本プロジェクトは、スタートアップやシビックテックなど多様なプレイヤーとの協働を積み重ねることで強固な協働スタイルを構築し、社会課題を解決することを目指しています。
2022年4月~6月は、 スタートアップ協働推進PT の取組やキングサーモンプロジェクトの2022年度の先行導入プロジェクト実施に向けた準備、スタートアップ協働戦略のバージョンアップに向けて取り組みました。
7月~9月は、スタートアップ協働の取組をワンチームで進めるとともに、ピッチイベントの開催や、 キングサーモンプロジェクトの2023年度に取り組むプロジェクトテーマの検討などを予定しています。
1.スタートアップ協働の推進
スタートアップとの協働を効果的に進めるために、関係各局がワンチームで、 「スタートアップ協働戦略ver.1.0」(2022年2月)に基づく取組を推進しています。
※戦略の背景等についてはnote記事もご覧ください(コチラ)。
進捗状況(2022年4~6月)
①スタートアップ協働推進PT
・関係各局で構成しているスタートアップ協働推進PTを概ね隔週で開催し、メンバーで活発に議論を重ねました。さらに、様々なスタートアップやアクセラレーター等の皆様からのご意見を頂戴しながら、協働の取組の具体化や戦略のアップグレードに向けて検討を進めました。
②スタートアップ支援拠点への職員派遣
・スタートアップ協働戦略の取組の一環として、スタートアップ支援拠点であるCIC Tokyoの運営事務局に、4月から都の職員が派遣されています。スタッフとしてイベントの企画運営、コミュニティ形成等を担当し、知見を都の事業に還元することを目指しています。
③フランス出張
・6月下旬に、東京におけるスタートアップ・エコシステムの進化・グローバル化や東京の発展に寄与する国内外スタートアップ等への支援、グローバルイベントの開催のための必要な知見を得るため、宮坂副知事およびPTメンバーがフランスに出張しました。
フランスでは、「La French Tech」という1つのブランドの下、スタートアップ政策を展開しています。また、フランス政府のスタートアップ政策組織「Mission FrenchTech」では、コアメンバーに加え、各行政機関に籍を置く職員から成る総勢約70名が、一体的なチームとして取組を推進しています。さらに、 世界から人が集まる「Viva Technology」 は国際的なイベントとして、大企業等とスタートアップとのオープンイノベーションを促進しています。都としてもワンチームでの取組や、City-Techをテーマとしたグローバルイベントの開催準備を進めているところであり、多くの知見を得ることができました。
※都のグローバルイベントについてはコチラ
今後の取組(2022年7~9月)
・7月25日に大学との定例懇談会が開催され、スタートアップをテーマに大学との意見交換が行われました。その結果も踏まえ、スタートアップ施策についてPTのメンバーで議論を重ねていきます。
※大学との定例懇談会についてはコチラ
・引き続き、スタートアップやアクセラレーター等の皆様とのコミュニケーションを深め、ワンチームで取組を推進していきます。また、伺ったご意見を踏まえて、スタートアップ協働戦略v.1.0のアップグレードに向けて検討を進めていきます。
2.行政課題解決型ピッチイベント
都政課題の解決に資するこれまでにない製品・サービスを提供するスタートアップによるピッチイベントや、行政機関、VCや企業等との交流の場を創出するイベントを開催し、行政課題の解決とスタートアップの成⾧を後押ししています。
進捗状況(2022年4~6月)
4月に、第20回ピッチイベント優勝社のLink Sportsとテーマ所管局である生活文化スポーツ局(旧オリンピック・パラリンピック準備局) によるキックオフミーティングを開催し、都民のスポーツ振興に資する協働に向けた今後の方向性や課題を共有しました。
今後はLink SportsのTeamHubの技術を用い、東京都のスポーツイベント等での活用を探るため具体的な検討を進めていきます。
今回のミーティングの開催により、協働プロジェクト組成件数が新たに 1件追加となり累計20件となりました。
※ミーティングの様子は、noteの記事からご覧いただけます。
また、今年度のピッチイベント開催に向けて、委託事業者選定などの各種手続きや、都庁内でのテーマの検討を進めました。
今後の取組(2022年7~9月)
①ピッチイベントの開催
多様な行政課題の解決に向けたテーマでピッチイベント(第21回~)を順次開催していきます。
②製品・サービスを活用した協働
ピッチイベント優勝社の製品・サービスの早期活用を推進するため、速やかに協働プロジェクトの組成を目指していきます。
