進捗状況(2022年4~6月):未来型オフィス実現プロジェクト

未来型オフィス実現プロジェクト2022年度第1四半期進捗報告アイキャッチ画像_cp1

  未来型オフィス実現プロジェクトでは、「自分たちのオフィスは自分たちで作る」を合言葉に、新しい働き方を支える未来型オフィスの全庁展開に向けて取り組んでいます。

 都庁本庁舎では、職員がスピーディーで生産性の高い働き方を実践するため、柔軟で自由に働ける未来型オフィスの整備を進めており、これまでに8部門を整備しました。
 2022年度は、これら8部門での検証・バージョンアップを行うとともに、新たに17部門(当初の計画より2部門増)で整備を進めます。
 また、2025年度までの全庁展開に向けた整備方針・マニュアルを作成していきます。

 都民サービスの最前線である事業所においても、デジタルツールの導入などにより、都民サービスの向上と職員の生産性向上を図るため、事業所のデジタル化を推進しています。
 2020年度から保健所と都税事務所で先行的に取り組み、その成果を全庁で共有したうえで、2022年度より対象を全局等の事業所に拡大し、それぞれの事業所の業務特性に応じたデジタル機器の導入やオフィス改革を進めていきます。

本庁舎・事業所の展開方針

目次
1 都庁本庁舎
(1) 2021年度までに整備した8か所の状況
(2) 2022年度未来型オフィスの拡大 ~新たに17部門整備します~
(3) 未来型オフィスの新しい働き方を支える庁内システム基盤
2 事業所
(1) 先行事例での取組状況(保健所都税事務所
(2) 全局への展開

1 都庁本庁舎

進捗状況(2022年4~6月)

(1) 2021年度までに整備した8か所の状況

  2021年度に未来型オフィスを整備した部門の職員に対して、 整備後の状況についてアンケート調査やヒアリングを実施しました。
 オフィスの環境について、未来型オフィスに「満足」又は「おおよそ満足」と回答した職員は、以前のオフィスに 「満足」又は「おおよそ満足」 と回答した職員より20ポイント高い結果になりました。

総じてオフィスの環境に満足していますか?のアンケート結果

 更に詳しく内容を見ていくと、「コミュニケーションスペースの充実」「テレワーク環境の改善」「組織の柔軟性」に関して、以前のオフィスよりも改善したという声が多く聞かれました。

肯定的な評価が増えた主な質問項目

 一方、「職員間のコミュニケーション」「集中環境(音環境)」「セキュリティ」に関しては改善すべきという声が多く聞かれました。

否定的な評価が増えた主な質問項目

 上記の内容についてさらに各部門にヒアリングしたところ、職員間のコミュニケーションの取りづらさは、コミュニケーションツールが使いこなせていなかったり、フリーアドレスで誰がどこに座っているか即座に把握できないことによって生じていることが分かりました。
 これらの課題については、解決する方策の検討を進めています。

【場所にとらわれない柔軟な働き方の推進】

 未来型オフィス実現プロジェクトでは、オフィスの整備に加え、時間や場所を有効に活用できる柔軟な働き方の推進に取り組んでいます。 
 その取組の一環として、必要なときに働ける場所を拡充するため、来型型オフィス導入職場で働く職員を対象に、民間シェアオフィスの利用を2022年6月から開始しました。 

民間シェアオフィスの様子

 今まで自宅でテレワークを行うことが難しく職場に出勤せざるを得なかった職員や、出張先から都度職場に戻っていた職員からは、働く場所の選択肢が増えて柔軟な働き方ができるようになった、という声が聞かれました。  
 また、民間シェアオフィスの利用開始に当たり、テレワークを活用して日々の業務を効率的に進めるためのノウハウをまとめたワークルールを作成しました。今後、実践を通じて、より一層実用的なものに改善していきます。

【節電の取組(HTT)

