進捗状況 (2024年7~9月)
先進技術を活用した東京型スマート農業の研究
(取組状況)
「統合環境制御システムの低コスト化」
東京フューチャーアグリシステムの環境制御装置の低コスト化を図り、トマト栽培で検証しました。
農総研では東京の農業向けに太陽光利用型の小規模植物工場「東京フューチャーアグリシステム(TFAS)」を開発し、TFASによりトマト・キュウリ・パプリカで高収量生産ができることを実証してきました。TFASは小規模植物工場としては安価なものとして開発されましたが、普及を促進するためには更なるコストダウンが求められております。その結果を報告しました。
https://www.tokyo-aff.or.jp/uploaded/attachment/12674.pdf
林業の生産性を向上
(取組状況)
林業の現場に先進技術を活用した林業機械を導入しています。
急傾斜地、山間部、林床等作業環境への適応に優れたスイス製の4輪多関節型作業機械です。
油圧駆動の脚は独立制御が可能で、複雑な地形でも安定した姿勢を確保して安全に作業が進められ、アームの先端にハーベスタヘッドを装着することで、立木の伐倒、枝払い、玉切りの各作業と玉切りした材の集積作業を一貫して行うことができます。
4輪多関節型機械は高い機動力が評価されて、災害現場での支援活動に利用されています。
内水面養殖業への先進技術の導入
(取組状況)
内水面養殖業は、養魚飼料の高騰や従事者の高齢化・後継者不足等により、厳しい経営となっており、コスト削減と作業の軽減が求められています。このため、奥多摩さかな養殖センターにスマート機器を試験導入し、その効果を検証したうえで、有望な機器について都内養殖業者への技術移転を行い、経営の安定化を図ります。
2024年度は、AI搭載型自動給餌機の実証実験と飼育環境コントロールシステム等の設置に向けた設計を開始しました。AI搭載型自動給餌機は実証実験中にプログラムの問題が見つかり、実証実験を中断して原因究明を行っています。
(イメージ)
今後の取組(2024年10~12月)
先進技術を活用した東京型スマート農業の研究
【目標】累計11研究成果の発表(2025)
(今後の予定)
課題化した研究開発を進め、成果を順次発表していきます。
・都内生産者の情報共有基盤の整備(病害虫発生状況等)
・庭先直売所経営管理システムによるマーケティング手法の構築 等
また、スマート農業の技術の現地実装を進めていくために、生産上の課題に応じたオープンラボを生産現場に開設し、現場での課題解決を進めていきます。
林業の生産性を向上
【目標】最先端林業機械等を累計6台導入(2025)
(今後の予定)
導入した機械による実証を進めるとともに、新たに林業機械を選定し、現場での活用を進めていきます。
内水面養殖業への先進技術の導入
【目標】検証試験、成果発表
(今後の予定)
AI搭載型自動給餌機のプログラムについて、不良の原因を特定し改良を実施します。また、飼育環境コントロールシステム等の設計は継続して行います。