進捗状況(2021年4~6月):組織・人材マネジメント変革プロジェクト ― Ⅰ.DX推進体制

プロジェクトのイメージ

Ⅰ.DX推進体制の構築

[ 各局等支援 / 区市町村支援 / デジタル人材確保と活用 / デジタル人材育成 ]

本記事では、組織・人材マネジメント変革プロジェクトのうち、「DX推進体制の構築」に関する進捗状況と今後の予定を掲載しています。

組織・人材マネジメント変革プロジェクト全体図

※「組織・人材マネジメントの変革」に関する進捗状況と今後の予定はこちらからご覧になれます。

1.各局等のDX推進を技術面から支援

進捗状況(2021年4~6月)

・都庁の各局ではデジタル技術を導入して都政のQOSの向上を図る動きが活発になっています。デジタルサービス局では、こうした各局のDX推進の取組について、利用者視点で最適なものとなるように、実際の運用を踏まえた機能の充足性やUI/UXの観点など、シン・トセイで掲げる視点の「スピード」、「オープン」、「デザイン思考」、「アジャイル」、「見える化」を重視し、技術的なサポートを行っています。
 実際の支援では、民間でDX経験豊富なデジタルシフト推進担当課長がメインでサポートを行い、新年度の3か月間で各局から約90件の支援依頼がありました。その内容は、新型コロナウイルス感染症対策としてのデジタル技術の活用や、Webサイトの構築、オンライン申請など様々です。例えば、新型コロナ対策として実施した「徹底点検TOKYOサポート」プロジェクトでは、飲食店等の感染防止対策を確認するアプリのプロトタイプの開発をサポートし、アジャイル手法も活用して機能を順次充実させました。
 今後も、各局と連携しながらDX施策の取組をサポートしていきます。

今後の取組(2021年7~9月)

各局との連携を図りながら、都政のQOSの向上を図るため、DX施策を技術的にサポートしていきます。


2.区市町村のDX推進に対する支援

進捗状況(2021年4~6月)

 都では、福祉や子育て等、日常生活の中で身近な行政サービスを担う区市町村のDX推進に対する支援策として、各自治体と連携・協力を図りながら、人材育成や技術支援等に資する取組を行っています。
 2019(令和元)年度より、区市町村におけるICTコア人材の育成を目的として、最新のICT知識をテーマとする区市町村職員向け勉強会を開催しています。
 また、2021(令和2)年度より、区市町村におけるICTに関する課題解決のため、都の専門人材が技術相談に応じるアウトリーチ相談事業を実施しています。

■職員向け勉強会の概要
(開催状況
 第1期(2019(令和元)年12月~2020(令和2)年12月) 全6回  33団体が参加
 第2期(2021(令和3)年1月~2021(令和3)年7月) 全6回  23団体が参加
(実施手法)
・民間事業者による最新動向を踏まえた行政向けの講義
・受講者によるワークショップ・ハンズオン実習
・コミュニケーションツールの活用(受講者へSurface端末を貸与)

(内容)

(2021年4~6月の実施状況)
〇第2期勉強会(第4回、第5回)を開催
  第4回  5月 7日 (テーマ:RPA実践活用)       参加者17名
  第5回  6月16日 (テーマ:DX時代に求められるBPR)  参加者18名
(受講者の感想)
  ・他自治体におけるRPAの活用事例や都の取組を聞くことができて参考になった。
  ・オンライン参加に不安があったが、ハンズオン研修を含め問題なく受講できた。
  ・BPMNによる業務フロー可視化の意義や記述ルールを実際の体験を通じて理解できた。
  ・オンラインでのグループワークであったため、対面に比べると意見交換が難しかった。

■アウトリーチ相談事業の概要
(実施状況)
2020(令和2)年度 市部を対象に実施(2020(令和2)年11月~2021(令和3)年3月) 計5回
2021(令和3)年度 市部に加え、区部、町村部へも展開(計12回実施を予定)
(実施手法)
各市より事前に寄せられた相談内容に応じて、専門的知見を有する都の職員が対話形式による技術相談を実施 (※リモートによる相談も実施)

(これまでの主な相談事例)

 区分概要詳細
庁内業務改善
関連
働き方環境業務効率化ネットワーク環境、テレワークの運用等RPA、AI・OCR等データ利活用等
住民サービス改善関連行政手続き広聴広報電子申請等チャットボット・オンライン広聴窓口支援等
情報技術照会等技術情報照会5G等

