Ⅱ.組織・人材マネジメントの変革
[ 人材交流と人材育成 / ダイバーシティ&インクルージョン / 組織体制 / 政策連携団体 ]
東京都は、”組織・人材マネジメントの変革”として、以下4項目に取り組んでいます。
1.多様な主体との交流と人材育成の強化
2.ダイバーシティ&インクルージョンの促進
3.組織体制の構築
4.政策連携団体の経営力強化
1月~3月は、 引き続き人材の確保・育成、ダイバーシティやインクルージョンの推進などに取り組みました。 また、新型コロナウイルスの感染状況を踏まえつつ、 外部との交流や異業種交流の推進やデジタル人材の育成などに取り組みました。
4~6月は、 新たな人事交流に関する方針の策定、デジタルを活用した育成環境整備、 福祉職の採用試験の見直し、障害者雇用の促進、育児や介護などライフステージに応じた最適な働き方の支援、政策連携団体のDX推進等に取り組んでいきます。
※本記事では、組織・人材マネジメント変革プロジェクトのうち、「組織・人材マネジメントの変革」に関する進捗状況と今後の予定を掲載しています。「DX推進体制の構築」に関する進捗状況と今後の予定はこちらからご覧になれます。
1.多様な主体との交流と人材育成の強化
1-1.都庁職員の知見等の獲得
進捗状況(2022年1~3月)
◆外部との交流活性化(民間、海外)
✿新型コロナウイルスの感染状況を踏まえつつ、次年度の派遣に向け、協定手続き等必要な調整を関係部署と進めました。
✿海外との交流活性化や都庁の国際競争力の強化に向け、バーチャル調査を22件実施しました。また、グローバル人材の育成や組織的ネットワークの構築を目的に、10月より海外の大学院等に職員3名を派遣しています。
◆異業種交流研修の推進
✿国や民間団体等が主催する異業種交流研修の推進に向け、新たに職員1名(年度通算13名)が研修に参加しました。
◆地方版官民交流制度の整備
✿昨年12月に公務の公正性の確保を図るための基準を整備済みであり、事業の推進に際して民間企業等の身分を保有する人材を受け入れる場合には、基準に基づいて、適切に人材の活用を図っていきます。
◆兼業許可基準の見直し
✿職員が勤務時間外に、公益性の高い社会貢献活動に従事できるよう、兼業先が非営利団体であることや、職員と兼業先との間に利害関係がないこと、兼業時間数が過度に長時間でないことなど、兼業許可基準を見直し、職員に周知しました。
今後の取組(2022年4~6月)
◆外部との交流活性化(民間、海外)
☞新たな人事交流に関する方針の策定や人事交流先の更なる開拓・拡大に向けて、関係部署との調整を進めます。
☞海外との交流活性化や都庁の国際競争力の強化のため、新型コロナウイルスの感染状況を踏まえつつ、調査の実施に向けて各局との調整を進めていきます。
☞各局における”国際競争力強化プロジェクト”の実施を更に支援するため、渡航(リアル調査)前の事前研修として、実践的なビジネス英語力向上のための新たな英語研修を導入します(6月から実施予定)。
◆異業種交流研修の推進
☞異業種交流研修の参加する職員数を増加させるため、新規に参加する研修も含め、研修主催者との調整、研修へ参加する職員の選定等を進めていきます。
1-2.人材の確保・育成
進捗状況(2022年1~3月)
◆職員採用における適性検査、Web面接、Webセミナー等の実施
✿新型コロナウイルス感染症対策関連業務等への対応に伴う業務量増に対して新たに採用する四条任期付職員の採用選考について、適性検査及びWEB面接を実施しました(申込者数697名、最終合格者数298名)。
✿東京都の仕事に関心のある、大学生を始めとした将来のキャリアを検討している方を対象として、「都庁の仕事研究セミナー」を開催しました(2022年3月7日、14日開催。2日間で計156名が参加)。
✿東京都の技術職を目指す方を対象とした「都庁WEBセミナー<技術職>」を開催しました(2022年1月実施。3日間で計349名が参加)。
✿専門職種の職員に仕事内容などを質問できる「専門職オンライン相談会」について、バーチャル空間で開催しました(2022年3月14日開催。294名が参加)。
✿技術職の仕事内容や魅力を録画配信する「技術職WEB説明会」を公開しました(2022年3月25日配信開始)。
✿主に事務職を対象とした「採用オンラインセミナー」を開催しました(2022年3月18日開催。1,228名が参加)。
◆デジタルを活用した育成環境整備
✿各研修科目の内容や構成、特徴などを把握しながら、新型コロナウィルス感染症拡大防止対策の趣旨等を踏まえ、これまで集合形式で実施していた研修の一部をオンデマンド・オンライン形式に切り替えて実施しています。