3.キングサーモンプロジェクト
グローバル市場を席捲する課題解決型のスタートアップ(「キングサーモン企業」)を東京から輩出し、先端事業による東京の成長と社会課題の解決を目指しています。
進捗状況(2022年4~6月)
①先行導入プロジェクト
スタートアップと都政現場が共に課題解決に向け、取り組んでいます。4月に採択発表を行ったスタートアップ3社のプロダクト等について、都政現場において効果検証等を行う先行導入プロジェクト実施に向けた準備を進めています。
詳細はキングサーモンプロジェクトのホームページ(https://kingsalmon.tokyo/)でも随時発信いたしますので、ぜひご注目ください。
②メディア向け体験型イベント
5月18日、第1期で採択されたスタートアップ4社のプロダクト等の魅力を発信するため、国内外メディア向けの体験型イベントを初開催しました。
各スタートアップのプロダクト等の体験に加え、宮坂副知事とスタートアップのパネルディスカッションや企業ピッチも行いました。
当日は多くのメディアの方にご来場いただき、スタートアップとの交流を通した大変活気のあるイベントとなりました。後日、多様な媒体でプロダクト等の魅力が取り上げられました。
こちらのnoteの記事でもスタートアップのプロダクト等やイベントについて紹介していますので、ぜひご覧ください。
【登壇した4社】
- 株式会社イノフィス:電力を使わずに、空気圧式の人工筋肉でパワーアシストするマッスルスーツ
- トリプル・ダブリュー・ジャパン株式会社:超音波技術を用いた排尿予測デバイス
- Holoeyes株式会社:日本・アメリカで特許を取得。CT・MRI撮像データからVRを作成し、手術シミュレーション等を可能とするサービス
- WAmazing株式会社:訪日観光客向けに無料SIMカード、各種予約手配等が可能な専用アプリ及びWEBプラットフォームを提供
※各スタートアップの詳細はキングサーモンプロジェクトのホームページ(https://kingsalmon.tokyo/)にも掲載していますので、ご覧ください。
今後の取組(2022年7~9月)
- 今年度の先行導入プロジェクト実施に向けて、引き続きスタートアップと都政現場が共に準備を進めます。
- 都政現場の課題やスタートアップの技術・プロダクトに関する調査を実施し、2023年度に取り組むプロジェクトテーマの検討を引き続き進めます。
4.ユーザーテスト
QOS(クオリティ・オブ・サービス)の高い、誰もが使いやすいデジタルサービスを提供するために、 都は職員や都民等向けのデジタルサービス全般に対してユーザーテストを行うこととし、具体的な手法を「ユーザーテストガイドライン」としてまとめております。
進捗状況(2022年4~6月)
①都民をテスターとしたユーザーテストの実施に向けた検討
より都民目線に立って良いサービスを創り上げていくために、実際のユーザーとなる都民をテスターに拡大していくことが重要です。そのため、都民をテスターとしたユーザーテストの実施フロー等の具体化に向けた検討を進めました。
②都のユーザーテストの取組についての講演の実施
2022年5月28日(土)にRESEARCH Conference2022がオンラインで開催され、冒頭のセッションに、宮坂副知事と巻嶋デジタルサービス局デジタル改革担当部長が登壇しました。2021年にガイドラインを定めスタートしたユーザーテストなど、都がユーザー目線で行政サービスの構築・改善に取り組んでいることを説明し、活発な質疑が行われました。
※詳細はコチラからご覧ください。
今後の取組(2022年7~9月)
引き続き、第3四半期に予定するユーザーテストガイドラインのバージョンアップに向けて、テスターの都民への拡大も含め、検討を進めます。
5.官民共創デジタルプラットフォームの構築
デジタル技術を用いた都内区市町村の地域課題対応の迅速化を図るため、地域の行政課題(需要)とシビックテックのノウハウ(供給)をマッチングさせ、行政とシビックテックの連携により地域課題解決を推進する場としてプラットフォームを構築します。
進捗状況(2022年4~6月)
プラットフォームの構築に向けて、官民共創で解決した事例やプラットフォームの効果的な運営方法などについて、他県の先行自治体へ事例調査を行いました。また、ユーザーとなる区市町村に対し、事業概要の説明や地域課題の募集について案内を行いました。
今後の取組(2022年7~9月)
区市町村へのヒアリングなどを通じて課題の堀り起こしを進めるとともに、より地域課題の解決に資するプラットフォームのあり方について、調査・検討を進めていきます。そのうえで、年内目途でのプラットフォーム構築に向けて、準備を進めます。