Ⅰ.DX推進体制の構築
[ 各局等支援 / 区市町村支援 / デジタル人材確保と活用 / デジタル人材育成 / 行動指針策定 ]
本記事では、組織・人材マネジメント変革プロジェクトのうち、「DX推進体制の構築」に関する進捗状況と今後の予定を掲載しています。
※「組織・人材マネジメントの変革」に関する進捗状況と今後の予定はこちらからご覧になれます。
7月~9月は、DX推進支援の取組として、各局業務に対するデジタル面からのサポートや、区市町村向け勉強会・アウトリーチ相談会を実施しました。また、デジタル人材確保やICT職向けのイベントの実施などを行いました。
10月~12月は、引き続きDX推進支援、デジタル人材確保・育成などに取り組んでいきます。また、デジタルサービスの開発・運用に関して職員等が共有するべき価値観・技術基準等をまとめた「行動指針」の策定に向けた議論を開始します。
1.各局等のDX推進を技術面から支援
進捗状況(2021年7~9月)
7月から9月までの3か月間で各局から約70件(4月からの累計約160件)の支援依頼がありました。依頼の多くは、対応が続く新型コロナウイルス感染症対策としてのデジタル技術の活用やテレワークを意識した業務改善などが中心でした。
9月に公表された「ユーザーテストガイドライン」にもあるように、サービスのリリース前後で使い勝手を試し問題点や改善点を発見するユーザーテストの実施サポートが継続的に増えていく分野になりますので、特にテスト実施前の課題(仮説)の明確化と継続的な改善につなげるPDCAサイクルの確立を重点的にサポートし、皆様が使いやすいUI/UXとなるように業務にフィードバックしていきます。
今後も、各局と連携しながらDX施策の取組をサポートしていきます。
今後の取組(2021年10~12月)
各局との連携を図りながら、都政のQOSの向上を図るため、DX施策を技術的にサポートしていきます。
2.区市町村のDX推進に対する支援
都では、福祉や子育て等、日常生活の中で身近な行政サービスを担う区市町村のDX推進に対する支援策として、各自治体と連携・協力を図りながら、人材育成や技術支援等に資する取組を行っています。
2019(令和元)年度より、区市町村におけるICTコア人材の育成を目的として、最新のICT知識をテーマとする区市町村職員向け勉強会を開催しています。
また、2021(令和2)年度より、区市町村におけるICTに関する課題解決のため、都の専門人材が技術相談に応じるアウトリーチ相談事業を実施しています。
進捗状況(2021年7~9月)
■職員向け勉強会
〇第2期勉強会(第6回)を開催
第6回 7月19日(テーマ:デジタルを使って身近な行政課題の解決) 参加者12名
(受講者の感想)
・推進している人のリアルな話を聞くことができた。
・他団体の具体的な取り組みがとても参考になった。
・勉強会のテーマが自身の業務にタイムリーな内容で、大変勉強になった。
〇第3期勉強会(第1回)を開催
第1回 9月13日(テーマ:DXことはじめ、チームビルド) 参加者30名
(参加自治体の感想)
・情報政策に関する共通課題を、他団体や専門講師と雑談で話すことができる。
・繋がりが持てて満足度が高い。
・オンラインでのグループ討議は慣れるまでに時間がかかりそう。
【参考】第3期勉強会の概要
(開催時期)
第3期(2021(令和3)年9月~2022(令和4)年2月) 全6回 30団体が参加
(実施概要)
・区市町村におけるDXプロジェクトを円滑に進めていくため、各自治体でDXマインドを持ったプロジェクトリーダーを育成
■アウトリーチ相談事業
(2021年7~9月の実施状況)
7月29日 参加自治体:2市(人材育成、DXに向けた制度設計、システム更新等)
8月26日 参加自治体:2区(電子申請について、区民相談に関するICT活用等)
9月24日 参加自治体:1区(DXに向けた体制、外部人材の任用や活用方法等)
(参加自治体の感想)
・人材育成等について、東京都の先行的な取り組みの詳細が参考になった。
・当初の依頼になかった質問も、その場でご意見いただき大変助かった。
・都と当方の間で課題の共有ができたことに加え、新たに課題抽出のヒントが発見できた。
今後の取組(2021年10~12月)
■職員向け勉強会
〇第3期勉強会
10月~12月 第2回、第3回、第4回の勉強会を開催
■アウトリーチ相談事業
自治体の希望に応じて随時実施
3.デジタル人材の確保と活用
進捗状況(2021年7~9月)
①多様なチャネルを活用し、高度デジタル人材を確実に確保
・高度なデジタルの専門スキルを有する外部人材である「デジタルシフト推進担当課長」(特定任期付職員)について、令和3年10月1日付の採用に向け、募集、選考を実施※しました。
※10月1日付 2名採用
