Ⅱ.組織・人材マネジメントの変革
[ 人材交流と人材育成 / ダイバーシティ&インクルージョン / 組織体制 / 政策連携団体 ]
本記事では、組織・人材マネジメント変革プロジェクトのうち、「組織・人材マネジメントの変革」に関する進捗状況と今後の予定を掲載しています。
※「DX推進体制の構築」に関する進捗状況と今後の予定はこちらからご覧になれます。
7月~9月は、異業種交流研修の推進に向けた検討など多様な主体との交流の促進、2021年度東京都職員採用試験(I類A・I類B)合格者を対象としたWeb面談の実施や、キャリア・メンター制度に基づく個別相談・SNSによる情報発信などに取り組みました。
10月~12月も、引き続き人材の確保・育成、ダイバーシティやインクルージョンの推進などに取り組んでいきます。
1.多様な主体との交流と人材育成の強化
(1)都庁職員の知見等の獲得
進捗状況(2021年7~9月)
①外部との交流活性化(民間、海外)
・新型コロナウイルスの感染状況を踏まえつつ、民間企業等との人事交流の拡大に向け、関係部署と調整を進めています。2021年7月1日時点では、15名を派遣しています。
・海外との交流活性化や都庁の国際競争力の強化に向け、新型コロナウイルスの感染状況を踏まえつつ、渡航可否の検討及びバーチャル調査の実施に向けた調整などを進めています。
②異業種交流研修の推進
・国や民間団体等が主催する異業種交流研修の推進に向け、今年度から新規に参加する研修も含め、研修主催者との調整、研修へ参加する職員の選定等を進めています。9月末時点で職員6名が研修に参加しています。
異業種交流研修の概要
③地方版官民交流制度の整備
・民間企業等の身分を保有する人材の確保に際して、公務の公正性の確保を適切に図るための基準の整備に向け、関係部署と最終調整を進めています。
④兼業許可基準の見直し
・他自治体の事例を収集し、それらの事例も参考に、兼業許可範囲の検討を行っています。
今後の取組(2021年10~12月)
①外部との交流活性化(民間、海外)
・新型コロナウイルスの感染状況を踏まえつつ、民間企業等との人事交流の拡大に向け、新たな交流先企業を選定するとともに、関係部署と具体的な調整を進めていきます。
・海外との交流活性化や都庁の国際競争力の強化に向け、新型コロナウイルスの感染状況を踏まえつつ、引き続き渡航可否の検討及びバーチャル調査の実施に向けた調整などを進めていきます。
②異業種交流研修の推進
・国や民間団体等が主催する異業種交流研修の推進に向け、下半期に実施する研修について研修主催者との調整を進めるとともに、研修へ参加する職員を決定していきます。
③地方版官民交流制度の整備
・事業の推進に際して民間企業等の身分を保有する人材を受け入れる場合には、新たに策定する公務の公正性の確保を図るための基準に基づき、適切に人材の活用を図っていきます。
④兼業許可基準の見直し
・国や他自治体の事例も踏まえ、引き続き兼業許可範囲の検討を行っていきます。
(2)人材の確保・育成
進捗状況(2021年7~9月)
①適性検査、Web面接の実施
・任期付職員採用試験での適性検査の実施状況や他団体での導入実績を検証し、民間企業経験者などを対象とする試験区分への導入について検討を進めています。
・2021年度東京都職員採用試験(I類A・I類B)に合格した方を対象に、Web面談を実施しました。
・11月に予定されているキャリア活用採用選考(ICT区分)のWeb面接について、Web会議ツールや必要な機器の調達等、準備を進めました。また、Web面接を円滑に実施するうえでの技術的課題についてデジタルサービス局と協議しながら検討を行いました。
・オンラインイベントとして、7月には「都庁 WEB EXPO」、9月には「都庁の仕事研究セミナー」の開催などの採用PRを展開しています。大学等からの依頼に応じて、学生向けのWebを活用した説明会を実施しました。また、第4四半期に実施するWebを活用したセミナーについて、実施環境(場所・機材)等の技術的な調整を行いました。
イベント特設サイト(2021年7月27日・28日実施)(※東京都HPでの掲載画面)
②デジタルを活用した育成環境整備
・各研修科目の内容や構成、特徴などを把握しながら、新型コロナウィルス感染症防止対策の趣旨等を踏まえ、これまで集合形式で実施していた研修の一部をオンデマンド・オンライン形式に切り替えて実施しています。
・職務に活用できる資質・能力の向上のため、職員が勤務時間外に自ら民間学習コンテンツを使用し、9月末時点では212人の受講者が、オンライン学習を行う「デジタルコンテンツ受講支援」を開始しています。
③行政需要等を踏まえた機動的な採用(非常勤職員等)
・「徹底点検TOKYOサポート」事業における非常勤職員の採用に活用した、募集、面接日調整、面接などの手続をWeb上で実施できる採用管理システムを各局においても利用できるよう、対象範囲の拡大について検討を行っています。
今後の取組(2021年10~12月)
①適性検査、Web面接の実施
・引き続き、適性検査の導入効果などを検証し、導入に向けた検討を継続していきます。
・2021年度東京都職員採用試験の合格者(Ⅱ類・Ⅲ類)を対象に、Web面談を実施します。
・キャリア活用採用選考(ICT区分)を対象に、Web面接を実施します。
・10月には専門知識を活かして働く職員のリアルな声をお届けする「都庁ナビゲータWEB座談会(専門職対象)」、12月には都庁に関心のある方向けに「都庁セミナー2021」をオンラインで開催予定です。また、第4四半期に実施するWebを活用したセミナーについて、具体的な検討・準備を進めます。
都庁ナビゲーターWEB座談会 (※東京都総務局人事部Twitterでの掲載画像)
②デジタルを活用した育成環境整備