✿職務に活用できる資質・能力の向上のため、職員が勤務時間外に自ら民間学習コンテンツを使用してオンライン学習を行う「デジタルコンテンツ受講支援」を実施し、211人が受講しました。また、新着講座の案内等、職員の利便性を向上させる支援も行いました。
◆行政需要等を踏まえた機動的な採用
✿行政需要等に適切に対応できるよう、職員の育児休業の取得促進など安定的な執行体制を確保するため、2022年度から臨時的任用職員制度を知事部局・事務職を対象に導入できるよう制度を構築しました。
今後の取組(2022年4~6月)
◆職員採用における適性検査、Web面接、Web面談等の実施
☞引き続き、任期付職員採用試験での適性検査の実施状況等を検証し、民間企業経験者などを対象とする試験区分への導入について検討を進めています。
☞これまでのイベント参加者のニーズを踏まえ、効果的なPRを検討していきます。
☞2022年8月以降、2022年度東京都職員採用試験に合格した方を対象にWEB面談を実施するため、システム設定等の準備作業を進めていきます。
◆デジタルを活用した育成環境整備
☞引き続き研修実施後にアンケートを実施し、個別に効果的な研修実施方法(オンデマンド形式、オンライン形式、集合形式のベストミックス)を検討しながら、順次研修を実施していきます。
☞引き続き、「デジタルコンテンツ受講支援」を実施します。受講者数の拡大に向け、庁内への周知・希望者の募集を行い、受講を開始します。
◆行政需要等を踏まえた機動的な採用
☞2022年4月から知事部局の事務職に臨時的任用職員制度を導入します。
☞臨時的任用職員制度を各局が安定的に活用できるよう、円滑な制度運用に取り組んでいきます。
☞募集、面接日調整、面接などの手続をWEB上で実施できる採用管理システムを、2022年度に各局で利用できるよう契約手続や説明会を行います。
☞人材確保の観点から福祉職の採用試験の見直しを行い、6月上旬の募集開始に向けて選考案内や試験問題の作成など、各種選考準備を進めていきます。
2.ダイバーシティ&インクルージョンの推進
進捗状況(2022年1~3月)
◆女性の更なる活躍・キャリア形成の促進(キャリア・メンター制度等)
✿個別相談やSNSを活用した女性管理職の魅力などの情報発信を行いました。また、開催を延期した座談会(トークカフェ)の代替として、参加予定者から募った質問をメンターにインタビューし、回答を記事にまとめて展開しました。
✿期間中、主事級(若手層)に「ライフイベントを見据えたキャリアデザイン」をテーマとして、キャリアステージに応じた研修を2回実施し、計32名の職員が受講しました。年度通算では、主任級(若手~中堅層)、課長代理級(中堅層)を対象とした研修を含め、計98名の職員が受講しました。
◆育児や介護などライフステージに応じた最適な働き方を支援
✿ 職員向けの育児・介護関係講座のオンライン化について、受講者アンケートの検証結果を踏まえた改善策を検討し、2022年度から本格実施を行う計画を策定しました。
✿時差勤務やフレックスタイム制等の利用状況等の検証を踏まえ、見直しに向けた検討を行いました。
◆障害者雇用の推進
✿特別支援学校から、各学年の状況に応じ概ね3日から2週間まで幅広く実習生を受入れ、事務補助業務などの業務実習を行いました。
✿障害を持つ職員の定着支援のために、障害種別ごとに事例を掲載した「合理的配慮の提供に関する事例集」について改訂しました。
今後の取組(2022年4~6月)
◆女性の更なる活躍・キャリア形成の促進(キャリア・メンター制度等)
☞職員のロールモデルとしてより多様なキャリアプランを提案する観点を踏まえて、キャリア・メンターの選任やメンターに向けた説明会を開催します。
☞職員のキャリア形成支援や女性活躍推進を目的に、キャリアステージに合わせて、職層別に、異なるテーマでの研修の実施に向けた調整を進めていきます。
◆育児や介護などライフステージに応じた最適な働き方を支援
☞職員の個々のライフステージに配慮した多様な昇任機会を確保する観点から、主任級職選考の見直しについて検討を進めてまいります。
☞講座のオンライン化を本格実施するとともに、引き続き受講者アンケートを実施することで、より育児・介護等と仕事との両立に資する講座運営を検討していきます。
☞引き続き、職員のライフ・ワーク・バランスを推進するため、時差勤務やフレックスタイム制等の見直しに向けた準備を進めていきます。
◆障害者雇用の推進
☞オフィスサポートセンターにおける5月及び6月の実習生の受入れに向け、特別支援学校と順次調整を進めるとともに、受入体制の準備をしていきます。
☞障害者職業生活相談員の選任やしごとサポーター養成講座の開催に向けた準備など、職場定着を支援する取組を実施しています。
