進捗状況(2025年1~3月):都庁のワークスタイル変革プロジェクト

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 都庁のワークスタイル変革プロジェクトでは、都庁本庁舎での未来型オフィス整備、デジタルツールを活用した事業所の業務改革、システム基盤のクラウド化等の取組を通じて、場所や時間を柔軟に活用した質の高い働き方への転換を目指していきます。

目次
1  都庁本庁舎
 (1)未来型オフィスの整備
 (2)未来型オフィスを支える新しいツールの導入
2 事業所
3 システム基盤のクラウド環境への転換
4 場所にとらわれない柔軟な働き方の推進

1 都庁本庁舎

進捗状況(2025年1~3月)

 都庁本庁舎では、2023年度までの過去4年間で計63部門の未来型オフィス整備を実施しました。2024年度は更に加速させ、33部門の整備を実施しています。

                                 ※ 2024年12月現在

(1) 未来型オフィスの整備

① 2023年度に整備した部門のバージョンアップ

 2023年度に未来型オフィスへ整備した部門で調達手続きを進めていたソリューションを実装し、未来型オフィスのバージョンアップを図りました。

② 未来型オフィス整備の拡大

 2024年度は、3期から6期にかけて整備を行うとともに、2025年度に整備を予定している7期及び8期の検討を開始しました。
 第4四半期は、6期の整備を実施するとともに、7期及び8期の「レイアウト検討・各種契約準備」を進めました。

年度スケジュール_cp1

                              ※ 一部のフロアのみ整備

整備後のオフィス紹介【6期】

〇保健医療局
都立病院支援部

 「来れば、分かる。来たら、変わる。」をコンセプトに、職員も外部の人も来たくなる職場を目指して整備しました。中間什器を全て撤去し、空間にゆとりを持たせることで、リラックスしてコミュニケーションが取れるソファ席、個人での作業に集中できるスペース等を設置して、業務に応じて執務場所を選択できる環境を実現しました。

医療政策部

 「集中できる環境整備」「デスクにとらわれない働き方」をコンセプトに整備しました。打合せブースを防音パネルで囲い、集中してWeb会議等を行える環境を整備するとともに、デスク以外でも業務を行えるよう、ミーティングスペース等を設置し、デスクにとらわれずに働ける環境を目指しました。

〇福祉局
高齢者施策推進部

 「みんなでつくろう!イケてるメリハリオフィス」をコンセプトに整備し、コミュニケーションを活発にするための打合せスペースや、作業に没頭するための集中ブース等を設置し、業務内容に応じて場所を選択しメリハリのある働き方ができる環境を整えました。
 また、カーペットや椅子等にカラフルな配色を取り入れ、明るい空間を演出しています。

〇港湾局
港湾整備部

 「調和(ハーモニー):個人と組織の両面を調和できる職場」をコンセプトに整備し、個人の能力が効率的に発揮できる「集中スペース」と、組織として機能的にリモート等DXにも活用できる「打合せスペース」を多く設置しました。
 また、東京港をモチーフにコの字型の執務室を三つの航路に見たてた青色のカーペットでつなぎ、フロア全体で一体感のあるレイアウトにしました。

港湾経営部

 「30年後の自分たちへ ~オフィス再編~」をコンセプトに整備し、コミュニケーションを活発にするために、離れていた執務スペースをまとめるとともに、大小様々な打合せスペースを設けました。
 また、東京港を舞台に業務をする港湾経営部として、一部のカーペットの色は海を想起する青をベースに、落ち着いた雰囲気にしました。

〇中央卸売市場
管理部・事業部

 中央卸売市場の現場を支えるため、業務内容や状況に応じた柔軟で弾力的な働き方を可能とする職場を目指して整備を実施しました。
 整備に当たっては、多種多様な打合せスペースや高集中ワークスペースを設置するとともに、文房具、複合機等を一か所に集約することで、執務室の機能性を大幅に向上させました。