・就職を控えた学生等に向けた採用PRオンラインイベント「都庁WEB EXPO」(7月27日、28日)、「#都庁ICT職インターンシップ」(9月14日、15日)を通じて、ICT職の広報や応募への動機づけに繋がる活動を実施しました。
②デジタル人材の戦略的な配置を検討
・案件ごとにアサインされたデジタルシフト推進担当課長の高度なデジタルの専門スキルを活用しながら、新型コロナウイルス感染症対策に係るデジタル技術の活用等を含め、庁内各局等による事業の推進を引き続き支援しています。
今後の取組(2021年10~12月)
①多様なチャネルを活用し、高度デジタル人材を確実に確保
・採用PRのオンラインイベント「都庁セミナー2021」等を通じて、引き続きICT職の広報や応募への動機づけに繋がる活動を実施する予定です。
②デジタル人材の戦略的な配置を検討
・引き続き、案件ごとにアサインされたデジタルシフト推進担当課長の高度なデジタルの専門スキルを活用しながら、庁内各局等による事業の推進を支援していきます。
4.デジタルに係る人材育成
進捗状況(2021年7~9月)
①DXに係る育成メニューを全職層にて拡充し、都庁職員のデジタルスキルを向上
・LMS(「ラーニングマネジメントシステム」:デジタルを活用して研修実施に関することを総合的に管理するシステム)の整備を進めています。悉皆研修や手上げ式の研修など、それぞれの研修申込・受講プロセスなどの具体的なシステム運用方法について、プロトタイプでの試行を通じて検討しています。
・DX推進に係る自己啓発支援として、テーマに応じた外部の有識者を講師として招聘するセミナー「都庁デジタルセミナー」を期間中4回オンラインで実施しました(9月末時点で年度通算5回実施)。
・都庁デジタルシフト推進リーダー養成研修のグループワーク等を継続的に実施するとともに、DXに関する知見やマインドセット等を習得するための研修(課長級向け)を実施しました。
②都政の高度なDXの実現を支えるデジタル専門職を育成
・新規に採用されたICT職(キャリア活用採用)等を対象として、デジタルに関する専門性の向上と自身の役割に応じた知識を習得するための専門研修について、コース別のカリキュラムを設定し、受講者の募集・決定を実施しました。
・ICT職(監督職以上)を対象として、個々に合った高度な知識の習得を図れるよう、民間企業等が主催する講座の受講支援を開始しました。
・デジタルシフト推進担当課長が講師となり、自らの知識や経験を講義することで、ICT職の自己啓発やスキルアップを図るための勉強会(ICT職スキルアップ勉強会)を2回オンラインで実施しました。
今後の取組(2021年10~12月)
①DXに係る育成メニューを全職層にて拡充し、都庁職員のデジタルスキルを向上
・LMSの構築に向けて、関係部署向けにユーザテストを行い、意見を照会しながら、システム運用のマニュアルや操作説明動画等を作成していくとともに、各部署の研修担当者向けのLMS操作説明会の企画を進めます。
・都庁デジタルセミナーについて、次回以降に関する検討や調整を進め、適時開催していく予定です。
・都庁デジタルシフト推進リーダー養成研修のグループワーク等を継続的に実施する予定です。
・アイデアソンを通じて職員に求められる DX のマインドセットを身に付けるための研修(DXアイデアソン研修)、デジタルの視点を持ったサービス・業務の改革(デザイン)の考え方やマネジメントについて学ぶセミナー(管理職向けデジタルシフト推進セミナー)を順次開始する予定です。
②都政の高度なDXの実現を支えるデジタル専門職を育成
・新規に採用されたICT職(キャリア活用採用)等を対象とする専門研修について、5コースを順次開催する予定です。
・ICT職(監督職以上)を対象として、個々に合った高度な知識の習得を図れるよう、民間企業や大学等が主催する研修や講座の受講を引き続き支援します。
・ICT職スキルアップ勉強会について、次回以降に関する検討や調整を進め、適時開催していく予定です。
5. 行動指針の策定
シン・トセイに掲げた構造改革と、東京デジタルファースト条例に基づく行政手続のデジタル化を柱に、都政のデジタル化を現在推進しています。
このデジタル化を進めていくなかで、開発したデジタルサービスを都民に活用していただくためには、より使いやすいものを提供していく必要があります。
しかし、現状、都では、各局がそれぞれにデジタルサービスを開発・運用しており、品質の均一化が課題となっています。
そこで、新しい技術を活用した、質の高いサービスの提供に向けて、システム開発・運用に携る全ての職員などが共有、遵守すべき行動指針や技術ガイドラインを取りまとめていきます。
今後の取組(2021年10~12月)
外部の学識経験者等も交えた会議体を設置し、検討を開始します。