進捗状況(2022年10~12月):都政スピードアッププロジェクト

スピード化イメージ

(1)事業執行の迅速化(2)契約・支出関連事務のデジタル化 / (3)契約・会計制度の見直し(4)総務事務センターへの事務の集約及びシステム処理の推進 ]

都政スピードアッププロジェクトでは、 事業の前倒しなど事業執行の迅速化により、都政運営のスピードアップを図ります。加えて、契約・支出に関する新たなシステム構築、デジタル時代にふさわしい契約・会計制度への見直し、手当・旅費等の総務事務センターへの集約拡大、超過勤務命令・集計事務のシステム化等に取り組み、抜本的なBPR とデジタル化で業務の最適化・効率化を図ります。

(1)事業執行の迅速化

  • 事業執行の迅速化については、シン・トセイ2で打ち出し、令和4年度予算では債務負担行為を設定するなど、取組を進めてきました。また、第二回定例会補正予算でも事業着手を早めるため債務負担行為の設定を行う等、予算制度を活用しながら取組を推進しています。
  • さらに、本年4月に制度所管局と事業所管局でPTを設置し、事業執行の迅速化に向けた手法(事業の前倒し・手続の短縮・不測の事態に対処する方策など)を約3か月にわたり検討しました。こうした手法を都庁全体にルールとしてしっかり浸透させるため、予算面に加え契約面等にもスピードアップの取組を拡大し、その手法を「迅速化メニュー」としてシン・トセイ加速化方針2022で整理しています。
 迅速化メニュー一覧
  • 加えて、「迅速化メニュー」の有効な活用に向け、5つの事業類型ごとに「迅速化モデル(第一弾)」を全庁に展開しています。
 迅速化モデル例(社会実装に向けた事業)
迅速化モデルの図

進捗状況 (2022年10~12月)

シン・トセイ加速化方針2022において示した、政策効果を素早く都民に還元するための迅速化メニュー・迅速化モデルを踏まえ、各局で事業の前倒しに取り組んでいます。9月補正予算に引き続き、12月補正予算においても、債務負担行為を活用した事業の前倒しに取り組みました。

また当初予算においても、債務負担行為により事業の前倒しを図ることに加え、事業評価制度にもスピードアップの視点を組み込むなど迅速化を担保する仕組みを構築しました。

加えて、迅速化モデル第二弾として、4つの迅速化メニューを新たに追加します。この追加メニューを事業に応じて迅速化モデルにカスタマイズすることで、迅速化モデルをバージョンアップし、さらなる事業執行の迅速化を図ります。

今後の取組(2023年1~3月)

  • 今後、特に「TOKYO強靭化プロジェクト」をはじめとしたインフラ整備は、これまで以上に事業規模が増加するとともに、施工条件の困難度が高まる見込みであり、設計積算業務の効率化や民間の技術力の活用が求められています。
  • 迅速化メニュー第二弾も契機に、発注までの業務や民間との協働の視点で、事業執行の迅速化をさらに展開します。

(2) 契約・支出関連事務のデジタル化

デジタル化のイメージ

進捗状況 (2022年10~12月)

〇スケジュール

10~12月のスケジュール

〇実施状況

  • 新システムのUI/UXに関し、ユーザー(事業者・職員)の意見をシステム設計に活かすため、モックアップを作成し、画面の見え方やボタンの配置などについて、ユーザーヒアリングを行いました。
    ヒアリングに当たっては、デザインに知見のある外部の専門家も参加しました。
  • システムの事業者認証の仕組みについて、デジタル庁と意見交換を行いました。
  • 具体的な業務の検討を各局と連携しながら実施し、システムの基本設計を完了しました。

    《UI/UX確保に向けたヒアリングの実施》  

今後の取組(2023年1~3月)

〇スケジュール

1~3月のスケジュール

〇取組予定

  • 引き続き、事業者と都が連携しながら、システムの設計・開発を進めます。
  • 基本設計の内容に基づき、システム処理実装を行うための設計作業、システム稼働後を想定した業務運用設計作業、非機能(セキュリティ等)などに関する設計(詳細設計)を実施していきます。

(3) 契約・会計制度の見直し

 現場の声や時代のニーズを検討の起点に、構造改革推進チーム、財務局、会計管理局からなるワーキンググループで制度や仕組みのあり方検討を進めていきます。

必要に応じて法律改正に向けた国への要望を行うなど、デジタル時代にふさわしい契約・会計制度の実現を目指します。

契約・会計制度見直しワーキンググループイメージ

進捗状況 (2022年10~12月)