東京都は、現在、電力需給のひっ迫に対応するため、都民・事業者等と一体になってHTT< H 減らす・ T 創る・ T 蓄める>の取組を進めています。未来型オフィスを整備した第一本庁舎24階デジタルサービス局のフロアでは、フリーアドレスであることをいかして 、人が少なくなる時間帯に執務スペースを集約し、人がいないスペースを消灯することで、フロア内の使用電力の削減に取り組んでいます。

(2) 2022年度未来型オフィスの拡大 ~新たに17部門整備します~

 2022年度に未来型オフィスを整備する部門を選定しました。当初の計画では15部門の予定でしたが、2部門増やし、17部門を整備します。第1期(10月下旬~12月上旬)と第2期(2023年1月中旬~2月下旬)に分けて準備を進めていきます。

17部門の内訳

 第1四半期は、新しい働き方の実現に向けて視野を広げる取組を実施しました。
 庁内の先行整備部門や先進的な働き方に取り組む民間企業のオフィスの視察や、e-Learningにより未来型オフィスで働く上で前提となるABW(Activity Based Working)の考え方の学習に取り組みました。
 これらの取組を踏まえた上で、各部門の業務に即したレイアウト作成に向けて、ワークショップを開催しました。

オフィス視察

先進的な民間企業のオフィス
先進的な民間企業のオフィス
活用されているデジタルツールの紹介
活用されているデジタルツールの紹介

ワークショップ

QOSを高めるために、これからチャレンジすべきことを書き出す
QOSを高めるために、これからチャレンジすべきことを書き出す
各部門の業務内容に応じて、必要な機能を議論する
各部門の業務内容に応じて、必要な機能を議論する

3 未来型オフィスの新しい働き方を支える庁内システム基盤

 2023年1月以降、一部の業務でクラウドサービスが利用できるようTAIMSを機能強化します。
 第1四半期では、詳細設計作業を進めると同時にクラウドサービス活用に必要なライセンスの調達に着手しました。
 また、これらの利用促進を図るため、職員にメールマガジンを発行するとともに、ウェビナー形式による事業説明会を開催しました。

今後の取組(2022年7~9月)

  • 調査によって把握した未来型オフィスの課題に対して、解決のための方策を検討していきます。
  • 今年度整備部門のレイアウトを決定し、オフィス整備に向けた什器調達の契約等を進めます。
  • 職員の生産性を向上するため、複数のタイプの軽量なPCを未来型オフィス職場で検証します。2022年10月以降、デタッチャブルタイプの2 in 1 端末※1を、2023年2月以降、コンバーチブルタイプの2 in1 端末※2を未来型オフィスの一部職場に追加配備するため、調達等を進めます。
    ※1 キーボードを取り外しタブレット型端末として使用することが可能な端末
    ※2 キーボードを裏返しタブレット型端末として使用可能な端末
  • 2022年度末からシステム基盤のグループウェア等についてクラウドサービス活用による機能強化(STEP2)にむけて、詳細設計・環境構築・テストを進めます。

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2 事業所

進捗状況(2022年4~6月)

1 先行事例での取組状況

①保健所のデジタル化

新型コロナウィルス感染症対策の最前線に立つ保健所において、職員が感染症対策業務に一層集中できる環境を実現するため、都保健所に様々なデジタルツールを導入し、業務の効率化や負担軽減を進めています。

ウェアラブル端末による健康観察等

  • 保健所が行う自宅療養者の日々の健康観察や、入院までの患者のフォロー等においてウェアラブル端末を活用し、患者が装着した端末からSpO2(酸素飽和度)の値を電話連絡することなく把握する仕組みを構築し、業務の効率化や患者支援の強化を進めています。(4月より、島しょを除く全ての都保健所(5所)で運用)
ウェアラブル端末を活用した健康観察のイメージ
▲ウェアラブル端末を活用した健康観察のイメージ