・引き続き、効果的な方法(オンデマンド形式、オンライン形式、集合形式のベストミックス)で順次研修を実施していきます。研修実施後に研修受講生向けのアンケートを実施するなど、随時、各研修プログラムを評価し、研修内容や方法等の見直しを図っていきます。
・引き続き、受講を希望する職員への「デジタルコンテンツ受講支援」を行っていきます。また、新着講座の案内等、職員の利便性を向上させる支援も行っていきます。
③行政需要等を踏まえた機動的な採用(非常勤職員等)
・行政需要等に適切に対応できるよう、職員の育児休業等の取得促進に向けた機動的な採用など、人材確保策を引き続き検討していきます。
2.ダイバーシティ&インクルージョンの推進
進捗状況(2021年7~9月)
①女性の更なる活躍・キャリア形成の促進(キャリア・メンター制度等)
・2021年度キャリア・メンター制度を開始し、個別相談やSNSを活用したメンター・メンティー同士の気軽なコミュニケーションの促進を図りました。
・主事級(若手層)には「ライフイベントを見据えたキャリアデザイン」、主任級(若手~中堅層)には「多様なリーダーシップの在り方」、課長代理級(中堅層)には「管理職に向けての心構えとスキル」をテーマとして、キャリアステージに合わせた研修の実施に向け、具体的に準備を進めています。また、各研修で講師を担うキャリア・メンターを対象に、講師養成研修を実施しました。
キャリア・メンター制度の概要
②育児や介護などライフステージに応じた最適な働き方を支援
・育児・介護等と仕事との両立を図るため、職員向けの育児・介護関係講座について、オンライン化を試行するとともに、受講者アンケートを実施しました。
・職員のライフ・ワーク・バランスを推進するため、システムを活用した時差勤務・フレックスタイム制の利用状況等を把握し、検証に向けた準備を行いました。
③障害者雇用の推進
・知的障害者を対象とする非常勤職員「オフィスサポーター」について、次年度の募集及び選考を開始しました。
・選任された指導員が障害を有する職員の職業生活に関する相談及び指導を実施するなど、職場定着を支援する取組を着実に進めています。
今後の取組(2021年10~12月)
①女性の更なる活躍・キャリア形成の促進(キャリア・メンター制度等)
・引き続き、個別相談やSNSを活用した情報発信を行うとともに、メンターとメンティーの交流イベントの実施を検討していきます。
・職員のキャリアステージに合わせたキャリア形成支援や女性活躍推進を目的とした研修について、順次実施していきます。
メンターとメンティーの交流イベント(トーク・カフェ)の様子
②育児や介護などライフステージに応じた最適な働き方を支援
・職員向けの育児・介護関係講座のオンライン化について、引き続き試行し、受講者アンケートを実施するとともに、その内容を検証します。
・職員のライフ・ワーク・バランスを推進するため、時差勤務・フレックスタイム制の利用状況等を把握するとともに、時差勤務・フレックスタイム制等の利用状況等を検証します。
③障害者雇用の推進
・オフィスサポートセンターにおける本年10月以降の実習生の受入れに向け、特別支援学校と順次調整を進めていきます。
・取組状況の確認などを通じて、引き続き職場定着を支援する取組を進めていきます。
3.「未来の東京」戦略を支える組織体制の構築
進捗状況(2021年7~9月)
〇戦略を支える組織体制の構築
・2021年8月に、総務局より令和4年度組織定数方針を発出しました。「『未来の東京』戦略」に掲げるビジョンの実現に向け、「戦略」を実践するための体制を強化することや、スクラップ・アンド・ビルドを徹底することにより、メリハリのある人員配置を実現することなどを掲げました。本方針を基に、各局において、2020大会後の執行体制について具体的な検討を開始しました。
今後の取組(2021年10~12月)
〇戦略を支える組織体制の構築
・「『未来の東京』戦略」に掲げるビジョンの実現に向け、様々な課題に機動的に対応できる組織のあり方の検討を進めるとともに、来年度の予算に合わせて組織や職員定数の編成を進めていきます。
4.政策連携団体の経営強化
進捗状況(2021年7~9月)
①経営改革プランによるDX推進
「東京都政策連携団体経営改革プラン(2021年度~2023年度)」において、全ての政策連携団体(33団体)が都の取組に合わせ、5つのレス(ペーパーレス、FAXレス、はんこレス、キャッシュレス、タッチレス)等について概ね都と同水準の取組となるよう2021年度末までの目標を設定しており、各団体が目標に向けて作業を進めています。
- ペーパーレス(月次計画値に対する使用実績割合):7月+5%、8月△17%(目標比)
- FAXレス(月次計画値に対する使用実績割合):7月+25%、8月+28%(目標比)
- はんこレス(対応済み手続・通知等数):8月末時点 143件/533件中
- キャッシュレス(導入済み施設数):8月末時点 32施設/34施設中
- タッチレス(相談・イベント等の非接触実施団体数):8月末時点 25団体/28団体中
②デジタル人材等の柔軟な人員配置の実現
政策連携団体の自律的経営のため、試行的に団体の人員調整権限を各局へ一部委譲していますが、2022年度に向けた人員調整ではこの取組を拡大するため、さらなる要件緩和を行いました。
今後の取組(2021年10~12月)
①経営改革プランによるDX推進
政策連携団体が「東京都政策連携団体経営改革プラン(2021年度~2023年度)」に掲げた、5つのレスに関する2021年度末までの目標を達成できるよう、各局を通じて指導・監督していきます。
②デジタル人材等の柔軟な人員配置の実現
政策連携団体の2022年度の人員調整について、制度の要件緩和を踏まえ、各局と調整を行っていきます。