昨年度策定した実施方針に基づき、下記の事項について取組を進めました。

現場や時代のニーズを起点にした調達に関する改革の実施方針
(画像をクリックすると内容がご覧いただけます) 

  • 予定価格100万円以下の随意契約のうち、一部手続きを簡略化する対象を検討しました。
  • 法人向けブランドデビットカードの利用などキャッシュレス推進に係る周知を10月に行いました。
    また、資金前渡におけるキャッシュレス決済の状況についての調査を11月に行いました。
  • 「シン・トセイ職員ポータルサイトの改修」と「動物愛護相談センター多摩支所の問い合わせ等受理簿のDB化」を、アジャイル型開発で取り組んでいます。
    各局の事業担当の職員が、自ら開発責任者(プロダクトオーナー)となり、開発範囲の設定や、やりたいことを機能に分解し、その実装に向け進行管理を行うなど主体的に開発に携わっています。
    • 「シン・トセイ職員ポータルサイトの改修」では、プロダクトオーナーが、ユーザビリティ改善に向けて1週間毎に出来上がるデザインや機能を確認しながら、エンジニア・デザイナーとともに目指す完成形の意識を合わせて、プロダクトの価値の最大化に努めています。
    • 「動物愛護相談センター多摩支所の問い合わせ等受理簿のDB化」では、プロダクトオーナーが、Wordで管理していたデータをシステムに集積し、効率的に業務を行うという達成目標へ向けて、支所内の職員の意見を取り入れながら、ノーコードツールを使った開発にチャレンジしています。

      《開発の様子》

今後の取組(2023年1~3月)

  • 契約手続の簡略化及び迅速化に向け、予定価格100万円以下の随意契約の意思決定手続きを2回から1回へ省略可能とする要綱改正等を実施します。
  • 3月に各局会計事務連絡会を開催し、その中で現場の実情を踏まえつつパーチェシングカードの導入などキャッシュレス決済の推進に向けた取組の案内を行います。
  • 今後、環境局と教育庁の2案件の開発が、アジャイル型開発の仕組みでキックオフします。
    さらに多くの職員がアジャイル型開発に興味を持ち、取組に参加していただけるよう、来年度以降に向けて、都のアジャイル型開発の仕組みや事例を分かりやすく紹介する「プレイブック」を展開します。

(4) 人事・給与に関する事務を集中化・デジタル化

進捗状況 (2022年10~12月)

◆ 総務事務センターへの事務の集約

  • 10月に全局で年末調整、扶養是正調査、退職手当(定年・勧奨)、雇用保険、届出事項通知に関する事務の集約を新たに開始しました。

◆年末調整、扶養是正調査、退職手当(定年・勧奨)、雇用保険、届出事項通知に関する事務の集約状況(全処理数におけるセンター集約割合)100%(全局集約完了)

※年末調整に関する事務については、毎年各所属担当者の負担になっていましたが、今回、全庁の対象職員(約26,000人分)の年末調整を電子化の上、総務事務センターへ集約したことで、所属担当者の負担を大きく軽減することができました。

◆ システム処理の推進

  • 10月末に年末調整事務の全庁でのシステム運用を開始しました。運用開始に際して、職員向けに事前の機能概要の周知やシステムの操作マニュアルを作成し配布を行いました。また、システムについてのユーザーアンケートを実施しています。
  • 休暇事務・フレックス事務のシステム化では、要件定義で整理した機能の実装に向けて、システム設計・製造を進めています。

今後の取組(2023年1~3月)

◆ 総務事務センターへの事務の集約

  • 1月に全局で赴任旅費に関する事務の集約を新たに開始します。
  • 2月に全局で単身赴任手当、特地勤務手当、標準報酬月額、厚生年金、共済に関する事務の集約を新たに開始します。

◆赴任旅費に関する事務の集約状況(全処理数におけるセンター集約割合)100%(全局集約予定)
◆単身赴任手当、特地勤務手当、標準報酬月額、厚生年金、共済に関する事務の集約状況(同上)100%(全局集約予定)

◆ システム処理の推進

  • ユーザーアンケート等を基に、今年度の運用に係る課題や機能の改善について整理・検討していきます。
  • 休暇事務・フレックス事務のシステム化では、要件定義で整理した機能の実装に向けて、引続きシステム設計・製造を進めています。