電話機能の有効活用による患者調査等の効率化

  • 患者数に比例して業務量が増大する疫学調査や健康観察等へ音声マイニングシステムを導入し、電話音声の自動テキスト化による記録作成の効率化や職員同士の情報共有を進めています。職員からは、「後から振り返って通話内容を確認できるようになった」などの声があがっています。(全ての都保健所(6所)で運用)
音声マイニングにより通話音声を自動でテキスト化
▲音声マイニングにより通話音声を自動でテキスト化

患者対応に係る進捗管理のデータ化

  • 患者対応の進捗状況を一元管理するため、これまでのホワイトボード等に代えてクラウドサービスを活用し、データ化することで、進捗の見える化、対応漏れの防止、同時編集・閲覧による効率化を進めています。導入して間もない状況ですが、「紙書類の捜索が不要となる」「検索機能等により必要な情報に容易にアクセスできる」など、職員の業務効率化に繋がっています。(全ての都保健所(6所)で運用)

保健所職員向けアンケート

  • 本年3月に実施した、今回新たに導入したデジタルツールの利用経験がある保健所職員向けアンケートでは、約70%の職員が、デジタルツールの導入によって、患者支援の強化や職場内の業務改善等、新型コロナウイルス感染症対応業務全体の改善に役立ったと回答しました。

②都税事務所のデジタル化

  • 各都税事務所の職員が自ら考え、ディスプレイ、Web会議サポートツール及び集中ブースなどの業務効率化に最適なツールを選定し、調達に向けた契約手続に着手しました。
  • 一部都税事務所に導入した「ミーティングゾーン」について、事務所の若手職員が自発的に「DX推進委員会」を構成し、「自分たちのオフィスは自分たちで作る」をテーマに、利用ガイドを作成し実証実験を行うなど、効果的な活用方法等について積極的に検討を重ねています。
「ミーティングゾーン(DXフロア)」利用ガイド・実証実験概要
都税事務所職員が作成した
「ミーティングゾーン(DXフロア)」利用ガイド・実証実験概要

(2)全局への展開

事業所DXの進め方
  • クラウドサービスなどの実践的ツールを導入する事業所の拡大に向けて、今年度より業務の見直しやDXを進める「先行事業所」を選定するため、事業所を所管する局等(15局)の構造改革担当者や事業所の現場職員とのヒアリングを実施し、課題の共有等を行いました。
  • また、全局の企画担当者が出席する「スマート東京推進チーム会議」において、昨年度よりDXに取り組んでいる先行事例を紹介しました。会議では現場職員にインタビューを行うなど生の声を伝えることで、各事業所が自分たちの業務の見直しの検討に着手しやすくなるよう後押ししました。

今後の取組(2022年7~9月)

1 先行事例での取組状況

①保健所のデジタル化

  • クラウドサービスを活用した進捗管理ツールについて、保健所職員の要望等を踏まえたシステム改修をアジャイルに進めていきます。
  • 引き続き医療機関等へ積極的なHER-SYSの活用を呼び掛けるとともに、保健所業務の効率化や職員の負担軽減を進めていきます。

②都税事務所のデジタル化

  • ディスプレイ、Web会議サポートツール及び集中ブース等の各ツールについて納品を進め、各都税事務所職員による活用を開始します。
  • 各都税事務所が自主的に結成したDX・未来型オフィスに係るPTでの検討を進め、納品された各ツールを最大限活用し、業務の効率化を図っていきます。

(2) 全局への展開

  • 事業所の業務改革・働き方改革に向けて、各局のヒアリングを踏まえ、先行事業所を選定します。現場が抱える課題を解決し、DXを進めるべく、先行事業所に対して、デジタルサービス局が様々な面から支援していきます。
  • 先行事業所以外でも職場の実情に応じたDX検討に取り組めるよう、改革の好事例を横展開していきます。
  • また、各事業所におけるディスプレイ、Wi-Fi環境等基礎的なデジタルツールの導入状況を把握する調査を実施し、導入による効果測定(職員の満足度やペーパーレスの進捗度)を行っていきます。 

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