〇教育庁
人事部

 「仕事のフェーズにあわせて、チームをコラボレートしよう」をコンセプトに整備し、人数に合わせて組み替え可能であり、かつ、部署を超えた連携しやすい打合せスペースを充実させました。   
 また、教員免許窓口の視認性を高め、導線を意識してエリアを設けました。

福利厚生部

 「信頼で支え合うフレキシブルなワンチーム」をコンセプトに、部全体で機能的に業務ができるよう、セッションワークプレイスとコミュニケーションスペース等のバランスを重視し整備しました。
 プライバシーに配慮した来庁者応対用受付カウンターや、大人数の打合せや作業ができるスペースを配置し、様々な場面に対応できるオフィスとしました。

〇産業労働局
金融部

 中小企業者等と職員をつなぐ結節点として、オフィスを機能させることを目指し、「Finance Node-金融の未来を創る結節点-」をコンセプトに整備しました。
 中小企業者等が安心して相談できる窓口を整備するとともに、職員の交流を活性化できるコミュニケーションスペース等も確保をし、目的別に応じた環境を整えました。

産業・エネルギー政策部

 「職場に来たくなる」オフィスを目指して整備を進め、職員それぞれのワークスタイルに応える執務環境を用意しました。チームで集まって打合せと業務を行えるテーブルや、「立って」仕事ができるデスクなどを導入しています。
 また、事業者と打合せを行う頻度が高いことから、ゾーニングを見直し、執務エリアの外側に打合せスペースを配置しました。

レイアウト検討・各種契約準備【7期・8期】

 7期に続き、8期整備部門についてもレイアウトが確定し、2025年度のオフィス整備に向けた契約準備等を進めています。

(2) 未来型オフィスを支える新しいツールの導入  

 未来型オフィス15フロアへのスマートフォン用Wi-Fiネットワーク機器の設置作業とインターネット通信回線の強化を実施しました。
 2025年度に更新時期を迎える、主に学校に配付予定のコンバーチブルタイプ端末の調達に向けた準備を進めました。

今後の取組 (2025年4~6月)

  • 2024年度に整備した部門でのオフィスのバージョンアップに向け、検討を開始します。
  • 2025年度の整備を円滑に進められるよう整備に向けた準備を進めます。
  • 9期整備部門のオフィスレイアウト確定に向けたヒアリング等を開始します。
  • 2025年度に未来型オフィスに移行予定の8フロアへのスマートフォン用Wi-Fi機器の調達手続に着手します。
  • 2025年度に更新する、主に学校に配付予定のコンバーチブルタイプ端末の調達手続を進めます。

2 事業所

進捗状況(2025年1~3月)

◆サービス最前線の事業所で、QOSの向上を目指した業務改革にチャレンジ!

 東京都では、場所や時間を有効に活用した質の高い働き方への転換に向けて、すべての事業所でデジタルツールを活用した業務改革にチャレンジしていきます。サービス最前線の事業所で業務の生産性とQOSの向上を目指して、各職場が主体となった自律的な業務改革スタイルを確立し、現場と協働して業務改革に取り組んでいきます。
 先行事業所で業務改善の好事例を創出することに加え、これまでの各現場のチャレンジを幅広く紹介することで横展開し、業務改善の輪を広げていきます。

◆取組紹介:大島支庁(総務局)

 大島支庁では、職員住宅の調整等に利用する、支庁へ赴任する職員の情報の収集・管理業務にWebフォーム及びクラウドDBを導入し、情報の集約作業の業務負荷を軽減しました。
 これまでは、支庁へ赴任する職員が、Word又はExcelに必要な情報を記載の上、支庁へ提出していました。支庁では各職員より提出された情報を別途Excelに集約する必要があり、作業に時間を要していました。
 そこで、大島支庁では赴任職員の情報の収集を特定のWebフォームに統一し、その情報をクラウドDBに自動連携する仕組みを構築しました。これにより、各赴任職員がWebフォームに入力した情報は自動でクラウドDBに連携されるため、複数ファイルの管理作業および集約作業が不要となり、業務負荷が軽減されました。 
 また、クラウドDBに集約された情報を元に、職員住宅と赴任職員を紐付け、赴任後の住宅に関する問い合わせの管理等にも活用しています。

