進捗状況(2021年4~6月):未来型オフィス実現プロジェクト

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[ 都庁本庁舎 / 保健所 / 都税事務所 / その他の事業所 ]

都庁本庁舎

進捗状況(2021年4~6月)

(1)プロトタイプ展開

 都庁第一本庁舎24階に未来型オフィスのプロトタイプを整備しました。このプロトタイプオフィスでは、デスクや固定電話、紙などに制限されたこれまでの働き方を見直し、オフィスに縛られない新しい働き方を実践しています。

 24階プロトタイプオフィスの1人当たり複写サービス使用量は、全庁平均と比べて約70%少ない状況であり、ペーパーレスの働き方が徹底されています(2021年4月~6月速報)。 

グラフ

 また、24階職員を対象に実施したアンケートによると「オンライン会議の利用が促進されている」、「気軽に議論できる雰囲気がある」などの多くの声が寄せられ、オフィスに対する総合評価は肯定的評価が70%を占めています。

グラフ

 未来型オフィスは、整備により完成するのではなく、そこで働く職員による継続した改善が必要です。上記アンケート結果で浮かび上がった課題を含め、24階若手職員を中心とする“未来型オフィス改良PT”における議論を通じて運用や使い方の改善に継続して取り組んでいます。

 そして現在、未来型オフィスの更なる展開に向けて、庁内職員のオフィス視察を受け入れ、未来型オフィスの環境や働き方を実際に目で見て知ってもらう取組を進めています。
 「管理職と一般職員のコミュニケーションの取り方がどう変わったか」、「打合せ・集中作業スペースをどう使い分けているか」など、未来型オフィスの実情をそこで実際に働く職員が説明しています。
 4月から6月までの3か月間で、今年度展開する部署を中心に局長や部長など局の幹部を含む延べ70名以上が視察に訪れました。

 今年度は、政策企画局(計画部及び戦略事業部)、生活文化局(消費生活部)、都市整備局(市街地整備部)、環境局(自然環境部)並びに会計管理局(管理部)において、未来型オフィスの整備を進めていきます。

スケジュール

(2)システム基盤の強化、スマートフォン切り替え

2021年5月:自治体等とのファイル転送サービスの容量を拡大

 自治体や事業者等との間で、メールで添付できない大容量のファイルをやり取りするファイル転送サービスにおいて、これまで各部当たり100MB のファイル容量であったものを、新たに各課あたり15GBまで送受信容量を拡大しました。
 これにより、一度により多くのデータや高画質な写真、動画等 の送受信が可能となり、業務効率の向上を図りました。

2021年5月:都庁HPのアクセス集中対策の強化

 災害発生等により都のホームぺージにアクセスが集中しても、ホームページの表示が遅くなったり閲覧できなくなったりする事態が発生しないように、統合WebサーバにCDN(コンテンツデリバリーネットワーク:インターネット上で様々なコンテンツを大量に配信できるネットワークの仕組み)を導入し、必要な情報を的確に発信できるように対応力を強化しました。

今後の取組(2021年7~9月)

  • 今年度の未来型オフィス整備に向け、オフィスのレイアウトやスマートフォン切り替えについて、政策企画局、生活文化局、都市整備局、環境局及び会計管理局の5局との検討を進めます。
  • 2022年度末までのシステム基盤でのクラウド(SaaS)利用拡大の実現に向け、設計等の業務を進めます。

事業所(1)保健所のデジタル化

 新型コロナウィルス感染症対策の最前線に立つ保健所において、職員が感染症対策業務に一層集中できる環境を実現するため、都保健所に様々なデジタルツールを導入し、業務の効率化や負担軽減を進めています。

進捗状況(2021年4~6月)

自動検温装置を導入

  • 窓口に自動検温装置を設置し、来所者への検温を効率化しました。

医療機関からの発生届等を電子化

  • コロナの患者を診断した医療機関から、休日・夜間も含めFAXで送信される発生届等を、自動で電子化し、メールで通知する仕組みとしたことにより、業務の省力化を図っています。
ヘッドセット使用の様子

大型ディスプレイ・ヘッドセット等の導入

  • コロナに感染した方や濃厚接触の可能性がある方に、職員が電話で聞き取り調査をする際に、大型ディスプレイやヘッドセットを活用して通話しながらデータ参照や入力作業を行うことで、業務の効率化を図っています。
  • モデル職場として先行して取り組んできた西多摩保健所で実施したアンケートでは、使用している職員の9割が「事務処理が効率化した」と回答しました。

自宅療養者向け健康観察システムの導入

  • 保健所の負担を軽減するため都が設置している自宅療養者フォローアップセンターでは、都内の自宅療養者への健康観察に際し、LINE を活用したチャットボット(定期的に自動で問診するサービス)を導入しています。センターがサポートする自宅療養者の6割超の方がこのシステムを利用しており、自宅療養中の方と職員の間で行われる、毎日の健康状態確認のための電話の回数が削減されました。
自宅療養者向け健康観察システムのイメージ

今後の取組(2021年7~9月)

  • デジタルツールの導入効果について都保健所(西多摩保健所を除く)にアンケートを実施し、活用状況の把握や保健所間のノウハウの共有を進めます。
  • 保健所における患者情報の入力・処理の効率化を進め、更なる感染症対策の強化と職員の負担軽減を図っていきます。

事業所(2)都税事務所のデジタル化

進捗状況(2021年4~6月)

自動検温器・窓口受付システムの導入

  • 新型コロナウイルス対策の一環として、入口に自動検温器を設置しました。
  • 窓口受付システムを導入して混雑状況の「見える化」を行うことで、来庁者が混雑する時間帯や事務所を避けたり、待ち時間を庁舎外で過ごすことが可能となりました。
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       窓口受付システム

職員用Wi-Fiの導入/スマホ決済アプリ追加

  • 職員用モバイルWi-Fiを導入することで、業務の効率化及びペーパーレス化を実現しました。
  • 納税者のさらなる利便性向上とキャッシュレス決済の普及促進を図るため、スマホ決済アプリを5つ追加しました。
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モバイルWi-Fiを活用したペーパーレス会議

今後の取組(2021年7~9月)

  • 職員用大型ディスプレイなどデジタルツールを追加配備し、業務の効率化やペーパーレス化のさらなる促進を図ります。
  • 第3四半期までに導入予定の窓口案内用タブレットの運用方法等について検討し、来庁者対応のQOS向上につなげます。

事業所(3)その他の事業所におけるオフィス改革の展開

進捗状況(2021年4~6月)

  • 事業所オフィス改革の先行職場(保健所など)の取組状況を集約しました。
  • また、都民・事業者に対するサービス向上や職員の生産性向上に資するデジタル機器の導入等について、事業所がある16局の構造改革担当者とヒアリングを実施するなど、全庁展開に向けて検討を進めました。

今後の取組(2021年7~9月)

今後、先行職場の取組を後押しするとともに、担当者ヒアリングの結果を踏まえ、ディスプレイ、Wi-Fi環境、自動検温装置など、コロナ禍を踏まえた新しい働き方や都民サービスに不可欠な要素(デジタルツール)について、全庁的な配備に向けた取組を進めていきます。