◆男性職員の育児参画を一層推進
☞プレママ・プレパパ応援講座(オンライン開催)を実施していきます。
☞2022年度も、全管理職がイクボス宣言を実施していきます。
☞2022年4月から施行される「職員の育児休業等に関する条例」により、育休取得意向確認の面談実施等を義務化し、育児関連休暇等の取得を促進していきます。
☞育児休業等の取得意向・面談の実施状況等に係る各局調査を実施し、各職場をフォローアップしていきます。
☞2022年4月から臨時的任用職員制度を導入し、当該制度を各局が安定的に活用できるよう、円滑な制度運用に取り組んでいきます。
◆テレワークを活用した柔軟な働き方の推進
☞テレワークに関する職員の満足度調査を実施します。
☞職員向けに作成している東京都職員テレワークQ&A等の見直しを継続して進めていきます。
◆未来型オフィスにおけるワークスタイルの変革
☞未来型オフィス展開職場の職員を対象に、民間シェアオフィスの活用を開始することにより、場所を問わない柔軟な働き方を推進していきます。
☞場所を問わない柔軟な働き方を推進していくために、新たなワークルールの作成を進めます。
3.「未来の東京」戦略を支える組織体制の構築
2022年4月に向け、「未来の東京」の実現に向けた組織体制を構築するため、東京都組織条例の改正案を議会へ提案するなど、必要となる準備を進めてきました。
また、東京2020大会を終え、都政が新たなステージを迎える今、東京が抱える様々な課題を解決し、未来を切り拓く組織へと転換していくため、以下のとおり、組織改正を行いました。
進捗状況(2022年1 ~3月)
◆チルドレンファーストの社会を実現する体制を構築
✿都政の政策全般を子供目線で捉え直し、政策を総合的に推進する体制を構築するため、「子供政策連携室」を新設しました。子供政策連携室を核に、各局が連携し、子供目線で先進的な施策を展開していきます。
◆「スポーツレガシー」を都民の豊かな生活へ繋げる体制を構築
✿東京2020大会で得た「スポーツ」とのつながりを一層深めるとともに、都民の安全安心で豊かな生活に繋げていくため、生活文化局を改組し、「生活文化スポーツ局」を設置しました。
◆「世界から選ばれる都市」の実現に向け、東京の発信力を強化
✿都民との双方向コミュニケーションを展開し、国内外に向けて東京の魅力を効果的に発信するため、広報・広聴機能を集約・強化し、政策企画局に「戦略広報部」を設置しました 。
今後の取組(2022年4~6月)
☞課題対応型組織への転換を加速するため、政策スパンの広がりや深化への対応など、組織の状況を分析し、関係局とともに、その在り方の検討を進めていきます。
4.政策連携団体の経営強化
進捗状況(2022年1~3月)
◆経営改革プランによるDX推進
✿「東京都政策連携団体経営改革プラン(2021年度~2023年度)」において、全ての政策連携団体(33団体)が都の取組に合わせ、5つのレス(ペーパーレス、FAXレス、はんこレス、キャッシュレス、タッチレス)等について、概ね都と同水準の取組となるよう2021年度末までの目標を設定しており、各団体が目標に向けて削減等を進めています。
ペーパーレス
2月末時点 2,725万枚 / 2021年度目標3,100万枚(2019年度比▲40%※)
FAXレス
2月 ▲93.7%(2019年度同月比削減率※) / 2021年度目標 ▲98%達成
はんこレス
(対応済み手続・通知類):2月末時点 417件/486件中
キャッシュレス
(導入済み施設数):2月末時点 32施設/33施設中
タッチレス
(相談・イベント等の非接触実施団体数):2月末時点 28団体/28団体中
※ 団体新設が近年に行われたこと等により、2019年度を比較対象年度としていない団体があります。その場合においても、都と概ね同水準となる削減率を設定しています。
◆デジタル人材等の柔軟な人員配置の実現
✿政策連携団体の自律的経営のため、試行的に団体の人員調整権限を各局へ一部委譲しており、2022年度に向けた人員調整ではこの取組を拡大しました。この結果、33団体中9団体が本制度を活用し、団体のDX推進等への人員配置を行うこととなりました。
今後の取組(2022年4~6月)
◆都との双方向型の人事交流のさらなる拡大
☞都職員の現場力・政策連携団体職員の業務執行力の育成を進めるため、都・団体間の双方向型の人事交流の拡大を検討していきます。
◆経営改革プラン2022年度改訂版によるDX推進
☞政策連携団体が「東京都政策連携団体経営改革プラン2022年度改訂版」(今後公表予定)に掲げる、手続きのデジタル化及び5つのレス等に関する2022年度末までの目標を達成できるよう、各局を通じて指導・監督していきます。