【取組前後のイメージ図】

業務の流れ

 この取組は、2024年度において大島支庁で先行導入し、2025年度に他の支庁へも展開することを予定しています。

今後の取組(2025年4~6月)

  • 各職場が主体となった自律的な業務改革スタイルの確立を目指し、先行事業所とデジタルサービス局との意見交換を通じて、課題の洗い出しやデジタルツール等の解決策提案、技術フォローなどの協働を一層強化します。
  • 2025年度中に約600の全事業所でデジタルを活用したワークスタイル改革の実践に向けて、各局・各事業所と協働しながら、引き続き好事例の創出とその横展開を進めていきます。

3 システム基盤のクラウド環境への転換

進捗状況(2025年1~3月)

(1)都庁のデジタル環境の強化

 TAIMS更改(STEP3)で構築した新環境への移行作業を完了させ、本番運用を開始しました。

(2)都庁の業務システムのクラウドベースへの転換

 クラウドインフラの詳細設計が完了し、構築作業を開始するとともに、運用フロー設計も実施しました。ネットワーク部分については、構築が完了しました。
 また、クラウド転換予定の各局業務システムに対して、仕様書作成支援など技術面での伴走支援を引き続き実施しました。

(3)共通デジタルツール・プラットフォームの提供

  • ノーコード・ローコード開発ツールについては、より活用を進めるため、講習会の実施回数を増加することとし、新年度に向けた講習会の準備を行いました。
  • 統合ID管理ツールについては、設計・構築を進め、全庁安否確認サービスへの導入を行いました。
  • 共有ファイルストレージについては、移行計画に基づき7部署の移行作業を全て完了しました。また、2025年度第1四半期に移行する部署への調査を実施し、次年度のスムーズな移行実施に向けて該当部署を対象とした説明会を開催するなど準備を進めました。
  • 生成AIについては、引き続きメールマガジンによる周知を行うとともに、更なる生産性向上のための生成AIツールの先行導入を開始しました。また、特定行政分野のデータを用いた文章生成AI環境の改善を進めました。

今後の取組 (2025年4~6月)

(1)都庁のデジタル環境の強化

 TAIMS更改(STEP3)で構築した新環境の安定運用を図っていきます。

(2)都庁の業務システムのクラウドベースへの転換

 クラウドインフラの構築を進めるとともに、ネットワーク部分の試行的な運用を開始します。
 また、引き続き関係各局への技術支援を伴走型で実施していきます。

(3)共通デジタルツール・プラットフォームの提供

  • ノーコード・ローコード開発ツールについては、講習会を実施します。より活用を進めるために講習会の内容改善及び対象人数の拡大を図ります。
  • 統合ID管理ツールについては、導入したツールの安定運用を図っていきます。
  • 共有ファイルストレージについては、第1四半期対象部署の移行作業を進めていくと同時に、第2四半期以降の対象部署と、フォルダ構成やアクセス権限設定等の確認を順次実施します。
  • 生成AIツールについては、利用促進のための講習会を開始するとともに、効果検証を行いながら段階的な導入を進めます。また、特定行政分野について、GovTech東京が構築・提供する生成AIプラットフォームを活用した生成AIアプリケーションの開発・検証を開始します。

4 場所にとらわれない柔軟な働き方の推進

進捗状況(2025年1~3月)

  • テレワークに関する職員満足度調査結果の分析等を参考に、職員がよりテレワークを適切に利用できるよう、テレワークQ&Aを見直しました。
  • シン・トセイXにおいて、時間と場所にとらわれない働き方である「都庁版ABW」を推進していくこととし、その取組の一つにテレワークを位置づけました。
都庁版ABW

今後の取組 (2025年4~6月)

  • 2025年度に、テレワークについて総合的に満足・やや満足と回答する職員を80%以上とする目標の達成に向け、テレワークに関する職員満足度調査の分析結果や課題を踏まえ、満足度向上に向けた取組の検討を進めていきます。