(2021年4~6月の実施状況)
  4月27日      参加自治体:2市 (グループウェアシステム等)
  6月28日、29日  参加自治体:5区 (BPR、窓口支援、オープンデータの活用等)
 (参加自治体の感想)
  ・自治体内で進め方を模索している事柄に対して、方向性を示してもらい大変助かった。
  ・他自治体の職員と情報交換する機会が少ないため、有意義な機会となった。

今後の取組(2021年7~9月)

■職員向け勉強会
 〇第2期勉強会
  7月下旬  最終回となる第6回を開催テーマ身近な行政課題の解決
 〇第3期勉強会(本年秋頃より開催)
  7月下旬(予定) 勉強会への参加者を募集

■アウトリーチ相談事業
  7月下旬 市町村を対象に実施
  8月下司 区を対象に実施
  9月下旬 市町村を対象に実施


3.デジタル人材の確保と活用

進捗状況(2021年4~6月)

①多様なチャネルを活用し、高度デジタル人材を確実に確保
・デジタル専門の職種として「ICT職」を新たに設置し、2021(令和3)年4月から採用しました。
・デジタルサービス局ホームページや民間の転職サイトを通じて、高度なデジタルの専門スキルを有する外部人材として「デジタルシフト推進担当課長」(特定任期付職員)の募集を開始しました。

デジタルサービス局ホームページでの募集案内
募集案内(デジタルサービス局ホームページ)

②デジタル人材の戦略的な配置を検討
・在任中のデジタルシフト推進担当課長を案件ごとにアサインし、庁内各局等の支援業務に従事する体制としました。

今後の取組(2021年7~9月)

①多様なチャネルを活用し、高度デジタル人材を確実に確保
・デジタルシフト推進担当課長について、募集、選考を経て、2021(令和3)年10月1日付で採用することを予定しています。
・就職を控えた学生等に対して、都庁WEB EXPOやインターンシップ等の採用PRイベントを通じて、ICT職の広報や応募への動機づけに繋がる活動を実施する予定です。

都庁WEB EXPO特設サイト
都庁WEB EXPO 特設サイト

②デジタル人材の戦略的な配置を検討
・案件ごとにアサインされたデジタルシフト推進担当課長の高度なデジタルの専門スキルを活用しながら、庁内各局等による事業の推進を引き続き支援していきます。


4.デジタルに係る人材育成

進捗状況(2021年4~6月)

①DXに係る育成メニューを全職層にて拡充し、都庁職員のデジタルスキルを向上
・職員が「いつでも・どこでも」研修を受講することを可能とする人材育成環境の整備に向けて、LMS(「ラーニングマネジメントシステム」:デジタルを活用して研修実施に関することを総合的に管理するシステム)の導入に向けた検討を進めています。
・DX推進に係る自己啓発支援として、テーマに応じた外部の有識者を講師として招聘するセミナー(都庁デジタルセミナー)の第1回目を開催しました。さらに、オンライン学習ツールの受講環境を整え、通年での自己啓発支援を開始しました。
・事業推進の中核を担う監督職・主任級職のICTを活用した課題解決力を向上させることを目的とした研修(都庁デジタルシフト推進リーダー養成研修)を開始しました。

②都政の高度なDXの実現を支えるデジタル専門職を育成
・新規に採用されたICT職(Ⅰ類B)を対象として、ICTに関する基礎知識を習得できるよう専門研修を実施しました(全14日間)

専門研修の冒頭での宮坂副知事からの講和の様子
(専門研修の冒頭)宮坂副知事からの講話

・ICT職(監督職以下)を対象として、より細分化された専門領域やトレンドの変化に対応できるよう、オンライン学習ツールの受講環境を整え、通年の研修等を開始しました。

今後の取組(2021年7~9月)

①DXに係る育成メニューを全職層にて拡充し、都庁職員のデジタルスキルを向上
・LMSの構築に向けて、庁内研修担当者や事業者等と連携し、システムの整備を進めるとともに、具体的な運用方法等を検証していきます。
・都庁デジタルセミナーについて、次回以降に関する検討、調整を進めるとともに、通年を見据えながら適時開催していく予定です。
・都庁デジタルシフト推進リーダー養成研修のグループワーク等を継続的に実施するとともに、DXに関する知見やマインドセット等を習得するための研修(課長級向け)を実施する予定です。

②都政の高度なDXの実現を支えるデジタル専門職を育成
・新規に採用されたICT職(キャリア活用採用)等を対象として、ICTに関する専門性の向上と自身の役割に応じた知識を習得できるようコース別の専門研修を開催する予定です。
・ICT職(監督職以上)を対象として、個々に合った高度な知識の習得を図れるよう、民間企業や大学等が主催する研修や講座の受講を支援する予定です。