービスに向けた取組、多様な主体との共創によるイノベーション、最適な情報技術基盤に向けた取組、持続可能な経営基盤に向けた取組)を推進していきます。
3.都民参加のオープンイノベーション
シビックテックとの共創により地域課題の解決策を生み出し、実装につなげていきます。
また、事業を企画する段階から都民に参画してもらい、より良い政策づくり・サービスづくりを行うため、デジタルを活用した都民との双方向コミュニケーションを進めます。
進捗状況(2025年1~3月)
(1) 都知事杯オープンデータ・ハッカソン

東京都オープンデータカタログサイトに掲載されているオープンデータを活用し、官民協働で行政課題の解決に向けたデジタルサービスを企画・開発するイベントです。
Demo Day(成果発表会)開催(3月15日)
2024年10月に実施したFinal Stageに出場後、オープンデータを活用して行政課題の解決や都民生活に役立つサービスのリリースに向けて開発を進めてきた各チームによる成果発表会(Demo Day)を開催しました。


(2) デジタルを活用した双方向コミュニケーション
① 新たなデジタル技術を活用した市民参加の仕組み検討
■ SMARTCITY × TOKYO -2025 SPRING MEETING で取組を紹介(2月4日)
都では、スマートシティへの関心を高めるため、「SMARTCITY × TOKYO(スマートシティ・クロス・トウキョウ)」を開催しています。本イベントで、西新宿スマートシティの取組について紹介しました。


② 学生とのコミュニティ強化
学生を対象にデジタルの力を活用して社会課題の解決に取り組む人材を育成するため、西新宿をフィールドとした「デジタル社会人材育成プログラム」を開催しました。(詳細はコチラをご覧ください)

2月にアイディアコンテストの二次審査を実施しました。一次審査を通過した5グループが作成したプロトタイプでプレゼンテーションを行い、審査員による審査の結果、オールインわんわんチームの「新宿の地下通路を活用したリアル間違い探しゲーム」が最優秀賞に輝きました。


今後の取組(2025年4~6月)
(1)都知事杯オープンデータ・ハッカソン
今年度も「都知事杯オープンデータ・ハッカソン」をさらに規模を拡大して開催し、都・区市町村とシビックテックの方々との共創を更に推進していきます。
(2)デジタルを活用した双方向コミュニケーション
西新宿において、デジタル技術を活用し市民や企業等がまちづくりに参加できる機会や場の検討を進めていきます。